烏帽子岳 久しぶりの岩場 [二百名山]
ここが前日の「やり残し」でした。
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久しぶりの山小屋泊。 五郎(ゴーロ)というだけあってまわりは岩石礫、ザレ場で水場もない。深遠なる稜線にあり、インフラもよくないがとてもフレンドリーな小屋である。宿泊客もわずか十数名で、夕食や暖房室でも語らいも楽しい。台風の接近による強風の音と寒さでたまに目が覚めるが、イビッキーもなく眠れた。 朝食は5時過ぎから、小屋の皆さんが出発するひとりひとりに「ありがとうございました、お気をつけて」と声をかける。私も6時過ぎに小屋を出て烏帽子小屋に向かう。
この時期は日の出も遅くなりますね。
野口五郎岳山頂におわかれ。 また、来れるだろうか。
白いザレ場のピークからの大天井岳、左には富士山がうっすらと雲上に。
水晶岳~赤牛岳の尾根眺めが圧巻です。
縦走路を戻ります。前日と比べて雲が少し多いのかな。前日の上り基調の稜線は遠くに感じたが、下り基調だとほっとします。それでも私には長いです。
槍も見納めて、下り基調の稜線を歩きます。
三ツ岳、花崗岩の奇岩。
三ツ岳からの下り、烏帽子小屋のテン場も見えてきました。
8時半ちょっと前に烏帽子小屋到着。 20分程小休憩。
小屋にザックをデポしてちょっと寄り道してきます。08:50
小屋から北へ少し上ると岩石のピーク=ニセ烏帽子(上の写真のピーク)にでます。
前日にやり残したのは、目の前の烏帽子岳。
やり残したというより、私の体力・脚力では出来ないと判断しました。山を歩かれるなら、「烏帽子小屋から烏帽子岳を登らずどうして野口五郎岳へ行ってしまったのだろう」と思われた方もいるはずです。
2日目に確実に下山するためには高瀬ダムへは遅くても17時(タクシーの運行終了時間)に着かなければなりません。選択肢は初日に烏帽子岳を往復して烏帽子小屋で泊まり、2日目に野口五郎岳を往復してブナ立尾根を下るコースタイム約10時間となります。出来ないことはないかもしれませんが、手間取ったらタイムアウト。急登のブナ立尾根を急かされて下るのはリスクが大きくなる。
プランは①初日に12時までに小屋に着かなければその日は烏帽子小屋泊り。烏帽子岳を登って(休憩含めれば往復約2時間かかります)、翌日尾根を下山するのみ。②小屋に12時前に着けば野口五郎小屋へ向かうことに決めていました。脚力のある方は、烏帽子岳を往復して野口五郎小屋まで脚の延ばすことも出来ますが、ブナ立尾根の登った直後にそのまま岩場の烏帽子岳に挑むのはリスクもあり。さらに稜線を歩く(計11時間)のはキツいです。
何とか2座を無理なく登りたいがゆえに、ちょっと発想を変えた行程にしてみました。
烏帽子岳分岐。右(北)は南沢~船窪新道へ、左(西)が烏帽子岳へ。
登山道は右の肩へ進みます。
ここから岩場、ストックは置いてきます。まずクサリ場。
右の割れ目を登って、左へ横バイしてトラバース。
脚の置き場はありますが、久しぶりの岩場なんで緊張。慎重にいきます。
山頂が見えた。クサリもロープもありませんので、手がかり足がかりを見つけて登ります。
09:40 山頂に出ましたが、標識は上にあります。もう少し・・
烏帽子岳山頂、標高は2,628Mです。
40座目の二百名山となりましたが、「二百名山」・「三百名山」というのは私にとってはあまり意味をなさないように感じます。多く登れるに越したことはありませんが、山へチャレンジしたい、いい山を見つけたい参考例としての意味がありその点では助かります。
高瀬湖が眼下に。あのダム堰上まで下りていくんですが、やっぱり急だ。
ニセ烏帽子山頂からの烏帽子小屋。ブナ立尾根は左へ。
眺めるならニセ烏帽子から。赤茶けた岩肌をみせる赤牛岳。
烏帽子と南沢岳の間に見える立山・剣岳をズームアップ。
烏帽子小屋に戻って
昼食は小屋のカレーライス。追:これに持ってきた温泉タマゴをのせたら、おいしかったです。!(^^)!
