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十勝岳へ再び、初秋の歩き [百名山歩き]

前回は7年前(2014年9月19日)。初冠雪直後の厳しい気象条件下での登山となりました。十勝岳登頂を果たしたとは云え視界はなし、晴天の日に再度チャレンジしてみたい山として残っていました。

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今回もほぼ同時期の初秋です。天気予報は晴れ時々曇り。すっきりとした視界ではなかったんですが、穏やかな程々の登山日和。大自然の息吹きをたっぷり感じさせる火口縁稜線を歩き、再び頂に立つことが出来ました。

今回一番登りたかったのは十勝岳でした。北の大地到着の翌朝、登山口のある望岳台へ向かいます。

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宿泊先の美瑛から車で約30分で到着。10台余り駐車していましたが、この程度なら静かな歩きが出来そうです。日中は十勝連峰や富良野の眺めを楽しむ観光客も多いようですが、平日の早朝でもあり閑散としています。登山天気予報は晴れ時々曇りで日中の降水確率は0%です。

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7時15分過ぎに出発。往路のコースタイムは約4時間05分、休憩も含め12時までに山頂へ到着すればいいという予定と心づもりで歩きだしました。

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雲ノ平分岐では紅葉も進み初秋を感じさせますが、エゾオオヤマリンドウやシラタマノキといった花も見られます。分岐を進むとガスってきました。山頂方面は雲なのか、噴煙なのかガスっています。

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ガスの切れ間から富良野岳が見えました。前回は登山口から山頂までガスに覆われて視界はほとんどありませんでした。向かう十勝岳山頂方面の視界はガスってます。この山とは相性が良くないのかなという不安がよぎりました。

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1時間ほどで雲ノ平分岐に到着、標高1,260M。左は美瑛岳へ、右は十勝岳、山頂まで3.2KM。距離はそれほどないんですが・・・

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火山礫に覆われた緩斜面の登山道を小屋に向かって登っていきます。


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十勝岳避難小屋。7年前の下山時にはここで昼飯をとりました。寒さと強風を凌ぐにはありがたいですね。木造なので噴火時の避難には向かないようです。

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避難小屋から沢をトラバースして昭和火口への尾根へ向かいます。このあたりの草紅葉が丁度見ごろでした。

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尾根にとりつくと火山礫、ガレ場の急登が続きます。山頂直下を除けばここが一番キツイ登りです。

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尾根の中間点あたりでガスが切れて青空のあいだから昭和火口縁の稜線が見えます。まだまだ、視界が晴れない尾根の上りは長く感じられます。前回は冷たい雨が吹き下ろすなか、時間は忘却 とにかくガレ場の脚下を見て登るだけでした。今回は風もそれほどなく穏やかです。

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ようやく火口縁稜線が見えてきました。

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雲ノ平分岐から約1時間半。昭和噴火口縁上にたどり着くと「十勝岳」標識方向へ進みます。

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荒涼たる風景。緩斜面の上りが続く火口縁の登山道、ガスっています。西側のグランド火口側からは硫黄臭が吹き上げてきます。この火口縁の稜線は足元が温かいです。石を触ってみると、温まってます。火山の地熱でしょう。火山活動観測用の機器がところどころ、ケーブルも敷設されています。

グランド火口を覗いてみると大きなお鉢、噴煙がうっすらと見えます。

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火口縁の平坦な稜線は砂礫ですが危険な箇所はありませんが、天候の悪い日は出来るだけマーカーに沿ってセンター歩いたほうが安心です。上空を見上げるとうっすらと青空が見れるところもあり、期待が持てそうです。

火口縁はグランド火口をやや右にカーブして進んでいくと斜度がましガレ場の登りになります。ガスった場合はここが「迷」場ですので、マーカーは絶対見逃さない様トレースしなければなりません。今回は十勝岳山頂がうっすらと見えるので問題はありません。前回は全く視界がなくGPSで場所と方位を確認しながら進みました。

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雲が切れて山頂への稜線が見えました。でも一瞬でした。タイミングよくパチリ!

