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アニヴィエの谷、コルヌ・ド・ソアボア [アルプスの旅2022]

7月11日 月曜日 アニヴィエ谷へ。「ソアボアの角」では素晴らしい風景が待っていました。

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コルヌ・ド・ソルボアからの眺望。南から西への展望、ダン・ブランシェといったペニンアルプスの名峰が連なり眼下には氷河からの水をたたえたモワリー湖が望めます。



前日はエラン谷へ出かけましたが、本日はその谷の東にあるアニヴィエの谷に脚を延ばしてみました。ツェルマットのあるマッター谷の反対側(西側)の谷です。どんな新しい絶景が見られるのか楽しみです。

アパートを出たのは9時頃、この日ものんびりとユル歩きとなりそうです。

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アニヴィエ谷奥のジナル山群が近づきました。

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ヘアピンカーブが続く道には、ちょっと屋根が風変わりな教会。

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グリメンツの村にある観光案内所で、パンフレットをもらいに行きました。グリメンツからゴンドラで上がってモワリー湖に下って、パスでグリメンツまで戻る予定を立てていました。

ところが、グリメンツからのゴンドラは工事中で運休と伝えられました。山頂のコルヌ・ド・ソルボアまでのゴンドラはもう少し先のジナルからしか運航していないことがわかりました。

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グリメンツもアニヴィエ谷の有数な山岳リゾートです。

プランをギブアップして、グリメンツの村を抜けてジナルに向かいました。

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ジナルの集落には10時半すぎ、ゴンドラの駐車場に車を停めて登山靴に履き替えます。

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ジナルからもソアボアへゴンドラ(Zinal Cable Way)が運行しています。ここの標高は1,674M 。標高差約1,000Mを一気に10分ほどで運んでくれます。

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スイスハーフフェアカードがあるので往復で半額の16フランで買えました。ツェルマットのゴンドラに比べると半額くらい、ローカルなリゾートなので割安です。鉄道の一般路線だけでなく、ほとんどのロープウェイ、リフトや登山鉄道に1/2カードが適用されますのでスイスの個人旅行には必須だと思います。

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ゴンドラは貸切。眼下のジナル集落が遠ざかっていきます。

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窓から見上げれば空はスカイブルー。

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標高を上げていくとアニビエ谷の奥にはジナルホルン、オーバーゲーベルホルン、その奥は三角の山。

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ズームで撮ってみると、マッターホルン★★★。ツェルマットでは存分にマッターホルンの姿を満喫したつもりなんですが、なぜかマッターホルンはどこなのかと追いかけています。日本でも山に登ると、富士山は、槍ヶ岳は・・と同じです。マッターホルンは見る方角によってプロファイル(山容)が変わり、ここからは山頂部が台形上に見えます。

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中間駅(標高2,437M、Soreboisソアボア)を過ぎるとマッターホルンも視界から消えますが、代わってアニヴィエ谷の山々の視界が広がります。

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La Vouarda 駅(2,691M )に到着。コルヌ・ド・ソアボアのピークまでのコースタイムは30分と書いてあります。

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登山道はゴンドラ駅からピークに向かった尾根の中腹をコルに向かってトラバースしていきます。道端には花畑が続きます。まずは、登りですが眩いばかりの花畑と山々の風景が目に飛び込んできて、なかなか脚が前にすすみません。

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ソアボアの稜線にでると、モワリー湖が見えます。モワリー湖の標高は2,248M。モワリー氷河からの融水をたたえたダム湖です。7月上旬なのに水位のレベルが低いようにみえます、氷河も後退して融水量も減っているんでしょうか?

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コルの稜線を登れば山頂「角」です。

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コルヌ・ド・ソアボア Corne de Sorebois、標高2,895M「ソアボアの角」に到着。山頂標柱はありませんが、ケルンが積み上げられていました。ゴンドラ駅から約40分、時刻は11時45分。ちょうどいいランチタイムです。

遮るもののない360度のパノラマ展望です。ソアボア稜が南に延びてジナル谷とモワリー谷の分水嶺となっています。稜線の先はGarde de Bordon 標高3,310M。あの頂に立てばマッターホルンの北壁が間近に、天空の別世界がみれるようです。  

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東側の展望は圧巻です。ツェルマット(マッター谷)側とは裏側のアニビエ谷から見た ヴァイスホルン、ツィナルロートホルン(ジナルホルン)、オーバーゲーベルホルン。いずれも4千M級の山、反対側のマッター谷(ツェルマット)側からも見たトリオの山です。

