モンテ・チェルビーノ、マッターホルンを裏側からみると [アルプスの旅2019]
マッターホルンの山麓を歩いてきました。といってもツェルマットからではなく南のイタリア側からです。イタリアではチェルビーノと呼ばれています。
裏側から見たマッターホルン、いや失礼!イタリアではこちらが表側なんでしょう。でもイタリア側から見たマッターホルンは別の山のようでした。
ブレイユチェルビニア * * * * * 7月18日
写真も多く、記事を二つに分けてアップしようと思いましたが、一気にアップします。記事が幾分長くなりますが、どうぞご容赦ください。また写真も多くモバイル通信では重いのでスルーして戴いても構いません。WiFi接続でPCモードで閲覧載ければ幸いです。
今回の旅行、最後のトレッキングはチェルビーノ山麓トレッキングです。アオスタから高速道路に入りサンヴィンセントという町で下りて一般道をブレイユチェルビニアに向かいます。イタリーと云ってもこのあたりの地名の多くはフランスっぽいです。
谷あいからチェルビーノが見えてきました。あれがマッターホルン? イタリア側からの山容は写真で見たことがありますが・・・
ブレイユチェルビニアに入るとチェルビーノが迫ってきます。スイス側から見るマッターホルンは、天に聳える様に尖った三角錐の様で、特にヘルンリ稜はシャープなアクセントになってます。因みに私のアイコンの写真のバックはスイス側のマッターホルンです。
イタリア側からはゴツイ イメージ、大魔神のような感じでスイス側から眺める精悍なマッターホルンとはまったく違う別の山のよう。質実剛健かな。
街の入り口。すぐ近くに無料駐車場が2台分開いてました、ラッキー。教会と鐘楼、背後にチェルビーノは絵葉書になります。でも鐘楼とチェルビーノがオーバーラップするようなアングルで撮ったほうが良かったかも。
街中の端にある観光事務所まで歩いてみます。シャモニーやツェルマットに比べて静かな街です。
チェルビーノにはまだ雲もなく大丈夫? イタリア側ではどこから見ても大魔神。
観光事務所近くから見た山なみ、3千メートル級の山々に囲まれた山岳リゾートです。観光事務所で地図をもらってトレッキングコースとゴンドラ乗り場を確認します。チェルビーノ側の山塊には雲がところどころわいてきてちょっと気がかり。
ゴンドラ乗り場は街の入り口を少し東に登ったところ。窓口でスイスと国境を接する最高点のプラトーローザまでの通し往復乗車券を買います。@€32- 約3,800円くらいです。
ロープウェイでプランメゾンへ。ブレイユチェルビニアの標高はなんと約2千Mです。
プランメゾンからのゴンドラ(↑)から、最後のロープウェイに乗り継ぎます。
最後の3番目のロープウェイ。案の定、雲がチェルビーノにかかってしまいました。
プラトーローザのピーク(標高3,480M)が見えてきます。左の湖はチーメビアンケ。
湖、ブレイユチェルビニアの街が彼方に見えます。取り巻く山は3千M級です。
三番目のロープウェイでプラトーローザに到着。なんと街との標高差は約1,500M(日本で云えば上高地から奥穂高岳まで一気に昇るという感じです)。
このゴンドラ駅がスイスとの国境ですが、NOチェック。
稜線の向こう側にはクライネ(小)マッターホルン、標高3,883M。ここプラトーローザよりも標高が約400M高いです。昔ツェルマットからゴンドラを乗り継いであの展望台に行きましたが寒くて、空気が薄くて高山病寸前で早々と下った経験があります。
北西方向に雲上から突き出た山(もうひとつ上の写真の左端)が見えたのでズームで撮ってみました。あとで調べてみたらミシャベルアルプスのドムとタッシュホルンでした。
ゴンドラ駅から南へ少し下ると小屋があります。(ここは夏スキーも出来ます、クライネマッターホルンからブライトホルンへの登山も出来ます。ピッケル・アイゼンは必須。)
一面雪山でデッキからの眺めはまぶしくも圧倒的。風もなく穏やかですが、生憎マッターホルン側はガスって見えません。
クライネマッターホルンをバックにワンショット。今回は慣れた?のか高度は順応できているようです。30分ほど滞在して、ロープウェイで下ります。
ロープウェイでひとつ下の駅、第二ゴンドラの終点 パルテンザ・トラッチアトへ下り そこからトレッキング開始です。
ラック・デ・ゴイレット、湖まで下ります。
レストランの案内標識ありました。このトレイルは誰も歩いていませんでしたが、山の麓にイタリアレストラン 'Pousset' があるようです。
雪渓が出てきました。このまま下るとそのまま街まで下ってしまうことになりますし、ダム堰の上が通行できるかわかりませんので、雪渓から右にゴイッレト湖の谷側をトラバースすることにしました。(ダム堰の上はやはり通行できないことがわかりました、正解でした。)
