十勝岳から望岳台へ [百名山歩き]
山頂からまわりを眺めると火口に囲まれた山頂で、活火山であることを思い起こさせます。
グランド火口縁稜線を見下ろします。荒涼たる惑星に降り立った感じで、火山であることを実感させられます。
上空は青空ですが、なんとなくガスっぽい見透し。コンデジ写真をみると解像度が落ちてイメージが再現できませんので、レタッチ(少しコントラストを上げる)した画像をアップします。
山頂には5~6名居ましたが、富良野岳方面からの縦走路を登ってくる登山者、十勝岳を通過点とする登山者の方も往来します。往来からディスタンスをとって火口群の見える北側でランチ。眺めを楽しみながら昼食休憩です。
今回は穏やかな天候下で再び十勝岳登頂を果たすことが出来たこと、家内と供に頂を踏めたことは幸いです。
11時45分に下山開始。
上ホロカメットク山・上富良野岳へ続く稜線ですが、ガスってます。上ホロカメットクには4年前に登りましたが十勝岳はガスのなか、一瞬雲の切れ間から見えた雄大な十勝岳。その時もう一度登ってみたいなという想い湧きました。稜線のシルエットを見ると、ピカピカの天気ならば周回してみたい気になります。
雲間からは一瞬美瑛岳の山頂部が現れました。往路に較べて霧っぽいガスがとれて視界がよくなりました。荒涼たる火口風景を見ながら下ります。少しでも身軽にしようとカメラはコンデジTG-4、やっぱりミラーレスでも持ってくるべきでした。
乗越(鞍部)から火口縁の稜線に下ります。
グランド火口側方面、このグランド火口が十勝岳火口群のなかでは最大の規模。うっすらと見える火口縁のむこうにも火口、62-Ⅱ火口(1962年二度目の噴火時の火口)が見えます。
稜線の東側も荒々しい光景です。
火口縁の稜線を昭和火口方向に戻ります。前述しましたが地熱で、登山靴の足底から温かい。(+_+)
グランド火口の大きさを実感させます。3千5百年ほど前に爆裂して出来た直径8百Mの火口で、火砕流や溶岩流は避難小屋のある雲ノ平、望岳台方面へ及んだそうです。
鋸岳方面。十勝岳火口群はあちこちに噴出、富士山や羊蹄山のようにコニーデ(円錐)型の美しいシルエットではなく荒々しいイメージです。
グランド火口北壁。縁を下ると昭和火口です。
すり鉢火口縁からの十勝岳。グランド火口側からは硫黄臭が漂ってきます。
山頂部のガスが切れた合間にズーム+トリミング。火口縁から鞍部への登り、鞍部から山頂まで急登であるのがわかります。
昭和火口縁上の分岐で十勝岳を見納めて、避難小屋への尾根へ。
十勝岳上部の火口群と辿った軌跡をGoogleEarthで切り取ってみました。
昭和火口縁上の標識(分岐)で尾根を下ります。火山礫の岩石とザレ場がミックスした急坂の下りは長い。つま先に負担がかかり親指と爪が痛くなりました。踵の部分をよく詰めずに靴紐をフックにかけたまま、アッパー部も紐締めが緩かったようです。登りは良いが、下りにダメージがきました。
尾根を下りきると沢をトラバースして避難小屋へ。
小屋周辺から下が紅葉の見ごろです。
エゾオヤマリンドウは枯れた花が大半でしたが、まだ残っていました。
シラタマノキはちょうど旬と云った感じで避難小屋~分岐の間で多く見ることが出来ました。
紅と緑のコントラスト、ピンクの花 なんでしょう?
避難小屋からのダラダラした火山礫とザレた下りは心地よくありませんが、紅葉に助けられます。
望岳台に到着したのは15時。下りは3時間15分とコースタイムオーバー。マスクをした観光客の方々を見て、下界に下りたことを実感。マスクをしっかり着けます。
下山したら十勝岳山頂部の雲は消えていました。(苦笑) 車内からミラーレスEM5を取り出して望遠ズームで撮ってみました。グランド火口から立ち上る噴煙、アップしてみると麓の十勝岳避難小屋やルートもつかめます。
望岳台から美瑛の街に戻り、スーパーマーケットとパン屋さんで買出しして市内の宿泊先に帰りました。山行1日目は楽しく無事に終わりました。
追: 旭川空港でレンタカーをピックアップして移動、宿泊は美瑛市内のレンタルハウス(キッチン付きアパート)がベース。基本的に外食はなし、混んだ場所、「三密」は回避。空港までの移動と航空機キャビン内が最大の懸念だった訳ですが、ちょっとしたアイデアと工夫で出来る限りの細心の感染防止対策をとって「安心」出来るように心がけました。それ以外は、旅行先でも今までとってきた感染対策と行動様式は揺らぐことなく堅持。各施設の感染対策もギャップがあります。機内や旅先で感じたこと、体験したことをこれからの記事でふれる折もあるでしょう。参考例になれば幸いです。
次回は「大雪山・紅葉の黒岳」の記事です。
足元から地熱の温かさを感じるとは否が応でも活火山であることを実感させられますね。エゾオヤマリンドウの色がとっても鮮やかで綺麗です。紅葉した葉っぱの中で際立っていますね。
by kuwachan (2021-10-12 08:59)
活火山でガスとかが出ていると入っちゃいけない場所とか注意も必要ですね。
以前桜島に行ったときにいきなり大きな噴煙がたちのぼり怖かったことがありました。
by ma2ma2 (2021-10-12 16:25)
十勝岳は活火山ですね、麓の白金温泉に数回泊まりましたが
噴火し溶岩が押し寄せたときに備えて、温泉街の北側に避難道路と
避難センターが特られていました
十勝岳には登れませんが、周辺をトレッキングした時に知りました
by koh925 (2021-10-12 16:44)
こんにちは^^
活火山って、何となく恐怖を感じます^^
荒々しい光景、とても迫力ありますね。
火口がいっぱいあるのですね。
初めて目にする風景に感激です。
エゾオヤマリンドウの青さが素晴らしいです♪
by いろは (2021-10-12 16:56)
さすがに活火山ですね。
遠望をカメラにお納めになるのは難しかったご様子ですが、荒々しい火山の姿がとてもよくわかりました。
また、紅葉とエゾオヤマリンドウやシラタマノキの花のお写真には心を惹かれます。
新型コロナウィルスに対する対策を徹底されての山行。
大変参考になりました。。
by 伊閣蝶 (2021-10-12 17:01)
壮大な風景の中の山旅はいいですね。
荒涼とはしていても、紅葉した草木が鮮やかで
こういう山は好きです。
by nousagi (2021-10-12 17:46)
荒々しい稜線からふっとガスが切れて望める富良野岳に続く縦走路がいいですね。歩いてみたくなる気持ち分ります。
登山靴を履いていても地熱で温かいのですね。なかなか味わえない感覚です。
下りも荒涼とした火山礫とザレのようですが周りの紅葉で鮮やかで癒されました。
by tochimochi (2021-10-13 17:54)
山頂付近は荒々しいですねぇ!