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ヴァイスホルンは標高4,505M、マッターホルンよりも標高が高い山。超弩級の大きな山塊で、存在感たっぷり。左はBishorn 右にはSchallihorn を従えています。

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ジナルホルン(ツィナルロートホルン 標高4,221M)は綺麗な三角に尖った端正な山。右はLe Besso。

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オーバーゲーベルホルン 標高4,063M、ジナル谷の奥にある高峰。

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コルヌ・デ・ソアボアから南に延びる稜線の先のピークはガルド・ド・ボルドンGarde de Bordon。その奥に見えるのはダン・ブランシュ 標高4,356M。四角錐の綺麗な山でマッターホルンに近く、一見マッターホルンと見違える場合もあります。エラン谷、アニビエ谷、マッター谷を分ける尾根に収斂する位置にある名峰です。右奥はPointe de Mauruti、Pointe de Moiry Tsa del Ano といった尖峰群。

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モワリー湖の西側を取り囲む山塊越しにはアローラ谷の針峰群(Pt. de Bertol、Dent de Perroc、Aiguille de la Tsa)。

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さらにその西側にはDents de Veisivi、Pine d’ Arolla、La Serpentine、Mt Blanc de Cheillon、Grand Combin(グランコンパン)。

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左奥の尖った針峰群はAiguille Rouges d’Arolla、Point de Vouasson、右奥の白い山はモンブラン?

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北側、ローヌ谷の向こうにはベルナーオーバーラントと接する稜線、ローチェンタール谷の山群。

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ベルナーオーバーラントの山々、右奥はアレッチ山群。

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アニヴィエの谷。

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モワリー湖は上流の氷河からの流水を貯水したダム湖です。グリメンツから車輛で乗り入れ可能です。ポストバスも湖の上流まで運航していますので氷河トレッキングや、モワリー湖を取り巻く山腹をハイキングすることも出来ます。バスをうまく利用すれば歩きの幅が広がりそうです。今回はグリメンツからのゴンドラ運行が中止だったのが誤算でした。運航中止の理由はどうやら工事中、7月の夏山シーズンなので運航中止はないだろうという思い込みはダメですね。情報不足です。

帰国して調べてみましたが、調べるほど素晴らしいトレッキングコースがいくつかあります。バスを使えばいろんな歩き方ができるということも後でわかりました。奥深い山域なので、簡単に来れるところではありませんが夢として残しておきます。

悠久の自然が生んだ素晴らしいソアボアアルプスの眺めに別れを告げて下山します。帰路は登山道わきの花畑が待っています。

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花は次回の記事に入れたいと思います。

A47P7111269.JPGGeum triflorum(Prairie Smoke Seeds) ダイコンソウ属、とても珍奇な咲き方をするようです。レアな花を見れてとれもラッキーです。

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復路のゴンドラも貸切。

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ジナルの村へ戻ります。


コルヌ・ド・ソアボア山頂から撮った動画ですが、ご覧いただければ幸いです。手ブレ補正で不具合(波うち)部分もあり、どうぞご容赦下さい。

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コメント 14

kuwachan

ひとつのゴンドラが工事で運休中でも別のゴンドラがあってそれで目的地に行けるところが凄いです。だから工事をしていたのかもしれませんね。ま、日本ではまず考えられませんが(笑)山頂からの雄大な景色本当に素晴らしいですね。心が洗われるようです。マッターホルン、姿が全く違いますね。富士山はどこからでもあの姿で見つけやすいです^^
by kuwachan (2022-09-22 12:43) 

ma2ma2

帰りのゴンドラも貸切で安心出来ますね。
by ma2ma2 (2022-09-22 19:00) 

achami

山の名前がちっとも頭に入ってこない(^^;;
全てのお山が槍ヶ岳のように見えます(笑)
ただため息ばかり。
by achami (2022-09-22 21:32) 

OJJ

「ソアボアの角」って言うのですか?ケルンの有る場所、雄大な神秘な・・凡人では形容不能な素晴らしい景色の数々、唯々素晴らしい、感謝です!
人間が写り込んで大きさが一層目立ちます。チングルマの親分みたいな花に親近感を感じます‥笑 
タイトルは夢のあとでは無く「夢の中」にして頂きたい・・
美しい景色の湖水の低下斜面が少し気になるのは職業病ですね・・泣
by OJJ (2022-09-23 07:14) 

asa

こんな景色の中をユルユルと歩いてみたいですね。
例えば槍ヶ岳、北アに行くとついその姿を探してしまいます。それにあたる存在が、マッターホルン。よくわかります。
by asa (2022-09-23 10:08) 

