SSブログ

七面山 [二百名山]

4月6日~7日 [晴れ] 身延山塊の七面山(南アルプス南部)へ

BP1000620.jpg
敬慎院・隋身門からのぞいた富士とご来光です。
------------------------------------------------------------------------------
七面山って大半の方はご存じないと思います。 私も近年までは知りませんでした。 

たまたま、昨年同時期に身延山のすだれ桜の写真を撮りたくて、ついでにロープウェイで頂上まで登ってみました。 展望台からの南アルプスは素晴らしかったのですが、一番印象に残ったのは七面山。 http://jetstream777.blog.so-net.ne.jp/2011-04-02 ← 昨年の記事”しだれ桜の里 身延山”

[カメラ]は昨年身延山から七面山を撮った写真です。
(右端中央よりやや上にあるのが隋身門,  頂上は大ガレ上の稜線の中央)BP4021014.jpg

七面山の大きな山容、大ガレの凄ましさ、あんなに高いところにある隋身門。 

私のサイトを訪問して頂いている方から、日帰りも出来ますと焚きつけられました。
そして、ある好奇心旺盛な山ノボラーの方の記事を想いだし、改めて拝見。
なかでも隋身門からのぞいた富士山が印象に残っていました。

法華経の聖地である七面山は、信者の方なら一度は敬慎院を登詣される修業の道のようです。
とはいっても七面山は1,982Mの標高で、今の時期の入山者は少ないようです。

また、富士山の展望スポットである隋身門の前の広場は、春分・秋分の日にはダイヤモンド富士が見られるので、多くのカメラ愛好家で一杯になるそうです。 宿坊も混雑するとのこと。

------------------------------------------------------------------------------

4月6日に七面山を表参道から目指しました。 とは云うものの、例によって朝出遅れてしまいました。
[車(セダン)]登山口のある羽衣の駐車場に着いたのは9時過ぎ。 支度をして表登山道入口、1丁目の鳥居をくぐったのは9時半。← 遅すぎです。[ちっ(怒った顔)]

ここから敬慎院までの50丁目を登っていきます。



50丁目まで標高差は約1,210M、登山道は信者の方でも登りやすいように、階段がつけられています。 よどみのない坂が続きますが、綴れ折れの登りやすい道とステップです。 また各丁目にはベンチが置いてあり、休みながら登れるように配慮してあります。

BP1000511.jpg

40丁目を過ぎると雪が残っています。 早めに41丁目でアイゼン(4本)を着けました。
和光門(46丁目)をくぐるとは敬慎院への入り口となりますが、このまま左の登山道を進みます。 この隋身門への坂道はところどころアイスバーン状態で、アイゼンなしには危険です。

BP1000520.jpg

左手に富士山が見えてくると、49丁目の隋身門に到着。 絶好の富士展望台です。
右は駿河湾から愛鷹山、越前岳。 富士の手前には身延山、毛無山。 左には大菩薩から奥秩父の甲武信、国師、金峰山が遠望できました。

BP1000534.jpg 

時間はもう1時近く。 ここまで3:20(コースタイムは3:10)と時間がかかった。 ここから七面山の頂上までは約1時間のコースタイム。 日帰り往復に赤信号が点った。[がく~(落胆した顔)]

荷揚げケーブルステーション横から頂上への道が続きます。 今までとは一変し、雪景色。[がく~(落胆した顔)]

BP1000564.jpg

登山道らしき道?はなんとか識別できるが、人の踏み跡がない。 けものの足跡がある。 ここ1週間か10日は誰も通っていないようである。

BP1000537.jpg 

樹林帯を登っていくと、稜線に突きあたる。 大ガレの稜線だ。
(2枚目の昨年撮った写真を見ていただくとわかります。)

ここから、急登の坂。 道は痩せて凍っています。 アイゼンがなければここは登りきれません。 時間をかけてゆっくりのぼります。 途中振り返ると、爽やかな富士。

急坂を登りきると、左に折れて緩斜面を登っていきます。 
左はロープ向こうは大ガレですが、樹林帯で見えず。 知らぬが仏とのこのこと。 
積雪が深くなり、ずぼ脚になるところがあります。

樹林帯の中にぽっかりとした空間が広がったところが頂上です。

BP1000549.jpg

空間の真ん中に、三角点と展望方位盤、そして七面山1,988Mの標識があるだけ。 
樹林に囲まれて見えない頂上なのに展望方位盤がある。 これはチョットNGだ!