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十勝岳山頂直下の鞍部に近づくと山頂が見えてきました。徐々に雲が薄くなってきます。

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鞍部からの十勝岳。ここから山頂まではグリーンのロープが張られています。前回は視界がなく、雪混じりの強風で気温も零下のなかでの劣悪な環境での登山でした。マーカーを見逃さないよう、グリーンロープから離れない様必死で登っていったことを思い出しました。コース自体の難易度は中くらいですが、他の山域とはことなり北海道の山は天候が悪化すると一挙に難度がアップ。北海道の2千M級は北アルプスの3千M級に匹敵する気象条件と云われています。

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山頂はもうすぐです。↑途中から見下ろした眺め。トラロープ沿いに岩石とザレた最後の急登を登ります。ちょっとキツイ~ 家内が先行。

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十勝岳山頂。到着は丁度11時、登山口から3時間45分とコースタイム内で登ることができました。

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今回のカメラはコンデジTG-4。軽快に登れたが、山頂からの眺めを見て・・後悔。

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次回は十勝岳を下ります。

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ma2ma2

十勝岳ももうすぐ冠雪しちゃいそうですね!

by ma2ma2 (2021-10-09 16:26) 

koh925

望岳台で写真を撮ったことが有ります
美瑛から富良野に向かうドライブの途中で、十勝岳は眺めただけでした
by koh925 (2021-10-09 17:11) 

nousagi

ガスが出るのか晴れるのか、
気をもみながら拝見しましたが
なんだか嬉しい誤算?でしょうか。
青空が見えてきたような。
コンデジでも十分、壮大な景色が見えます。(^^)
by nousagi (2021-10-09 17:36) 

tochimochi

きれいな草紅葉ですね。火口縁歩きはガスってくると落ちそうで不安になりそうです。一瞬の晴れ間が来ると歓声を上げたくなりますね。私が以前羊蹄山に登った時もこんな天気でした。
山頂では晴れてきたようですね。ここからの眺めは素晴らしかったでしょう。
by tochimochi (2021-10-09 19:51) 

ぼの

この時期の北海道、もうかなり寒くなってるのでは?
お疲れさまでした。
噴火口がある山でガスるとちょっと怖いですよね。
八ヶ岳の硫黄も登るといつもガス。爆裂火口を上から眺めることができません(苦笑)。
しかし、山頂に差し掛かったときに薄っすら晴れ間が出てきてよかったですね。
僕も北海道の山々は登ってみたいです。
でも遠いなぁ・・・
やはりリタイアしてからかなぁ…と思います。
by ぼの (2021-10-09 23:33) 

kuwachan

ここの駐車場にレンタカーを停めて望岳台までは私も行きました^^
駐車場のところに建っている建物がとても綺麗でした。
この場所からの眺めも素晴らしかったですが、その先を登っていくと草紅葉になるのですね。
by kuwachan (2021-10-09 23:47) 

伊閣蝶

晩秋の十勝岳。
大きな山ですね。
降雪前の山行で、大変良いペースで登られれた由。
山頂の眺めはいかがだったのでしょう。
次の記事がとても楽しみです。
by 伊閣蝶 (2021-10-10 12:13) 

いろは

こんにちは^^
十勝岳、訪れたことは無いのですが、秋になると、よくTVで放映されますね。
初秋でも高山ではもうすっかり秋ですね。
草紅葉がとても綺麗です♪
奥様も健脚でいらっしゃいますね。
いつもご夫婦仲良く登られてお幸せですね^^
続きも楽しみにしております。

by いろは (2021-10-10 15:23) 

OJJ

十勝岳って随分大きなだだっ広い山ですね~これで景色が見えないほどガスか雪に見舞われたら相当大変な雰囲気ですね~まあJetさんは百戦錬磨で、その上更に鬼に金棒サマも居られますし‥笑
by OJJ (2021-10-10 15:37) 

プー太の父

こちらに来られたのは9月ですか
天気はまぁまぁで良かったですね。
私は十勝のほうの山はへは行ったことがありませんが
私に山登りの楽しさを教えてくれた先輩が、十勝岳は
素晴らしいから一度行ってみようと誘われていました。
残念ながら行く前に病気で亡くなってしまいましたが
一緒に大雪山や斜里岳や雌阿寒岳などあちこちに登りました。
by プー太の父 (2021-10-10 20:22) 

momotaro

草木の紅葉が綺麗ですねぇ!
いいなぁ山登り。憧れるばかりです。
by momotaro (2021-10-10 21:17) 

テリー

十勝の山、いいですね。
紅葉が綺麗なところを撮影に行きたいですね。
by テリー (2021-10-11 07:40) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

山頂付近は荒涼としたガレ場なんですね。よく二度も行きましたね。奥方も健脚でうらやましい。ウチの家内はリウマチになってからすでに十年、近所の公園を歩くのがやっとです。
十勝岳は登ったことがないのですが、『十勝早春』と題した雪解けの川をモチーフにした墨絵で県展入賞したことを思い出しました。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2021-10-11 10:59) 