伊閣蝶

動画もアップされていて、臨場感を味わえました。
それにしてもやはりヨーロッパアルプスの壮大さに感嘆します。
ついついマッターホルンを探してしまう、日本の山でも富士山や槍ヶ岳を探してしまうのと同じ、という下りには納得です。
モワリー湖、美しいダム湖ですが、氷河の水をためたというのに不思議な色合いだなと思いました。
by 伊閣蝶 (2022-09-23 12:07) 

八犬伝

それにしても、大自然を満喫される旅をされたのですね。
羨ましいです。
スイスハーフフェアカードですか
これは、大変お得ですね。
by 八犬伝 (2022-09-23 12:14) 

tochimochi

ゴンドラ運休は残念でしたがジナルからも運航していたんですね。
コルヌ・ド・ソアボアからの眺望には感動です。雪氷の高峰が遮るものもなく聳えたつのはまさに圧巻です。
モワリー湖まで行きたかったのですね。山頂からも眺められて良かったです。ダム湖ということですが発電に使用しているのでしょうか。
機械力を使って一時間足らずでこの眺めが得られるのは、流石ヨーロッパアルプスですね。

by tochimochi (2022-09-23 20:05) 

プー太の父

空は澄み切ってきれいだし景色は最高
まるで絵葉書を見てるみたいに素晴らしいです。
by プー太の父 (2022-09-25 15:16) 

Jetstream

kuwachan さん、スイスの山岳交通インフラはどの国も追いつかないほど充実していますね。10分足らずで3千m近くまでは運んで素晴らしい天空の景色を見れるなんてほんとに素晴らしいと実感します。マッターホルンはやっぱりツェルマット側からの姿がベストです。!(^^)!

ma2ma2 さん、日本のように詰め込まなくても運行できるのはスイス、たまには例外もありますが・・

achami さん、せいぜいマッターホルン、モンブラン、アイガー、ユンフラウ・・そんな程度十分です。!(^^)! イタリーと接するスイス国境の山は針峰群がおおいですね、登れない山が多いです。(笑)
by Jetstream (2022-09-25 17:51) 

Jetstream

OJJ さん、 ソアボアの角、山名はなぜかありません。(笑) 知られない山域で東洋人は見かけません。眺望は抜群ですが、鉄道がなくバスかクルマでしか入れない秘境です。次回の記事で花をアップします。!(^^)!
夢から覚めて、また新たな夢が見れるといいですね。
流石、治水の専門家。斜面の崩れ方がよくないのかな。

asa さん、今回はユル歩きです。もう急ぐこともありません。!(^^)!
本場アルプスで気になる山はやはり、マッターホルンとモンブランです。槍ヶ岳と富士山はとても分かりやすいので探したくなります。!(^^)!

伊閣蝶さん、動画をうまく撮れるのいいんですが、ブレブレで補正しなければ見れません。;; モワリー湖面の白濁色は氷河の融雪が源だと思いますが白過ぎ、堆積ぶつが混じっているかもと気になります。
by Jetstream (2022-09-25 17:53) 

Jetstream

八犬伝さん、貧乏国の日本人トラベラーにはスイスハーフフェアカードでの価格がフェアだと思います。(笑) 一方、安売りしないスイスというブランド力、高いけどそれに見合う価値を維持するということは素晴らしい。買いたたかれジャパンが情けなく感じます。

tochimochi さん、反対側から運航していたのは幸いでした。コロナ禍でメンテ工事も遅れていると聞いています。ここにきて遅れを取り戻そうと急ピッチにあちこち工事中ばかりです。ある意味ではいい予兆かも。湖まで下って、バスで戻ろうという予定でしたが・・ 知られない山域ですが、ゴンドラで10分余+1時間以内で天空の角に出れるなんて驚きと同時に幸せを感じます。

プー太の父さん、 コメントありがとうございます。どこをとっても風景になる眺めです。数年ぶりのこんな景色には心が晴れます。
by Jetstream (2022-09-25 18:00) 

nousagi

マッターホルン、三角錐と思っていましたが
見る角度から、台形になるんですね。
どこへ行っても探してしまう富士山のような山、
よくわかります。(^^)

by nousagi (2022-09-30 10:37) 

Jetstream

nousagi さん、マッターホルンはツェルマット側から見るもんです。イタリー側からは大魔神のようです。(笑) 方向によっては台形や馬形にも見えます。
by Jetstream (2022-10-01 11:01)