BP1000541.jpg 

ここから南アルプス南部の展望台と云われる希望峰までは1時間はかかりそうだが、空荷で樹林の切れるところはないかと南進する。  
おや、敬慎院からの足跡はなかったが、七面山頂上から南への登山道には足跡がある。 最近誰かが南のルートで往復したようである。    
ここからは完全にずぼ脚になり、1時間はかかりそう。 これはしんどいと判断しすぐ引き返した。
 
頂上ではサンドイッチで軽く食事をすまし、休憩。
だれも居ない頂上の樹林にかこまれた空間は不思議な雰囲気。
知らぬ間に時間がたち、もう3時前だ。 一旦隋身門へ戻ろう。

途中で、大ガレが見渡せるスポットから眺めてみた。 凄い大ガレ場だ。

BP1000560.jpg

隋身門にもどったら、もう3時半を過ぎていた。 
そこで念願の随身門からの富士をのぞき、[カメラ]写真に収めました。[わーい(嬉しい顔)]

BP1000568.jpg

余裕を見ると、下山に2時間半とみる。 
日没には何とか下山できるかもしれないが、この登山道は北東面なので暗い。 
安全第一を考え日帰りを断念、宿坊に泊まらせていただくことにした。

敬慎院は標高1,720Mにあり、こんな高いところに立派なお寺があるとは驚きである。
早速、部屋に案内していただく。 
12畳の部屋はファンヒーターで暖められてあり、コタツで冷えた体に暖をとる。 
この日は平日で、私一人だけかもしれない。
お湯がたっぷりの風呂に浸かり、もうリラックス![わーい(嬉しい顔)]


夕食は、以下のように質素な精進料理ですが、美味しく戴きました。 
こんな聖地では酒も飲めないと思っていましたが、日本酒付です。[わーい(嬉しい顔)]

BP1000573.jpg

夕食後と起床後は、宿泊者にはお勤め”勤行”への参加が義務です。 ここの信者ではありませんが、お世話になる以上、謹んで御開帳とお勤めに参加。 お祈りさせていただきました。

部屋に戻ると、普通の布団が敷かれ、湯たんぽで暖めてあり ゆっくり休めました。[眠い(睡眠)]
トイレも水洗で、暖房便座。 混雑したシーズンの山小屋に比べると比べようもなく快適。
サービスも行き届いており、しかも料金は1泊2食で5,200円と申し訳ないほどの奉仕料金。 なので、家内安全のお札を戴きました。

このような高地で修業に励まれる住職の方々、環境保全に配慮しながらも登詣宿泊者へのサービスを維持される従業員の方々には頭が下がる思いで、敬意を表したいと思います。


翌朝は太鼓の音で5時起床。 この日の日の出が5時27分。 
宿坊では隋身門からの富士山がモニターで見れます。 快晴のようです。 

隋身門までの階段を上り、展望台で御来光を待ちます。

BP1000641S.jpg

私一人でした。 ご来光と富士。

BP1000610.jpg
 
そして、トップの写真。 
思ってもみなかった隋身門を額縁にした富士とご来光の写真を撮ることが出来ました。 いつまでも目に浮かぶシーンです。

☆山行記録は 前述の標高グラフの右下、山行記録をクリックしてみてください。
nice!(36)  コメント(26)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 36

コメント 26

よしころん

素晴らしいご来光でしたね♪
このお山と宿坊は昨年雲の平でお会いした山岳ガイドさんにお勧めいただきました。
やはりよい所のようですね^^  是非一度訪れてみたいです。
by よしころん (2012-04-09 07:42) 

mimimomo

おはようございます^^
朝出発が遅かった分、思わぬ余禄があったような素敵な宿坊どまりでしたね。
翌朝もご来光が拝めて富士山の直ぐ近くで・・・
見ていて爽快です。
by mimimomo (2012-04-09 08:23) 

nousagi

以前身延線沿いの山を見ていた時
この面白い山名に気が付きました。
日帰りでなく、泊まられたのが大正解ですね。
それにしても、こんな宿坊だったら嬉しい。
見習ってもらいたいですよ。
鳥海山の山小屋 ← しっかり名指しです(^^ゞ
by nousagi (2012-04-09 10:15) 

koh925

隋身門からの富士の眺め、素晴らしいですね
宿坊に泊まって日本酒つき、これも良い
でも、2時間半もかかる山中にあるとは信じられないぐらいです
前記事の吉野梅郷の画像、川を挟んだ北側のようですね
by koh925 (2012-04-09 12:57) 