降りてくると一転、植物の紅葉や花が美しいですね。
by momotaro (2021-10-14 00:37)
ご訪問、またnice、コメント戴きありがとうございます。
kuwachan さん、北海道ではもうリンドウは終わったと思っていましたので、見れてラッキーでした。風もそれほどなく足元があったかい火口縁は意外にも歩き易かったです。
ma2ma2 さん、活火山は入山禁止区域がありますね。阿蘇山や白根山もそうです。浅間山も活動レベルによって、禁止地域が変更されます。
koh925 さん、望岳台は白金温泉からは車で10分ほどです。白金温泉の美瑛川越しの避難場所の近くに私も寄ってみました。周辺は青い池あたりまで散策できていいですね。
by Jetstream (2021-10-14 14:49)
tochimochi さん、日本アルプスの様な深遠さはないですが、稜線まで比較的アプローチがしやすいのはいいと思います。富良野岳から続く稜線も歩きたくなりますね。火口縁稜線では気にならなかったザレや礫岩が下りでは苦戦しました。
momotaro さん、厳しさと穏やかさが入り混じった風景と歩きになりました。麓の花には癒されますね。!(^^)!
by Jetstream (2021-10-14 14:49)
いろは さん、山頂の荒涼たる風景をみると地殻変動の歴史を感じさせます。日本には活火山が多く噴火や火砕流で被害がありますが、温泉も多く功罪ありですね。リンドウは大雪山でも見れましたが、白いリンドウ?もあったようです。
伊閣蝶 さん、こういった複合的に噴火口が多くあるという事は、火山活動が長く続いているということですね。富士山のカルデラも見ごたえありますが、十勝岳も好奇心を起こさせる山です。まだいくつか花をみられたのは幸いでした。出来るコロナ感染対策や工夫はしておきたいです。
nousagi さん、標高1,500Mくらいまでは植生は在りますが、活火山であるためか色気のない世界かも。(笑) 春から夏には小屋あたりはいろんな花が見れそうですね。
by Jetstream (2021-10-14 14:49)
登頂おめでとうございます。
十勝岳、壮大な火山ですね。
火口を眺めて凄いなと思ったのは硫黄岳の爆裂火口。
あと生きている火山では焼岳と御嶽でしょうか。
富士山も観ていると思うのですが、酷い高山病でそれどころではなく、
記憶があいまいです(笑)。
でもこれだけの火口群を目の当たりにすることはまだないので、
写真を拝見させていただいて感動しています。
そのうち僕も行けたらいいなと思います。
by ぼの (2021-10-15 00:01)
ぼの さん、今回は山頂部からの見晴らしもあり、登頂の喜びも格別でした。噴煙を上げている山も活火山のリアルさを感じますね。火山の副産物?である温泉めぐりもいいし、状況が落ち着いたら巡ってみたいです。
訪れる機会があれば、是非。
by Jetstream (2021-10-16 10:46)
十勝岳の荒涼たる火口の数々、地球は生きている~見ごたえありますね~至福です。 雌伏?年、長引くコロナにしびれを切らせたJetサンが選ばれただけのことは有りますね~~目の保養になりました。感謝。
OJJは山はムリですからせめて火山の副産物を味わいたく思います。
前記事のコメントの「鬼に金棒→虎に翼」に訂正方お願いいたします。これならJetstreamもありうるかも・・笑
by OJJ (2021-10-17 09:46)
良いですね~
私も昨年望岳台から十勝岳登りましたが
グランド火口付近にさしかかってからキリが発生して
山頂で展望なし
残念な登山だったなぁ
by ハイマン (2021-10-17 15:36)
OJJ さん、火山の産物、温泉や温泉まんじゅうがいいですね。!(^^)!
ワクチン2回接種後の6月に旅を手配しました。ガマンは出来ますけど、時間とタイミングはロスしたくないので信念と確信で出かけました。(笑)1ヶ月延ばすという選択肢もありませんでした。出かけて良かったです。
ハイマン さん、十勝岳の山頂はガスりますね。また天気のよい日を選んでトライしてください。十勝岳温泉から上富良野岳経由でのコースがよさそうです。私はもう脚力ありませんが。。オススメです。
by Jetstream (2021-10-19 16:43)