早月尾根を登る。 [百名山歩き]
7月30日 いよいよ今年一番の試練とチャレンジがはじまります。
小屋から見た 早月尾根と剣岳。
日本百名山の中ではポロシリ岳・額平川渡渉コースと剣岳・早月尾根コース、 登山のスタイルは異なりますが、 最難関の双璧と云われる。
標高2,420Mの室堂ターミナルからの別山尾根はアクセスがよい。 早月尾根コースへの入山者数の約10倍近い。
岩場での渋滞とタテバイでの落石が懸念され難度も高く、テクニカルで上級だが、 扇沢からのトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイといった文明の利器ずくめの交通手段を使えば室堂から剣岳山頂までの標高差は600Mもない。 そこから入山するのはあまりにも俗人っぽい。
百名山を代表するひとつの山である 剣岳くらいはまともに登りたい。 辛いけど。。 (笑)
平ヶ岳も正規ルートで登ったし、 皇海山も鋸ルート、 ポロシリも渡渉コース。 これはという山は正面からチャレンジしてきたではないか!
北アルプス3大急登のひとつ、早月尾根(標高差2,250M)から剣岳にチャレンジすることにした。 日本の代表的尾根で一般登山道では屈指のタフなコース ここを踏破すれば名実ともに剣岳を登頂したと云える。
中には日帰りを敢行する健脚もいらっしゃるようだが、 初日はまず午前中に馬場島から早月尾根を小屋まで登って体を休めて、翌日午前中に剣岳を往復し その日のうちに馬場島までの長い尾根を下るというプランです。
単独で長い急登の尾根と連続する岩場を切り抜けるのは心細いが、今回は日頃のトレーニングでパワーアップしたTerryさんも同行戴けるので心強い限りである。。
今回はTerryさんの6気筒のパワフルな車で 交代しながら富山まで。 ロングドライブと翌日のタフな早月尾根を考えて 馬場島荘に前泊。
5:55 標高741Mの馬場島登山口から出発。 晴天なら ここから剣岳本峰も見えるとのことであるが雲模様である。
この日の目的地である早月小屋・標高2,224Mまで 距離約5.2KM、標高差1,483M、平均勾配約15度 。 更に翌日は剣岳山頂までは標高差約775M。
山頂までの標高差2,258Mの早月尾根は 甲斐駒の黒戸尾根標高差2,196Mと双璧だが、淀みのないキツイ勾配と獅子岩に立ちはだかる連続した岩場を考慮すると 早月尾根が最難の尾根とする方も多い。 山渓の日本名急登ランキングでもトップに推されている。
早朝から気温は上昇、樹林帯で覆われ風も抜けない屋根はサウナ風呂のように暑い。 出はじめから、この尾根を登りきれるかと云う不安が脳裏をよぎる。
いきなり ジグザグの急坂がはじまります。 マラソンと事前トレーニングで準備万端のTerryさんは快調。なんとかついていくしかない。
標高1,000M。 松尾平の手前で雨がパラパラ、念のためザックカバーをかける。
松尾平あたりが 唯一の緩斜面、 ここで一息つきます。
一服杉と云われる立山杉、 樹齢は約900年くらいだそうです。 このあたりから特に急峻となる。
標高1,200M 樹林に覆われて展望はなく、 ここから1,600Mまでひたすら登るだけ。
標高1,600Mの標のあるポイント。 雨には降られませんが、どんよりとした曇。 蒸し暑いよ~。 晴れていればもっと暑いのかな。 全部で飲料水は全部で2L強ですが、 惜しまず飲む!
実測では1,550Mくらいで50Mほど誤差があるようです。 ちょっと気休めの誤表示なのか? 次の区間が長くなる。
樹林帯にかこまれ、 淀みのない急登 ずっと続く。 とにかく、一歩一歩着実に登るだけだ。 試練ばかりで、爽快さがない尾根ルートだ。 上りだけでなく、 下りも考えると憂鬱。 山ガールもほとんどいない地味なルート。
振り返ると 馬場島、立山川の流域までもが見える。 この区間も急登が続く。 そして、尾根の部分に出ても風は微風、暑いのに閉口。 なんでこんなに暑いのか。
1,920M 三角点。 剣岳山頂に三角点が設置される前までは、 剣御前とここしかなかったようです。
避難小屋跡 付近? 雪渓が融雪し淀んだ水たまりになっています。
この早月尾根は水場は全くありません。 飲み水は馬場島で十分に補給しておいてください。
大岩を登るロープ場がでてきました。 、ここまでは難しいところはありませんが、とにかく急登~。 2,000Mを超すと小屋への最後のぼりですが、 斜度はきつくなる。
急登を登ると小高い丘の上にでた。 やっと 早月小屋が見えました。
11:00 ピッタシ 早月小屋到着です。 馬場島から約5時間かかりました。 疲れたよ~。
午後は翌日のサブザックのパッキングをして、 布団の上でからだを休める。
前述しましたが、 ここは水場もなく夕飯の食器もプラ。 ヘリで回収するようです。 小屋の運営も大変ですね。
小屋は定員に対し7~8割程度、 一人布団一枚のスペースはありました。 他の山小屋程、窮屈感はなく イビッキーもいなくて 十分休むことができました。
小屋の前からは小窓尾根、 剣岳らしい眺めです。
次回は 剣岳へのアタックです。
このルートは僕も行きました。懐かしいです。
早月小屋まで展望も無いし急な登りの繰り返しですもんね。まさに試練と憧れの道のりです。
小屋まで着くと安堵感がありますよね^^
by 山さん (2015-08-17 21:57)
その昔、ここを下ったことがありました。
標高差2,250Mもあったとはそのときは考えもしませんでしたが・・・。
百名山もいよいよ終盤ですね。
数々の難コースを歩き通されたJetさんですからこのコースを選ばれたのも当然です。
今回はTerryさんも同行ですか、心強いですね。
by tochimochi (2015-08-17 22:39)
今回はイビッキーに遭遇されなくて幸いでしたね^^
疲れの取れ具合が全然違いますよね!