OJJ

1枚目の写真素晴らしいです!
日蓮宗の勤行はどんな雰囲気でしたか?
般若湯付きとはまあ何と素敵な・・・メモメモ)
by OJJ (2012-04-09 13:43) 

tochimochi

富士とご来光はやはり絵になりますね。
修行の山でのお勤めもまた新鮮だったことでしょう。

by tochimochi (2012-04-09 19:15) 

hidamari

1枚目の写真に感動!!
それにしても1,200mも階段作られた方もすごいですが、上る皆さまもすごい!!
でも気持ちのよい宿坊での朝は、心身ともに清々しそうですね。
by hidamari (2012-04-09 22:00) 

kuwachan

こんばんは。
隋身門からの富士山の眺め、絶景ですね。素晴らしいです!
お天気にも恵まれてご来光と富士山を独り占めなんて
滅多にないことですよね。心に残る山行きとなりましたね。

by kuwachan (2012-04-09 22:19) 

ひろたん

展望がよくて
きれいな山ですよね^^
朝日がとても綺麗です。ご来光ね
宿坊は泊まってみたいです
by ひろたん (2012-04-09 22:28) 

hide

身延の山ですか、
意外と行ったことがなく、盲点の山域でしたね。
しかもこの宿坊に興味津々となりました。
私もオフシーズンの平日にお邪魔したいです。

by hide (2012-04-09 23:29) 

のら人

宿坊に宿泊されましたか。 ^^
お別当様が良い方だとサービスも良いですし・・・。
なにより天候に恵まれて良かったですね。
自分もまた行きたいです。
by のら人 (2012-04-10 08:27) 

CARRERA

ココには同行の女性が登りたがっていました。
ロープウエイがあるから楽に登れるよって言っていたけどよく見ると
荷揚げ用のロープウエイでした・・・・・・

腰を痛めてしばらくは山業は無理かもです。。

by CARRERA (2012-04-10 14:34) 

Terry

おお!「身延山塊」とは。まったくノーマ-クと言いますか、完全に見落としていた地域ですよ。
「以下のように質素な精進料理」、山小屋より立派で美味しそうな食事だ!しかも1泊2食で5,200円とは!泊まりで行かないと御来光は見れませんよねえ。一人っきりの御来光良いですね~。夏の槍ヶ岳なんてワンサカ人がいて、ちょいとゲンナリ(でも良いですけど)してしまいそうです。
by Terry (2012-04-10 17:22) 

joyclimb

隋身門から見る富士山、とても神々しいです^^
by joyclimb (2012-04-11 01:52) 

旅爺さん

最初のは懐かしさを感じるようないい写真ですね。
無理せず宿坊に泊まって楽しかった思い出が増えましたね。
by 旅爺さん (2012-04-11 11:58) 

misato

宿坊でもお酒がいただけるんだ!?知らなかったです!
もう宿坊を敬遠するのはやめよう^^
by misato (2012-04-11 23:20) 

山子路爺

好い富士山ですなぁ~。
素晴らしい。
by 山子路爺 (2012-04-12 00:09) 

Umi-Bozu

静岡に住んでいた頃、この山の事を知りました。精進料理とお勤めは気にならなかったのですが、禁酒だろうと思って何となく避けてました(笑) 
by Umi-Bozu (2012-04-12 18:36) 

opas10

質素だけととてもゼイタクな時間を過ごされたのですね。隋身門からの富士山、ナマで見たら一生思い出になりますね~!!
by opas10 (2012-04-14 11:44) 

Jetstream777

よしころん さん、 素晴らしいご来光でしたよ。 ここは平日泊だったら、いい山行ができると思います。 やはり、通の方はご存知ですね。

mimimomo さん、  朝早く出ていたら、日帰りで山の宿坊の体験は出来なかったし、ご来光も拝めませんでした。 出遅れ転じて福となす!
nousagi さん、 この宿坊は空いていればお勧めで、楽しい体験ができますよ。 お味噌汁は写真の桶に一杯入っています。 健康的な食事で◎。 !(^^)!

