エランの谷へ、アローラのラックブルー [アルプスの旅2022]
7月10日 日曜日 エランの谷 Val d' H'erens。LAC BLEU ラックブルー(↑写真)へのハイキングとスイスでもっとも美しい村のひとつと云われるEVOLENE エヴォレーヌ散策に出かけました。
ヴァレー州(ヴァリス州)にはローヌ川流域の街から南のイタリー国境稜線に向かっていくつかの谷があります。今回はエランの谷奥へ足を延ばしてみました。
この日も快晴、山歩き日和ですが出かけたのは10時頃。
シオンからエランの谷を南に進みます。
スイスでもっとも美しい村のひとつとして数えられるエボレーヌを通り、更に谷の奥へ南進。アローラへは右の谷に入ります。左に入るとダン・ブランシュ(北側から見るとマッターホルン?)が見える谷へ通じます。
レソデールの村から先は車幅が少なく、ヘアピンカーブが続きます。
トンネルの幅も1台しか通れませんので、対向車が来ないことを願うばかり。
アローラに入りました。
アローラはエラン谷の最奥の村、山に囲まれたリゾートです。尖ったピークはエギューイ・デ・ラ・ツァAiguille de la Tsa、スイス・イタリー国境近くの山は尖った針峰が多いですね。
ここから氷河までトレッキングしようかと思いましたが片道2時間、ということは往復5時間。もう11時半過ぎで無理。ラックブルーまでのコースタイムは1時間半ですが、往復4時間。グイユまで下るコースなら3時間くらいですが、そこからバスで戻って来なければなりませんがモバイルも繋がらず時刻表も見れません。一番確実なグイエからのハイキングコースを歩くことにしました。それにしても、この標識を見るとトレッキング・ハイキングコースがいくつもあり、数日間滞在したいくらいです。
来た道を戻って、La Gouille グイエの駐車場になんとか停められました。日曜日なのかほぼ満車で残っていた場所が1台分でした。
登山口のヒュッテレストランでトイレをお借りします。小屋の方も気持ちよく「どうぞ」ということで、お礼に4フランほど小銭を置いておきました。観光地でも一人2フラン程度が相場のようです。山間部でも水洗トイレで、メンテナンスもされてます。スイスのハイキングコースでは、2時間くらいの歩行距離範囲にはほとんどヒュッテやトイレがあります。
出発は12:25、コースタイムは40分のハイキングコース。
集落の小屋の間をぬけて登山道へ。距離は短いですが樹林帯の上りが続きます。花が一杯咲いてますがもう昼過ぎ、まずは登ります。
樹林帯を抜けると視界が開けます。
見える山はたぶん、Mt.Blanc de Cheilon 3,780M。ここでランチをとろうと思いましたが、連れ合いがもう少し頑張るということで登ります!
谷奥には山頂に雪を抱いたモン・コロン3,637Mが見えはじめています。
Louche と呼ばれる小さな集落、小屋といっても牛舎でしょう。カウベルのガラーン、ガラーンという音色が聞こえてきます。牧歌的なムードがたっぷり。
小さなヒュッテ、軽食が食べられるようです。聳え立つピークはダンペロ 3,676M。
水が流れているので、ラックブルーはすぐ先のはず。
見上げると山に囲まれて、針葉樹が林立、気持ちの良さそうな牧草地の渓谷。このまま真っ直ぐ登って行きたくなるような風景です。こんな構図、THIS IS THE SWITZERLAND ですね。
ラックブルーに到着13:05、標高は2,090M。1時間くらいかかったのかなと思いましたが、コースタイム40分ピッタシでした。こんなに短時間でリフトもゴンドラもなしで、天空の湖にいけるハイキングもあるんですね。
湖が見下ろせる北側の丘に上がってみました。真っ青な空とLAC BLEU の深い青が鮮烈に映ります。
日曜日なので湖のまわりにはハイカーがいっぱい。たぶん、地元スイスの方が多い感じです。東洋人は我々だけ、こんな辺ぴな奥地までは脚をのばさないでしょうね。
ここでランチ休憩をとります。食べるのは毎回~~パンです;;; もう1週間続けてお昼はパン食。普段なら飽きてきますが、毎回絶景がおかず?で美味しく感じます。 おかずが続けばいいんですが・・・
LAC BLEU、空のスカイブルーと対照的なレークブルーが印象的です。湖を取り囲む高峰の山々、針葉樹林、牧草風景が入り混じり、ラックブルーを引き立てているのではないでしょうか。奥に見える台形上の山はモン・コロンです。
湖の西側、コンデジオートで撮ったんで少し色調がズレてますが、実際にはもっと綺麗です。(笑)
モン・コロン Mont Collon 3,637Mをアップして撮ってみました。山頂は氷河におおわれた台地のようなプロファイルです。その右奥はLa Singla3,714M、たぶん。さらにその奥、雪の稜線はイタリー国境と思われます。
最初のGoogleMapを見て戴ければ解かりますが、マッターホルンからはそれほど遠くない場所です。
LAC BLEU の北東側に小さな湖がありました。牛も放牧されているようです。
牛をクローズアップ、ヘレン谷には黒牛が多いようです。
反時計回りにぐるっと回り西側の山腹から LAC BLEU を見下ろします。谷を挟んで背後の山、正面には Petiti Dent de Veisivi 3,183m、右奥には Dent de Perroc 3,676M が聳え立ちます。
ラックブルーの南側丘陵から見ると西にはエギュイルージュ3,643M、ルート標識には2:05と表示されていますが、片道3時間はかかりそうです。岩稜のコルからは滝が流れているのが見えます、LAC BLEU の水源かもしれませんね。ここからも東西南北にトレッキングコースが広がっています。
まわりを一周してラックブルーの入り口に戻ります。西側から滝のように水が流れ込んでいます。澄んだ水で透明度が高いのにブルーのグラデーション。冷たい水ですが、氷河から融けた乳白色ブルーではなく神秘的な青さです。ベストシーズンは紅葉に彩られた秋と云われるようですが、静かな時期なら一層神秘さが引き立つでしょうね。
グイエに戻ります、上りに撮らなかった花を見ながら。
フィテウマ、日本ではタマシャジンと云われるようです。
石瓦が積み上げられた屋根の小屋。アルプスらしい風景です。
2つ上の写真、ファティウマ。開花したらこうなるようです。ちょっと妖艶な感じ。
エラン谷を見下ろしながら下るハイクは爽快ですが、花畑も多くありなかなか足が進みません。結局1時間近くかかりました。
センペルヴィブム、標高2千Mあたりに咲いています。
ハナウドのようです。
ヒヨドリバナにヒョウモン蝶、いい香りと味なんでしょうか?