ブナ立尾根を下ります。11:25
ブナ立尾根登山口へは14:10、高瀬ダム堰上には14:35 無事下山となりました。七倉山荘(駐車場)へのタクシーを待ちます。
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とんでもないところに標識があるんですね!!!!
裏銀座はとても奥深いルートなんですね。
いつ行けるか・・・山は逃げないけど・・・体力が・・・(^^;;
by achami (2017-09-23 02:27)
五郎(ゴーロ)とは石がゴロゴロという意味なんですか!
これは知らなかった・・・・
道が見えないです。
そして岩場が怖すぎる。よく写真撮りましたね
足の置き場の狭いところ・・・・失神しそう(-_-;)
鎖も無いところを登るのですか。
見ただけで充分です。ありがとうございました。
お花にホッとします。
by majyo (2017-09-23 07:03)
無事2山、それも岩場の多いルートを歩かれてお疲れ様でした。
天候を考えて翌日のルートを考えるのはJetさんならではです。
烏帽子小屋でのカレーは格別の味だったことでしょう。
この日は23.5㎞ですか、頑張りましたね。
by tochimochi (2017-09-23 07:29)
烏帽子岳
とんがってますねぇ。切れ落ちてますねぇ。怖いですねぇ。そして長いですねぇ^^;
本当にお疲れ様でした。
by よしころん (2017-09-23 08:18)
おはようございます。!(^^)! ご訪問、NICE,コメント戴きありがとうございます。
by Jetstream (2017-09-23 10:28)
achami さん、山頂標識はたぶん、あそこしか置けなかったんでしょうね。裏銀座は双六~水晶も素晴らしいですが、烏帽子からの稜線も双璧です。歩かれればきっと最も素晴らしい山歩きの1ページになることは間違いないと思います。!(^^)!数時間ごとに小屋があるんで大丈夫ですよ。
majyo さん、最後ののぼりは、クサリを設置してあれば登りやすし安全だと思うんですが。。恐いですよ。(笑) ゴーロにはペンキでマーカーしてあるんで、見落とさなければ大丈夫です。!(^^)! もう稜線の花は枯れてましたが、ほんの少し花でも癒されますね。!(^^)!
by Jetstream (2017-09-23 10:49)
烏帽子は思ったより厳しい印象です
来年のチャレンジを目指したいと思います
それまで、トレーニングを重ねなければ…
この回も参考になりました
by asa (2017-09-23 10:54)
tochimochi さん、御陰様で素晴らしい天気に恵まれた2日間でした。この夏はいままでになく晴れが少ない、小屋の方も云ってました。23.5KMは合計です、失礼!
烏帽子小屋のカレー、レトルト?おいしかったです。!(^^)! 1,200円でしたが下界でこんな高いカレー食べたことがなかった?ように思います。(笑)
よしころん さん、 烏帽子岳、この山は槍とおんなじで眺めて楽しむ山。一度登れば十分。!(^^)! 裏銀座、また歩ける機会があればいいですね。
by Jetstream (2017-09-23 11:04)
asa さん、参考になれば幸いです、( ^)o(^ )お天気ならばきっと素晴らしい歩きを満喫できると思います。私もトレーニングしなければ。。
by Jetstream (2017-09-23 11:15)
岩場が多く長丁場、そして怖いところが多い山
流石ですね、写真を見ているだけで怖い感じがします。
by g_g (2017-09-23 16:45)
こんにちは^^
野口五郎岳と言う名はゴーロから来ているのですか? 以前から面白い名の山だなーっと思っていました。
烏帽子岳・・・(><;これは嫌でも慎重になりますね。鎖場がしばらくぶりじゃなくても、命がけ・・・こんな所に草臥れた脚と体ではやはり危険が大きいですね。
それにしてもあのブナ立尾根の登りを結構早く下られたのではないですか余裕で^^
by mimimomo (2017-09-23 17:57)
お客様・・・
温玉のお持込は禁止でございます。(笑)
by のら人 (2017-09-23 18:49)
g_g さん、烏帽子岳って、一見見ると怖い。岩場に取りついても怖いです。
でも、いい場所と眺めでした。
mimimomo さん、ゴーロから来てるようです。黒部五郎もそうなんでしょうね。岩場はしばらく歩いてなかったんで、ゆっくり慎重に登りました。ブナ立尾根も慎重に下りましたが、案外早く下れて大町の薬師の湯にゆっかりと浸かってきました。!(^^)!
