有明山、急登と難所の連続だった [二百名山]
4月30日 今年のGWの第一弾は, 北アルプス・常念山脈の前衛峰 有明山2,268Mだ。
「信濃富士」 とも呼ばれています。
安曇野を通るたびに、常念岳の右前に聳え立つ富士山スタイルの山を目にしていたのが有明山だったのである。
でも、この有明山 只者ではなかった。 手ごわい山だった。
登山口である「中房温泉」はあの急登で有名な合戦尾根から燕岳、そして北アルプス表銀座ルートの玄関口である。
駐車場は連休で駐車場はオーバーフローになること必定。 これを予期し深夜に登山口へ、有明荘裏のP3に駐車することが出来た。
案の定、朝になったら空きスペースはなくなっていた。
ここから登山するかたは、燕岳、大天井岳への日帰りもしくは燕山荘泊がほとんど。 なかには表銀座を縦走される方もいつかもしれないが、連休中は一日数百人は下らないでしょう。
私は有明山登山口のある駐車場の奥の方向へ、 身支度する登山者の方の中には何処へ行くんだろうと奇異のまなざしを向けられた。 ここでは有明山を目指すのは奇人変人に思われるかもしれない。
合戦尾根にはこんな掲示はない、やっぱり登る人がほとんどいない人気のない山。
燕岳や合戦尾根から視界に入ったかもしれないがまったく印象に残ってない、カメラを向けた記憶もない気にも留めなかった山。
こんな厄介な注意書きも。 クマ鈴をON状態にしよう。
入口から いきなり急登がはじまる。
三叉路、 P2/三段の滝からの登山道と合流。
再び急登がはじまります。
いきなり、こんな丸木のハシゴ。 麓から見ると有明山のスロープは急だ、登り切れるか一瞬不安になる。
ロープ場も出てきます。 ストックは邪魔になるんで収納します。(下りも使いません、3点ホールドが安全です。)
ほっと一息、木々の間からは常念山脈の稜線がまぶしい。 結構暑く感じる、補水しながら登る。
トラロープも次から次へとでてきます。
『十分整備されておらず・・』 と書いてありましたが思ったよりわかりやすい。 でも 『険しい』。
登山道は往来が少ないため荒れていますが、 明瞭。 進入禁止もしっかりと明示されています。
この険しいルート まるで修験者の道だ。 ここは有明山神社奥宮への裏登山道。
クサリ場も出てきます。 ここは数ヶ所ある難関のひとつ。 下に百メートル以上は切れ落ちています。
岩に打ち込んであるボルト、 2本目が重みで下向きに曲がっています。 下は見ないこと。(笑)
久しぶりの緊張感、 昨夏の早月尾根獅子岩下のトラバース以来である。 ここは慎重に素早く渡る。
標高を上げると気温は低下、 流水が凍結しつららになっている。
写真で見る印象より、ずっと厄介な登りなんです。 急登に次ぐ急登が続く。
登山者が少ないんでしょう、 倒木もずっと前のもの。 切り株に足をかけて登ります。
この崖がたぶん一番の難所。 右に下りながら巻く、 足の置き場所が限られ着地する場所も痩せすぎ!
急がず、基本セオリー通り三点支持で手掛かり、足場を見つけて下る。
足の届かない! ・・・・・ 岩から体を離して見たら・・・・ ボルトが打ってあった。 !(^^)!
この切れた沢も意外に厄介。 残雪がもっとあれば軽アイゼンで渡れるが岩を乗り越していかねばなりません。 岩の下は鋭く切れ落ちています。
越えると丸太ハシゴ、その先は痩せて切り立ったトラバース。 息つく暇なし。(笑)
5~8合目はロープ、鎖、岩場、ガレ場、そして切れ落ちた痩せ道が続く。
久しぶりの緊張感が蘇る。 いや、本当は恐~いのである。 でも、慎重に足運びすれば抜けられます。
注意深く足運びをするしかない、足の置き場を確認しながら。。。
樹間から有明山山頂 への尾根、稜線が見えてきた。
8合目。 ここから東餓鬼岳から有明山に続く尾根に合流。 ここからはもう難所はない普通の登山道。
9合目、 あともう少し。 残雪もほんの少しあります。 例年ならこの時期アイゼンが必要なんでしょう。
9合目からの登りで下山中の方1名、山頂直下で1名、出会いました。
(南峰からの帰りに2名の方。 この日の表登山道コースでは私を含め5名のみのようです。 時間があればどんなモチベーションで有明山を登られたのか聞いてみたかった。。。)
尾根を登りきると一挙に展望が開けました。 途中の急登と難所でバテたがなんとか標準コースタイムで来れた。
有明山神社、山頂 標高2,268M。 ここが奥宮。
さっそく登頂と無事の下山を祈願。 ここは二百名山なんで お賽銭も 100 X 2 と奮発。
安曇野方面が開けていますが、北アルプス側は木々でブロックされてます。
ユニークなステンレス製の鳥居。 ピッカピカで錆びることもなく堅牢な感じですが、雷が怖い。
祠の前にはこんな掲示。 この神社が北岳。 さらに中岳に向かいます。
祠の裏側から回り込むと、ここに三角点がありました。
途中こんな岩場も、ここも右は大きく沢に切れ落ちています。 とにかく安全に、恰好はかまわない。 (笑)
中岳 標高2,248M。 ここが山頂とも云われています。 奥宮の奥?