ラック・デ・ゴイレット、ダークブルーの湖です。トラバースの道を真っ直ぐ進むとゴンドラ直下の道でますが、登り返しがきつそうなので途中で沢沿いをショートカットして湖に近いトラバースの道にでました。
ここからのトレッキングコースは花が一杯。山側から流れ下る水で潤った肥沃な場所です。
ゴイレット湖の山側(東)、石で造られた土留めがあります。左の山はMotta di Plete Orientale 標高3,018M 、マッターホルンの展望台。
湖のダム堰の横には小屋があるようです。ここからは花が一杯でカメラでシャッターを押しっぱなしでなかなか脚が前に進みません。(花の記事は別途アップする予定です)
国境の山稜に覆われた雪を水源として、そこから流れ下った水をたたえた湖です。背後の山はプラトーローザ(右)、左にはフルゲンのピークが見えます。
沢から下った水はこの堰で留められ、ゴイッレト湖へ放流されます。
ゴイッレト湖のダムの掲示板。
ゴイッレト湖から街までの地図。
どうやら、ゴイッレト湖の水は地中に埋設された大口径パイプで街まで流されているようです。
チェルビーノの先端部はガスに覆われたままですが、岩壁は迫力あります。トレッキングコースは第二ゴンドラの下を通ります。
ゴンドラ下の尾根沿いにある登山道を下ります。
お花畑にはいろんな花が咲き競っています。
再びゴンドラの下の広々とした草原の中、残雪の残る山々を眺めながらのトレッキングは爽快です。
ゴイッレト湖の山側からプランメゾン(第二ゴンドラの駅)までのトレッキングコースは花のコースです。
ゴイレット湖の全貌をズームアップ。
一面 花 花 花。 !(^^)! アルプスの花はのちほど纏めて別にアップしたいです。
見えてきました、プランメゾン(第二ゴンドラの駅)。ロ・スタンペッコというホテルもあります。こんな山上のホテルに泊まるのもいいでしょう。レストランもありますので、そこでランチをとるつもりです。もう少しですが・・
花畑にはぎっしりと花が詰まってます。
プランメゾンへ到着。
レストランは2つありますが、駅に近いRocce Nereへ。テラスのテーブル席に案内されました。(もう一つはトルコっぽい名前で中東の音楽が騒々しく敬遠です。)
食事のプレートも黒の岩盤で太陽熱で温かく、お洒落です。
パンも白い布製の袋に入ってます、MADE IN ITALY。
相方がたのんだのはパスタとサラダで、少量に見えますがボリュームあり。
私がオーダーしたのはスパゲティボンゴーレ、お皿をもらってシェアしました。一応本場イタリアの麺ですが、すこし麺の粉の挽きが粗い感じ。アオスタで食べたスパもおんなじなんでこの地方特有の麺なのかもしれません。
チェルビーノの山頂部は変わらず雲のなかですが、山の中のオープンなデッキで絶景を見ながらのランチは最高です。日本のトレッキングツアーガイドの添乗員さんと10名くらいのグループもいました。道中出会わなかったのでパルテンザトラッチアト(第三ケーブル駅)から真っ直ぐに下ってきたんでしょう。前日もアオスタ旧市街で登山姿の日本人のグループの方を見かけましたが、トレッキングツアー会社も新しいコースを提案しないとリピーターがいなくなるんでコースにも工夫をこらしているのでしょうね。
チェルビーノから西に続くピークの連なりです。4千M級の山々を見納めて下山。
ブレイユチェルビニアのロープウェイ駅からのチェルビーノ、まだガスがかかってます。たぶん夕方になれば雲はとれるでしょう。午前中にガスのかかってないチェルビーノを撮れただけでも良しとします。
ブレイユチェルビニアの街。山歩きはこの日が最後です。
上記のブルーラインがトラックです。まっすぐのトラックはゴンドラ、歩いたのは数時間程度ですがお薦めできるコース。地図を御覧のようにこの街は3~4千クラスの山に囲まれた山岳リゾートです。数日滞在しても回り切れないトレッキングコースが多く名残は尽きないです。
帰路も高速道路でアオスタへ。ここからトリノ、ミラノへは早出すれば日帰り出来ます。シャモニーはもちろん日帰りも可能。1泊すればヴェニス観光もできるので、アオスタは意外にいいロケーションかもしれません。
右奥に見えるのはシャモニーの山、翌日はあの山の直下モンブラントンネルを抜けてジュネーブへ戻ります。
本日のブログ、とても長くなってしまいましたが最後まで拝見戴きありがとうございます。次回で今回の山旅のエンディングとなります。
こんばんは^^
ご夫婦で同じくらい歩けるって良いですね~沢山楽しめますね^^ その点が我が家と大違い。スイスも結構歩きましたがイタリアはほとんどがツアーバスか
車でした(><;
お花を愛でながらのトレッキングはほんと素敵ですよね^^
by mimimomo (2019-10-04 19:43)
チェックなしの国境、EUらしいですね。
パスタは粉の挽き方から相違するんですね。これは興味深いです。^^
by のら人 (2019-10-05 08:12)
またもやため息ばかりです〜。