のら人 さん、棘が飛んできましたね。(笑) 烏帽子小屋の方はそんな狭量な方はいませんよ。 とてもおいしそうですねと云っていただきました。!(^^)!
by Jetstream (2017-09-23 19:21)
見事な稜線の数々,素敵ですね~
野口五郎岳,いつも名前は記憶にあり,遠くの山から
どれが野口五郎岳だろう?と眺めているだけです.
烏帽子岳の鎖は...きっと私には無理です...
北アルプスは自分の眼で眺めたいと思うけれど
技量と体力が無くて今後も残念ながら歩くことはない思うので
貴重な写真をいろいろと拝見できてうれしいです(^^
by らる (2017-09-23 23:39)
岩場にとりつき、また歩きながらカメラを出して撮影
丁寧に撮られていますね、すごいです(^^
by koh925 (2017-09-24 16:21)
烏帽子岳、確かに烏帽子ですね~それにしても頂上のポイと置かれた標識のみすぼらしいことみすぼらしいこと・・・。カレーに温泉玉子乗せるくらいは容易いこと、明日真似してみます・・・笑)
by OJJ (2017-09-24 16:24)
烏帽子岳、名前通り山頂がとんがってカッコ良いですね。個人的見解ですが、北アルプスは良い名前の山が多い気がします。北岳~間ノ岳~農鳥岳…、もうちょと気の利いた名前にできなかったのですかね。日本一の高所稜線なんだから。
やっぱり北アルプスは良いですね。今シーズン、なんとか北アルプスをもう1座と思っていたのですが、鹿島槍ヶ岳での疲れのせいか痛風発作が出てしまい、まだ痛みが残っています。10月に行くのは寒いかな~?
by makiwarikun (2017-09-25 08:11)
この辺の風景はいい感じですよね。
やり残しですね。
行ってみたいですよ。
アクセスが良いとすぐ行くのですが・・
それにしても面白い岩ですね。
野口五郎は素敵な山でしたね。
また行ってみたいです。
こんどは船窪に行かないとと思っています。
熊はいませんでしたか。
by ひろたん (2017-09-25 12:25)
書いたのに消えてしまったかな。。。
野口五郎岳ですね。
まだ未知の世界です。
行ったみたいなと思っています
アクセスが良いとすぐに行ってみたいような
心境です。
来年かな・・
面白い岩場が楽しそうですね。
1泊で行けるなら良いですよね。
黒部五郎はクリアで
今度は野口五郎ですよね^^
by ひろたん (2017-09-25 12:33)
1泊2日の山登りで、綿密に計画されて実行されており、流石ですね。
私も南アルプス以外で2泊3日以上の経験は少ないですが、ゆっくりと
3泊4日くらいの山行もしてみたいものです。
先日乗鞍岳に登りました。北アルプスは雲がかかっていることが多かったの
ですが、野口五郎岳は一瞬綺麗に見えました。
by ヴェール (2017-09-26 13:17)
いつも綿密に計画されて安心感があります。
そのうえで、臨機応変に計画変更もあったり
予定に忠実に歩いたり。
人それぞれ、いろいろなスタイルがありますが
聞いていると勉強になります。
by nousagi (2017-09-26 15:20)
らる さん、野口五郎岳って白くざれた山頂、それくらいしか山容に特徴なくなかなか認識しづらい山かもしれませんね。北アの奥はなかなか行けません。山小屋泊は昨年の薬師岳小屋以来です。コンデジの写真ですが拝見頂きありがとうございます。
koh925 さん、やっぱり安全第一なんで、歩行中は撮りません。しっかり足場、ホールド出来るところでしか撮れないです。(笑) カメラは、胸にかけてるんですぐ撮れます。
OJJ さん、 烏帽子岳山頂の標柱、私から見たらよく何年も風雪に耐えて頑張ってきたなと思います。あの状態で10年近く立ってるようです、スゴイ頑張りではありませんか。!(^^)!
by Jetstream (2017-09-26 22:38)
makiwarikun さん、なるほど、北アには剣、白馬、五龍、蓮華、水晶、黒部五郎・・いい名前ですね。間ノ岳なんてチョット可哀そうな名前かもしれませんね。
痛風気をつけてください。10月、風がなければ快適でしょうが・・ 幸運に恵まれたら秋山は素晴らしいでしょう。この山行から3日間ほど筋肉痛、やはりタフな登りだった?