Koh925 さん、 標高1,720Mでこんな立派な寺社があるとは私も驚きでした。 お風呂も、水洗トイレもあり、水も、電気も不自由なく使える。 でも修行の山なので登らなくてはなりませんね。 吉野梅郷の写真、 すぐ反対側にある高台です。
by Jetstream777 (2012-04-14 12:22) 

Jetstream777

OJJ さん、 あの写真が撮りたくて、この山を登りました。 !(^^)! 風呂はあるしお酒はいただける。 あんな高山では極楽です。 (笑) 勤行、宗派は異なれ、 僧侶の方々の祈祷には感心いたしました。 !(^^)!

tochimochi さん、 宿坊は京都、高野山で泊まったことがありますが、山行で宿坊にお世話になるとは思いませんでした。 勤行はいい体験でした。 

hidamari さん、  ここは修行の山として、切り開かれたようです。 登山道はよく整備されています。 ここの木階段は、とても登りやすくできています。 一般の信者の方でも登りやすくという配慮からでしょう。 朝、素晴らしい日の出と富士山でしたが、寒い。 (笑)
by Jetstream777 (2012-04-14 12:23) 

Jetstream777

kuwachan さん、  この門からの富士とご来光は、印象に残ります。 山ノボラーでなくとも、登りやすい山だと思います。 荷物(ザック)は連絡しておけば、登山口の春木屋さんがケーブルで荷揚げしてくれます。 ですから、最低限の身の回り品だけで登れます。

ひろたん さん、 この宿坊はお勧め。 できれば枝垂桜の咲く4月頭がベスト。 翌日は身延山に立ち寄られれば、完璧な山行になります。

Hide さん、  電話で予約状況を確認されていかれたらよろしいかと思います。 この山は狙ってました。 ただ、頂上の展望がまったくないのにはがっくりです。 無雪期でしたら、喜望峰まで往復してください。

CARRERA さん、 荷揚げでもしてくれるのはいいと思います。 燕岳でも、ケーブルがあるので、荷揚げ(ザック)してくれれば助かりますのに。 (笑) ここは通の方はご存じなんですね。 !(^^)!
by Jetstream777 (2012-04-14 12:24) 

Jetstream777

Terry さん、  こんなところが山行の対象なんてご存じなかったでしょう。 泊まりに関しては、楽しく快適に過ごせました。 しかも独り占めの富士とご来光。 !(^^)!
中央道でも東名でも行け、アクセスがいい。 駐車場までも問題なく行けます。 身延山の枝垂桜の時期に行かれるといいですよ。 晴天の日におススメ!

joyclimb さん、 随身門からの富士、こんな風景はあまりないと思います。 また行ってみたいですね。

旅爺 さん、 無理に日帰りせず、結果オーライです。 印象深いご来光を見れ、こんな写真を撮れ最高です。 !(^^)!
by Jetstream777 (2012-04-14 12:25) 

Jetstream777

misato さん、  お酒、一合で足りないですかと言われました? 多分、お代わり頂けたかもしれませんが、そのあと勤行があったので、控えました。 (笑) この宿坊は山ノボラーにはいいですよ。!(^^)!

山子路爺 さん、  コメントありがとうございます。 また、行ってみたいです。次回は喜望峰まで足を延ばせれば・・

Umi-bozu さん、 お酒をいただけるなんて思いもしませんでした。 多分お代わりも出来るかもしれません。(笑)
by Jetstream777 (2012-04-14 12:26) 

Jetstream777

のら人 さん、  のら人さんのブログを拝見し、あの随身門の写真拝見。あれをみて行ってみたいとおもいました。 ありがとうございました。 次回は宿坊に泊まって、ご来光を! のら人さんなら、南から登られては?

Carrera さん、 追: 腰痛の早い回復願っています。

opas10 さん、 機会あれば、晩秋がいいのかなと思います。 絶好の写真スポットです。
by Jetstream777 (2012-04-14 12:36) 

テリー

身延山の枝垂れ桜、行きたいのですが、なかなか、機会がとれません。
宿望に泊まって、ご来光を仰ぐのを、是非やってみたいですね。

by テリー (2012-04-14 22:02) 

トラックバック 0