標高差にカラダが付いていない人も多いでしょうね。
どこを見ても3000m級、上ばかり見て首が疲れそう(笑)
いつか行ってみたいなぁ〜♪
by achami (2019-10-05 12:01)
最高でしょう。
こんな景色を見ながらのランチ。(^^)
どこをとっても絵葉書かカレンダーですもんね。
地理がまったくわかりませんが
どこも素敵、としか言いようがありません。
山の景色もさることながら、
街並みもとてもいいですね。
by nousagi (2019-10-06 09:15)
一気に1500m上昇して3480まで上がっちゃうんですか。
高山病になりそうですね。
この素晴らしい眺めでランチは最高ですね。
下りはしっかりして道でゆったりと歩けそうです。
チェルビーノはほんとに威風堂々としてますね。
by tochimochi (2019-10-06 11:33)
どれもこれも山の景色が素晴らしいです!マッターホルンがイタリアではチェルビーノですか・・・初めて聞きました! ま、考えてみれば不思議ではないですかね、エベレストがチョモランマだそうですから・・。
ゴイッレト湖の水・・・標高差と流量を見せられるとつい発電量を考えてしまいます・・笑
by OJJ (2019-10-06 18:19)
凄い体験をしていますね。夢のような光景です。
by JUNKO (2019-10-06 22:25)
絶景を見ていると、ただため息が出てしまいます。2000mくらいから一気に3500m近くまで上がると私なら高山病になりそうです。
花と絶景をを見ながらのトレッキングは思い出に残るでしょうね。
by g_g (2019-10-07 09:48)
mimimomo さん、今回は歩行距離も短かったんですが、のんびりとゆっくり眺望や花を楽しみながらあるくことができました。眺めも素晴らしいですが花畑が圧巻でした。
のら人 さん、スイスはEU非加盟ですが、国境チェックはほとんどないです。スイスはEUに囲まれています。EUに入るときにある程度チェックがかかってますのでチェックする必要も少ないです。粉の種類も違うかもしれませんが、挽き方も荒い感じです。
achami さん、ほんとに素晴らしく、こんな感動は出来るだけ多くの方に共有していただきたいです。トレッキングツアー会社のツアーは料金が高いので、まずはハイキングの日程も入った一般的なツアーでいかれるのがいいかもしれませんね。
by Jetstream (2019-10-08 21:14)
nousagi さん、ヨーロッパアルプスには有名な観光地以外にも素晴らしい山旅が出来るところがいっぱいあります。もっと掲載したい写真もかなり残ってます。追って紹介していきます。自分でプランしたんですが、ほぼ思い描いたような山旅ができて本当にラッキーです。
mimimomo さん、 私も高山病になるかもと懸念しましたが、今回はゆっくりと呼吸をする、行動するようにしました。登山道も整備されてますので安心して歩けます。イタリーは麺やピザがあるんでいいです。!(^^)!
OJJさん、我々はマッターホルンが表、チェルビーノが裏なんでしょう。でもスイス側からの眺めがいいです。!(^^)!
やはり過去のご経験? 興味があるでしょう。(^O^)/
JUNKO さん、日本へ帰ると、夢だったという感じです。(笑)
g_g さん、スイマセン、私もため息、また行きたいです。花々の写真は追ってまとめてアップしたいと思います。
by Jetstream (2019-10-08 21:15)
もう・・歳若かったらな。悔やまれます。
by JUNKO (2019-10-11 20:08)
イタリア側から見たマッターホルン~モンテチェルヴィーノ~同じようなコースを歩きました。プラトローサで国境をまたぎました。そこからプランメゾンを経由してオリオンデ小屋で一泊してチェルヴィーノへ下りました。花の時期でしたので、たくさんの花との出会いを楽しむことができました。懐かしく記事を見せていただきました。“花”楽しみにしています。
by michi (2019-10-13 13:45)
個人旅行だからこそ、行ける場所なんですね
素晴らしいです
by koh925 (2019-10-14 10:37)
JUNKO さん、 まだまだお元気そう、頑張って楽しんでください。
michi さん、 多分このコースが一番楽しめそうですね。湖のあたりの花畑は圧巻ですね。プラトーローザからクライネマッターホルンまでの雪上ハイクをしたかったです。小屋に泊まられたなんでいいですね。プランメゾンにはホテルがあるなんて、快適そうです。
koh925 さん、登らなくとも高峰まで運んでくれる、ヨーロッパアルプスはハイカーや初心者でも楽しめます。個人旅行の苦労面倒さもありますが、自由気ままがいいですね。
by Jetstream (2019-10-14 19:46)