円安で逆風下の海外旅行は？

*バナー写真は2年前7月5日のマッターホルン、上掲の写真は今年の7月5日。今年は明らかに残雪が多いようでした。

新型コロナ感染が収束方向に向かったと思ったら、ウクライナ戦争で燃料費高騰とロシア上空ルートがクローズ、さらに日本の金融緩和継続で金利差が拡大し円安が進行し、物価高を招いています。今年に入っても円安は留まることなく進行し、我々日本人の海外旅行を取り巻く環境はますます厳しくなっています。そんな大逆風のなか、今年もアルプスの山旅にでかけました。円安から反転して円高に向かうという明確な兆しもいまだ見えず、「行き過ぎた円安」への無策ぶりには腹立たしさを通り過ぎて呆れ果てます。来年に先送りしても、その時元気に歩けるかどうかもこれまたわかりません。年を重ねつつある私どもには時間という関数は必ずしもプラス要因になるとは限りません。機会があるとき、行ける時に行こうということで出かけました。あとはどう「やり繰り」するかです。・・・・・人生の末節を迎えつつある者の道楽としてご笑納ください。

旅行費用の大半は航空運賃と宿泊費です。長距離便の欧州路線は２０２２年からロシア上空回避で搭乗時間が更に長くなりました。初回の２０２２年は帰国便搭乗前ＰＣＲ検査もあり、新型コロナ感染リスクを下げたいということでＣクラス（ビジネスクラス）を選択しましたが、それ以上に長時間に及ぶフライトはシニアの夫婦にはキツイです。といっても、Cクラス航空券は高いので早割で格安のチケットを見つけて利用しています。航空運賃は高騰し続けていますので、今夏の航空券は10ヶ月前の昨年秋に手配しました。往路は航空券比較サイト（スカイスキャナー）と各航空会社の直販サイトでチェックしました。

帰路はマイルで「特典航空券」二名分を予約しました。新型コロナで保有マイルの有効期限が延長されたこと、更に２２年・２３年分のマイルが加算されてマイレージが累積。有効期限も迫っていたのですべて使うことにしました。日系航空会社のマイレージですが、特典航空券のプログラムが改悪？（ハイシーズンは多くのマイルが必要で残席も少なくなる変動制が導入）され保有していたマイルではCクラス１名分しか予約できません。提携航空会社（ワンワールド）エア・フランスの「提携会社特典航空券」(Cクラス）なら２名分予約が可能で、ジュネーブ～パリ経由のエアフランス便の特典航空券枠が２席残っていたので即予約しました。同時に往路はエミレーツ・カタールと比べて安かったシンガポール航空(燃料サーチャージ込）を予約購入しました。シンガポール航空は世界航空会社評価ランキングでもカタール、エミレーツと並んで毎年トップ５の中にランクされています。エアフランスはオプションの座席予約料を支払ったものの、航空運賃は大幅に節減できました。

ところでこのマイレージと特典航空券ですが、１マイルはいくらに相当するか？　航空会社のショッピングモールでは1マイル＝1円ですが、航空券に換えた場合は１マイルは約４～６円に相当すると云われています。但し航空運賃が値上がりしていますので、その分価値は下がっていますが、交換レートのいい航空券ならば航空会社のマイルは価値があると云えるでしょう。

宿泊はスイスではアパート、フランス（シャモニー）はヒュッテを予約。航空券とほぼ同じ時期に予約しました。ホテル滞在よりも安く、広くてキッチンや洗濯機が付いてます。支払いはそれぞれスイスフランとユーロですが、現地での滞在費も含めて２０２２年に購入した外貨残額で充当しました。今の為替レートでいくらになる・・と逐一考えていたら何も買えませんし、使えません。外貨は海外旅行に使い切ると割りきることにしました。不遜な言い方になるかもしれませんが、むしろ使い切らずに過ごしてしまうことのほうが無為に思えます。今回はレンタカーなし等々、いろいろやり繰りした結果、復路に特典航空券を利用できたこともあり、２名分・20日間の個人旅行としては破格のコストに抑えることが出来ました。但し、手配はすべて自分で行わなければなりません。面倒なこともありますが、それも旅の準備の楽しみと思えばいいでしょう。（早めの手配なら、キャンセルできるオプションがお奨めです。）