ゼラニウム、フウロ属の花、あざやかな紫色ですね。
ヴァレー州南東部、ツェルマットと同じ山域なので花も同じですが何度見ても楽しめます。
ルピナスも咲いてました。
グイエ集落に着いたのは午後3時前、シオンへの帰路 エボレーヌに寄ってみます。(次回へ続く)
追:次回の記事まだ編集中でしたが、誤った日付けで予約投稿してアップしてしまいました。コメント戴いた方には誠にスイマセン、後日再アップいたします。なにとぞご容赦を・・・・
どのシーンも素敵!羨ましい!とつぶやきながら眺めています。
スカイブルー&レイクブルーを眺めながらお茶を飲みたい・・・
看板や建物が岩と木でできているのがまた良いのですよね。
by imarin (2022-09-15 09:20)
センペルヴィブム、可愛すぎます!!!うっとりです。
スイスは案内板がたくさんあって、ハイカーに優しいんですね。
by achami (2022-09-15 11:32)
ヨーロッパの道路は狭い道が多いですね。
by ma2ma2 (2022-09-15 15:22)
牧歌的な風景と高峰を眺めながらのハイキングは素晴らしいですね。
ラックブルーの透明な水と青いグラデーションにも感激です。氷河から流れてくると聞くと神秘的な感じがします。
センペルヴィブムは日本では見かけない可憐な花で見入ってしまいました。
by tochimochi (2022-09-15 21:15)
皆様がお書きになっていますが、やはりセンペルヴィブムには感動です。
こんな特徴的な美しい花がかの地では咲いているのですね。
氷河故の美しい湖の青にも目を奪われました。
それから、あの二頭の牛、素晴らしいアングルです。
by 伊閣蝶 (2022-09-15 22:49)
ハイキングコースに2時間くらいの歩行距離範囲にはほとんどヒュッテやトイレがあると安心して歩けますね。ラックブルー近づけば近づくほどその透明度がはっきりとわかり、グラデーションが見事です!センペルヴィブムは可愛らしい~^^シシウドはレースフラワーにそっくりですね。
by kuwachan (2022-09-16 06:14)
今回の山容は今までの雪と氷と比べて身近に感じられます。。とは言っても富士山級の連続らしいですが。鉄平石みたいな屋根、四国かどこかで見たような気が。水の青、空の青・・地名までブルーですか・・・
by OJJ (2022-09-16 06:16)
imarin さん、ブルーラックにへの最後の上りと湖面を見た時には、これは別世界に入ったような気分でした。スイスの山間部は自然と造形物が違和感なくとけ込んで調和が保たれていますね。
achami さん、センペルヴィブムは日本では見られない珍花ですね。案内板も統一されて、ハイキング、トレッキングに分けて表示されてます。コースの多さに驚きとともにハイカー天国の国ですね。
ma2ma2 さん、ヨーロッパの道路は広くて日本よりも運転しやすいです。私が通る道は山道なんで、狭いという印象を受けるかも。(笑)
by Jetstream (2022-09-17 11:35)
tochimochi さん、山岳と牧歌的な風景が入り混じったスイスの光景は素晴らしいと思います。日本にも負けない素晴らしいところがありますが、氷河が作り出す自然が印象を深めているんでしょう。ほとんどは日本で見られる類似の花ですが、固有の花が見られるのは楽しみです。
伊閣蝶さん、前述しましたが、氷河が生む造形が山岳を引き立ててます。どこを撮っても絵になるラックブルーです。秋の人が少ない時期にいってみたくなりますが・・もうありません。(笑) 牛のクローズアップ、レンズの限界でもう少し後ボケだったら。
by Jetstream (2022-09-17 11:47)
kuwachan さん、スイスはよほど奥地でない限り、一般のハイキングコースにはトイレがあるので安心です。施設側も客側もその対価を支払って恩恵を享受するのがスイス。このような基本的インフラがしっかりします。
湖のブルー、氷河の水なのに青っぽいのはユニークです。
OJJ さん、氷河、尖峰、岩稜の景色もいいですが、牧草地、湖といった風景はなんとなく安らぎを覚えますね。!(^^)! 歩きにはこれくらいのところが一番たのしいのではないでしょうか。鉄平石は屋根や基礎、壁に使われていますが、上手く採石、カットしてありますね。
by Jetstream (2022-09-17 11:58)
TVで小さな村の物語を毎週見ます、そんな感じです。
国は違っても素朴な生活は、同じような感じなんですね!
by ファルコ84 (2022-09-17 16:02)
ファルコ84さん、こんばんは、日本では里山ですね。インフラは違っても素朴な生活スタイルは同じなんでしょう。
by Jetstream (2022-09-17 19:34)