ここは東西両面が開けてます。 常念岳から燕岳まですっきりと見えます。
常念岳と横通岳。 主脈の稜線は雪がたっぷりありますね。
大天井岳、 小屋が見えます。 今年は行くぞ!
右が燕岳、 左のピークが燕山荘のあるところ。 そこから下るのが合戦尾根。
次回合戦尾根に登った機会には有明山をじっくり眺めるでしょう。 !(^^)! (笑)
安曇野を見下ろします。 北岳へ戻ってカップ麺休憩。
北岳(北峰)は北部方面の視界がいいです。
たぶん方角からすると、北葛岳~蓮華岳? 未踏の領域。 ここも登るぞ!
たぶん、 鳴沢岳~岩小屋沢岳? 未踏の領域・・・山座固定自信なし。
爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳、 豆粒のように種池山荘らしきが見える。
どうか急坂、難所を無事下れますように。。。。 下山します。
三段の滝ルートでタル沢の滝 ~ P2登山口へ下山, そこから林道で有明荘裏のP3に帰還。
滝沿いの登山道の花。 たぶん、オオバキスミレのような気がしますが、これも自信なし。(笑)
私のコースタイム: 北峰までの上り 3時間37分 下り 2時間20分
有明荘裏P3登山口 06:15 三段ノ滝分岐 06:35 鎖とボルト 07:55 8合目 09:20 9合目 09:35 有明山神社北峰 09:52~10:10 奥宮中峰 10:20~10:35 北峰 10:45~11:17 8合目 11:37 三段ノ滝分岐 13:14 P2登山口 13:30 有明荘裏P3 13:37
中房温泉から表銀座へはこの日はたぶん数百人、それに対し有明山へはたったの5人。 人気のない山である。
急登とロープ・鎖場の連続で喘ぎ、「もうこんな山嫌だ、二度と登るまい」 と思った。(笑) 対面の燕岳なんかは何度登ってもいいと思うが、この有明山は・・・・ そして、二百名山にはこんな山が多くあるんだろうと思い知らされました。
しかし、登りきった山頂からの景観が素晴らしく、喧騒感のない静かな山歩きができた。 顧みればなかなか味のある山だ、信濃富士。 岩場、鎖・ロープ場がお好きな方は是非チャレンジください。
信濃富士、お疲れ様でした。^^
昔、一度登ったことがありますが、昨今はここから北燕への藪縦走をいつか・・・と画策中です。合戦を登りたいならば、登る前に必ず!ココを登らなければならない・・・なんて条例を作って欲しいですね。そうすれば全体的に甘い考えの遭難は減ると思います。
オオバキスミレ。自分が唯一大喜びするスミレです。これ以外のスミレはどこにでもありますから。(笑)
by のら人 (2016-05-07 19:19)
のら人さん、 こんばんは! やっぱり登られてましたか。 なかなか渋いコースと山です。 貴殿ならなんなく楽しんで踏破されたことでしょう。 有明山は笹薮もありますね。 合戦尾根もきついですが、有明裏参道もきつくスリルがあります。 オオバキスミレ? あってましたでしょうか?(笑)
by Jetstream (2016-05-07 19:33)
山岳小説で聞く名前の山です。見ているだけで怖い
写真で見るより実際の方が 急ですよね。
前にその傾斜を出したくて座ったらリュックの重みで下へ2.3m落ちたことがあり
それ以降は、そのような写真の撮り方は止めました。
痩せ尾根、キレた道 怖いです。這って行きたくなりますね
今回は山行拝見しすごいなあが感想です
鎖場、これを横に移動ですか?下を見てはいけないのですか
怖い!怖いばかりのコメントで失礼しました
by majyo (2016-05-07 19:48)
おぉ~怖い(><)
下るのはさらに怖い(><) わたしは無理す~~~
お疲れ様でした m(__)m
前記事、スマホで斜め読みしてたのはわたしです ^^;
大変失礼いたしました m(__)m
by よしころん (2016-05-07 20:05)
黄色いこちゃんはオオバキスミレで大丈夫だと思います♪
by よしころん (2016-05-07 20:10)
あまり登られない山とはいえ、けっこう整備されてますね。
それでも鎖場やボルトが打ち込んである箇所はかなりの急傾斜で緊張のほどが窺えます。
さらにバリルート歩きがステップアップしましたね。
そして山頂での残雪の山々が素晴らしいです。
さすがに北アルプスです。
by tochimochi (2016-05-07 22:17)
おはようございます^^
相変わらずやっていらしゃいますね~かなり厳しいお山。もっと足腰に自信があれば挑戦したいけれど、今のわたくしにはもう無理。
人数が少ないと言うのが良いですね。静かに楽しめる。
by mimimomo (2016-05-08 07:44)
すごいルートですね。
このルートは、私には、無理ですので、ブログだけで、十分です。
できれば、今年の夏、燕から大天井岳あたりに、登って、槍・穂高を撮影したいです。
by テリー (2016-05-08 11:20)
マニアックなJetさん^^
登りはいいけど・・・下りが恐怖で1歩も足が出ないかも(^^;;
燕岳、大天井岳、去年の事なのにとても懐かしい。
合戦尾根でヘタレだった自分も思い出します・・・ww
by achami (2016-05-08 14:24)
ここはムリムリ~私はパス!。ここはjetさんだからやれたのでしょうね~
朝ドラ<おひさま>で山は見ていましたが田中陽希も難儀して居たモン!