Jetstream

ご訪問戴きありがとうございます。またnice、コメント戴きとても嬉しいです。
by Jetstream (2021-10-11 12:15) 

Jetstream

ma2ma2 さん、 十勝岳の初冠雪は先週6日だったようです。例年に比べて遅いようです。

koh925 さん、 晴れていれば望岳台からの眺めは十勝岳でなく、美瑛や富良野も見渡せます。素晴らしい丘や原野の眺めを見ながらのドライブはきっと楽しかったでしょう。

nousagi さん、今回は雲も厚くなく、上空は明るかったので時間が経てば晴れ間が見えるだろうとは思っていました。ガスった風景、コンデジでは白くなってしまいますね。見たイメージに近づけるようレタッチしました。
by Jetstream (2021-10-11 12:16) 

Jetstream

tochimochi さん、噴火口と荒涼たる風景をみて自然の息吹きと歴史を感じます。幸いここの火口縁は幅が広いのでセンターを外さなければ大丈夫の様です。羊蹄山のように切れた火口縁があるところでガスると危ないかもしれませんね。羊蹄山は富士と同じコニーデ型ですが、良い山だと思います。

ぼの さん、山頂部は少し寒かったんですが、ちょうどいい登山日和でした。十勝岳は活火山ですが、活動停滞期のようです。御嶽山のように突発的な噴火はこわいですね。私が現役のころはせいぜい2泊3日の旅行、山登りが出来る心の余裕はなかったです。登山を再開し、遠隔地へ出かけれる様になったのは60歳からでした。先に楽しみをとっておくという考え方もあるし、その時々で目いっぱい楽しむこともいいです。でも歳を重ねてからの健康寿命は限りあるのが惜しいですね。どの山でも行ける機会があれば出かけるのがいいです。

kuwachan さん、望岳台から先は火山礫とザレた登山道は歩きにくいですね。望岳台には昔スキーリフトがあったようです。レストハウスだったかもしれませんね。
by Jetstream (2021-10-11 12:25) 

Jetstream

伊閣蝶 さん、比較的マイルドな天候で、適度なペースで登れました。
十勝岳火口群縁を縫って登っていく登山道は眺めも含め好奇心が湧きます。前回は悪天候で見透しも良くなかったんですが、今回は十勝岳山頂部の全貌が見れたんで再チャレンジの甲斐がありました。

いろは さん、大雪や十勝連峰の山はよくメディアで取り上げられますね。とくに紅葉は日本で一番早く見られる山域なんで人気があるようです。家内はきっちりとペースを守って登るタイプですが、相対的に私の脚力体力が低下しているようです。山歩きが出来るのはもう限られた時間しかありませんので、共有できる時間を楽しみたいと願っています。
by Jetstream (2021-10-11 12:27) 

Jetstream

OJJ さん、前回7年前は雪混じりの強風で苦戦しました。詰ったら直ぐ引き返す覚悟で登り運よく登頂できました。ホントにラッキーでした。今だったら引き返したでしょう。金棒?(笑)

プー太の父 さん、北海道にはいい山があっていいですね。百名山9座をすべて登りましたが、どの山も素晴らしいですが難関の山も多いです。斜里岳も登られたようですが、沢渡渉があり大変でした。
by Jetstream (2021-10-11 12:31) 

Jetstream

momotaro さん、山登りって楽しいです、フレッシュな空気と眺めで癒されます。ステイホームでの楽しみ方もありますが、やはりアウトドアは良いですね。

テリー さん、北海道の紅葉は早くて短いですね。本州はこれから紅葉シーズン、紅葉撮影楽しんで下さい。

暁烏 英 さん、北海道の山は素晴らしい山が多いです。再登したい山が他にもまだあります。十勝岳もいい山です、登って良さが実感できますよ。最近は自分の脚で歩けれるありがたさを実感、感謝します。
by Jetstream (2021-10-11 12:38) 

achami

奥様も健脚なのですね、素敵です♪
山の天気は予報通りにいってくれませんよね。
紅葉ハイクは、外すことが多い私です。。。

by achami (2021-10-11 21:42) 

Jetstream

achami さん、お褒めの言葉頂きましたが、健脚ではなく年相応のペースです。むしろ私のペースが遅くなっています。(;;)旅行の場合は天気に合わせるのは至難で、天候は時々の運ですね。少なくとも雨が降らなければ良しとしましょう。;;
by Jetstream (2021-10-12 15:33)