by kuwachan (2015-08-17 22:55)
おはようございます^^
立派ですね。言うことなしです。
山登りがきついなーっと思ったときは、「一歩一歩足を動かせば着実に目的地に着く」って自分に言い聞かせますが、Jetstreamさんとわたくしではその差が大きいですね(^-^ わたくしは白馬三山縦走の時や、今回の針ノ木岳の時にそんな思いをするのだから。
by mimimomo (2015-08-18 06:39)
剣は早月尾根を選ばれましたか・・・流石!何回か別山から眺めてため息をついて・・
この記事がこの出だしでアップされていると言うことは満足された山行きなのですね!
私は山ガールの居るコースの方が好きです・・笑)
by OJJ (2015-08-18 10:05)
早月尾根・・ 現役時代でも辛かった思い出があります
素晴らしい(^^)/
by まえまえ (2015-08-18 11:33)
ワタシは俗人なので・・・(^^;;
文明の利器を使っちゃいますww
「なんでこんな所へ来ちゃったのか・・・」
登ってる最中は、そんなことばかりが頭をグルグルです・・・。
by achami (2015-08-18 11:36)
こんばんは。
マッチ箱、ドーム、そして小窓の頭!見えていますね~。^^
早月尾根の凄い所は小窓尾根と剣尾根(どちらもクラッシックバリ)に挟まれたその景観美にありますね。(笑)それらを眺めるだけで、お釣りが来る景観です。久々に良いモノを見せて頂きました。有難うございます。
by のら人 (2015-08-18 19:57)
御訪問、NICE、コメント戴きありがとうございます。
山 さん、 小屋に着くとやれやれです。 水場があればいいんですがね・・・
この尾根は夏登るには、暑すぎます。 (笑) もう、懐かしさだけで十分。
tochimochi さん、 昔の山男の脚では、難なく下りられたでしょう。 !(^^)! 下りは長く感じます。 相棒はパワーありました。 特に登りは。
kuwachan さん、 窮屈感の少ない小屋で、2段の床もありません。 宿泊者が少ないんで、混んでないんでしょう。 剣沢側は一杯だと思います。。 よく休めました。!(^^)!
mimimomo さん のガンバリにはいつも元気を頂きます。 どの山も楽には登らせてくれませんね。 コースタイム程度の歩きなんで、 そんなに変わらないと思いますよ。
OJJ さん、 私も山ガールのルートがいいです。 早月尾根、一度登れば十分です。
でもキツさと相応に、踏破したという充足感はたっぷりです。 (笑)!(^^)!
早月尾根の上部の歩きは景観もよく チャレンジング。 上部が核心でしょうね。
まえまえ さん、 ここは元気なうちに登っておきたいですね。 私は時すでに遅しです。 (笑) でもガンバリました。
achami さん、 次に来るときは文明の恩恵あやかります。 大昔は富山側からケーブルとバスで室堂まで。 早月尾根、 途中でこんな展望のない、蒸し暑いコース・・と後悔? 試練でした。
のら人 さん、 小窓尾根、 剣尾根・・ ウズウズするでしょう。 見るからに畏怖を感じます、私は。
by Jetstream (2015-08-18 21:19)
お疲れ様でした。さすがは劔でしたね。1週間も筋肉痛でしたよ。こんなこと始めてです。小屋までは蒸し暑くてまいりましたね。今回は2部構成ですね。早く書かないと忘れてしまいますよ。後半を期待しています。
by Terry (2015-08-19 17:32)
馬場島まで公共交通機関で行ければ私も早月尾根にチャレンジしたいのですが…。上市駅からタクシーで行けばシャレにならないくらいバカ高いし、一人で往復運転するのも気が遠くなるし…。結局、立山も一気に片付けることを考えた場合、俗人っぽくなってしまいますが、別山尾根を使わざるを得ないかなぁ?
マラソンランナーとしては(まだ完走していませんが)上市駅から20km以上歩いてから早月小屋に泊まって室堂に下るという方法も考えても良いかもしれません。いずれにしても、出来るだけ体力のあるうちに登っておきたいですね。
by makiwarikun (2015-08-19 19:26)
Terry さん、 まだ手直ししようと思ってましたが、とりあえずアップしちゃいます。 !(^^)!
makiwarikun さん、 最近ネットでタクシー相乗りってあるようですが、不安なところありますよね。 別山尾根~剣~早月尾根、 小屋で同行者が見つかればタクシー代シェアできますね。 早月尾根は多分もう登ることはないような気がします。 一度で十分です。 (笑)
by Jetstream (2015-08-19 20:19)
>これはという山は正面からチャレンジ
Jetさんのすごいところですね。
私なら、あるものは使う、
一番楽なコースでがモットーです。(笑)
頼もしい山友さんご一緒で心強いですね。
by nousagi (2015-08-22 18:08)
nousagi さん、 過分なるコメントありがとうございます。 まだ頑張れるうちは、チャレンジしたいんですが、辛いと弱気の虫がでますね。 (笑)
相棒も心強いんで助かりました。 やっぱり、仲間です。 !(^^)!
by Jetstream (2015-08-24 21:25)