ひろたん さん、 2回もコメントありがとうございます! 湯俣~野口五郎~烏帽子、さらに船窪をまわって高瀬ダムに戻れます。私も船窪小屋、ランプの宿に泊まってみたいです。
by Jetstream (2017-09-26 22:40)
ヴェール さん、 確実に天気がいいのは2日間だけなんで、1泊2日。どうやって負荷を減らして2座登るか腐心しました。(笑) せいぜい2泊ぐらいがいいところかなと率直に思います。乗鞍岳、紅葉は始まっていたのでしょうか。野口五郎からは乗鞍岳が見えましたんで、逆もしかりでしょう。
nousagi さん、過分なるお言葉に恥ずかしい限り。最近は体力もないんで安全にのぼる、無理はしないようにだけ心がけています。 参考書通り歩くより楽な歩き方を目指しています。(笑) 完全予約制の山小屋だったら臨機応変とはいかないですが。。とにかく素直に山歩きを楽しみましょうね。!(^^)!
by Jetstream (2017-09-26 22:41)
こういう山を、思いのまま、登れるって、いいですね。
by テリー (2017-09-27 11:29)
私の初めての幕営山行は裏銀座でした。
もう40年も前のことになります。
一週間分の食料と幕営用具一式を担いで登るブナ立尾根は本当にきつかった。
しかも、折悪しく台風が来ていて3泊は風雨の中での幕営でした。
テントの性能も、今とは比べ物にならないほど悪く、雨が中に浸み込み、翌日は重くなった幕営用具を担いで歩くという、今思い出しても苦行としか言いようのない山行でした。
それでも、水晶岳に立ち寄る尾根で結晶化した水晶を見つけたり、花に慰められたり、北鎌尾根からの槍ヶ岳や硫黄岳を望みながら歩いたりと、思い出は尽きません。
風雨の中、ようやく槍ヶ岳の到着した時の感動はいいようもないものでした。
そんなことを思い出しつつ、胸を熱くしながら拝読いたしました。
by 伊閣蝶 (2017-09-29 10:24)
凄いですね。
特に岩場が凄いです。
by lamer (2017-09-29 15:21)
岩肌に鎖をかけた人も凄いですね。
by lamer (2017-09-29 15:22)
テリー さん、 なかなか思いのままに登れないんですよ。(笑)(泣)
伊閣蝶 さん、 自然は今と変わらず美しく厳しいままですが、今の装備とは比べ物にならないし、一週間分の食料と装備は想像を絶します。最後は北鎌からの槍ヶ岳のフィナーレには云いようのない感動が湧き上がってきたと察します、一生に残る山行であったでしょう。とってもいい思い出であったでしょう。いいお話を伺いました。裏銀座のほんの一部ですが、拝見いただきありがとうございました。
lamer さん、 仰る通り、岩場にクサリ、梯子をかけるのは危険ととなりあわせ。この烏帽子岳のような山頂に標柱を運んで設置された方々のご苦労は大変だったと察します。
by Jetstream (2017-09-30 10:26)
つくづくいい稜線ですね~!これは絶対歩かなきゃ♪ とはいえピークハンターならぬルートハンターの私としては、北は蓮華温泉から始めて朝日・白馬から蓮華岳まで繋げてきたルートをどう赤牛、あるいは水晶小屋、あるいは燕に繋げてゆくかが課題なのです。その先はもう繋がっているので。この大穴はどこをどう考えてもめっちゃしんどい!!^^;
by misato (2017-10-01 20:20)
今となってはやっぱり烏帽子岳は登っておけばと……
by 山子路爺 (2017-10-04 22:47)
misato さん、 じゃあ、針ノ木~船窪~烏帽子~水晶小屋が残っているんですね。楽しそうだけどタフですが、歴戦のmisatoさんならできるでしょう。 楽しみですね。!(^^)!
山子路爺 さん、 私もそんな思いをしたのは数えきれません。(笑) でも、楽しみが残ったんでいいではないですか。!(^^)!
by Jetstream (2017-10-06 21:48)