3点支持では未だ心細いのでロープを口にくわえて4点支持ってのはダメ???笑)
by OJJ (2016-05-08 19:01)
majyo さん、 こんな山お奨めでありません。 (笑) 下を見ると怖いし、見なきゃ足場が置けないし・・・・ 急斜面を写真で表現するのは難しいですね。
よしころん さん、 オオバキスミレですよね。 ありがとうございました。 また、教えてください。 よろしくお願いいたします。 !(^^)!
tochimochi さん、 登山者が少ない割には、わかりやすく整備されてます。 でも、定期的にチェックされているとは思えないんで、注意した方がいいかもしれません。
山頂では晴れてましたのでラッキーです。 北アの雪の稜線は別天地の感あり。 それだけ厳しいんでしょう。
mimimomo さん、 反対側の合戦尾根は往来が絶えないでしょうが、有明山はホント静か。 熊も出そうです。(笑)
テリー さん、 大天井は私もまだ行ってないんで、目指します。 !(^^)!
by Jetstream (2016-05-08 22:50)
achami さん、 こんな山登るのは奇人と思われても仕方たないです。(笑) ここは二百選なんで、トライしました。 合戦尾根も急登、でもやれば出来たでしょう。 !(^^)!
OJJ さん、 なるほど4点指示? 一般的な楽しさは合戦尾根ですよ。 次回登られたら、有明山を見てみましょう。 !(^^)! 200のうち約8~10は登頂不可能、 40くらいは有明山程度? のこり50は程々のようです。
by Jetstream (2016-05-08 22:58)
ここまで来たら、安全な燕岳のほうに行ってしまいますよね。
人がいないというのはいいですが、険しいですね。
新しい目標できましたか?(^^)
by nousagi (2016-05-09 10:33)
駐車場の混雑からも山人気衰えを知らずって感じですね。
GW中、事故も多かったようですが、安全第一ですよね(^_-)-☆
by kuwachan (2016-05-09 12:45)
名前だけ知ってました。こんなに厳しい山だったんですか!オラは高所恐怖症なので一生登らないと思います。毎朝NHKBSでやっている「グレートトラバース2 15min」を毎回録画して見てますが、200名山ってとんでもない山がありますよね。
by Terry (2016-05-09 17:55)
これが噂の有明山!楽しそう♪ って行く予定ないけど^^;
「くるまや」で名物蕎麦を食べてきませんでしたか?
by misato (2016-05-09 21:10)
nousagi さん、 燕岳は静かならいいですね。 有明山もいま顧みればなかなかいい山です。 一度登っておいたらいかがでしょう。 前にも述べましたが、好きな山、行き易い山のを登る傾向があるんです。 新しい山をできるだけ登ってみます、!(^^)!
kuwachan さん、 いつもGWは遭難が多いですね。 標高の高い山はまだ冬山なんで注意しないとやばい! です。 無理せず、慎重にのぼるしかないですね。
Terry さん、 早月尾根のようなキツさはないですが、厳しい部類の山でしょうね。 200MTのうちとんでもない山がいくつかありますね。 今回その一つを狙ってましたが、暖冬でタイミングを失しました。
misato さん、 次回の記事、有明神社本宮を掲載します。 よこの天然温泉は300円で源泉のいい湯、 大ざる食べましたが安くてうまい! おすすめです。!(^^)! よく御存じですね。
by Jetstream (2016-05-09 22:36)
こんなに足場の悪いところはパス、体力とバランス感覚が良ければと思いますが
年のせいにして指を加えるだけです。それにしても稜線からの景色が素晴らしいですね。
by g_g (2016-05-10 13:05)
珍しくヤボ用(というか今後の人生が掛かっている案件)で忙しく、訪問遅くなりました。
200名山は困難な山が多いですね。私も合戦尾根なら今後2~3回は登ると思いますが、ここは間違いなく一生登らないですね。
今夏に大天井岳に登られるのですね。私の中では、大天荘のテン場から見た夕暮れ時の槍~穂高の恐ろしいまでの景観が今までの中でベストですね。もう一度同じテン場に泊まってみたいです。
by makiwarikun (2016-05-15 11:53)
信濃富士は難物でしたね。
by U3 (2016-05-21 14:09)