言葉が問題で面倒？・・・シャモニーの駅で果敢にもスマホの翻訳アプリ？を使ってやりとりされている日本のシニアご夫婦を見かけました。微笑ましく拝見しました。ドイツ語やフランス語のサイトは日本語訳で見ることも出来ますし、メールのやり取りでフランス語で返ってきますが、私もチャットＡＩの手を借りてます。

往路はシンガポールまでA350で7時間、更にチューリッヒまでB777で13時間ですが乗継時間約2時間、あわせて22時間の長い旅程です。中東経由乗継はポピュラーになっていますが、シンガポール経由は奇策かも？　あえて急ぐ必要のない身。多少時間がかかっても出来るだけ安く、快適に過ごせたほうが楽です。

通路側はドアで閉めるとコンパートメント化、フルフラットシートなのでゆったりと休めます。B777-300ERのワイドボディに１－２－１配列、前後のスペースも他社の同クラスと比較しても広いです。

我々にはミッシェランシェフのデザインしたグルメや高価なワインは奢侈で、余分なサービスも要りません。願わくばその分安くしてほしいです。余分なサービスを省いたＣクラスのあるＬＣＣがあるといいんですが・・・

現地時間で翌朝チューリッヒに到着しました。

まず空港ＡＴＭでデビットカードを使ってスイスフランを引き出します。「引落通貨」は選択画面で「J.YEN」と「CHF」が表示されますが、当然スイスフラン口座CHFを指定します。間違って高い為替手数料を含んだレートで換算された「J.YEN」を押したら悪夢です。円換算された金額は衝撃的！　次に空港の地下にあるＳＢＢ（スイス鉄道）の自動発券機でハーフプライスの切符を購入し、乗り換えなしのブリック行に乗車します。ハーフプライス（1/2）カードは出発数日前にオンラインで購入しました。メールで1/2カードが送られてきます。それをダウンロードして印刷したものを持参しました。航空券のＥチケットと同様です。空港駅でのチケットカウンターでは３０分ほど待たされることもあるので、1/2カードはオンライン購入がお奨めです。

ＳＢＢで乗り換えなしでヴァレー州（県）のフィスプVISPに向かいます。今回はこの長距離区間だけ1等車にしました。ベルン～シュピッツからレーチェンベルグトンネルを抜けると直ぐフィスプ、チューリッヒ空港から約2時間20分です。

フィスプ駅南口、駅前にはバス（ポストバス）乗り場もあり。ポストバス以外にも大型バスが数台ならんでいました。ツアー客が乗り継ぐ場所でもないのでなぜ？と思いましたが、あとで「まさか予期しないこと」に気づかされました。

滞在先のアパートは駅から歩いて数百メートル、スーパーマーケットからもほぼ同距離で便利なところにありました。部屋の鍵は通常郵便箱のピンボックスに入れられているのですが、玄関入口にありました。広さは６０ｍ２でキッチン付き、洗濯機・乾燥機は地下に設置されています。

次回はローヌ谷の街、フィスプを紹介したいと思います。

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コメント 17

出発するまでに疲れてしまいそうです。
いろいろ大変だったようですが、素晴らしい景色と人々に会えて楽しまれたことでしょう。
by 斗夢 (2024-07-25 04:28) 

多少時間がかかってもゆったり出来るのは良いですね。私も日本からシドニーに行くのにクアラルンプール（マレーシア）経由で行ったことがあります。やはり22時間くらいかかりました(^_^)
by ぼんさん (2024-07-25 07:07) 

シンガポール経由で２２時間！いや、それでも羨ましいです（笑）！！

by トモミ (2024-07-25 09:02) 

シンガポール経由、いいアイデアですね。
by テリー (2024-07-25 10:49) 

シンガポール航空は乗った事がないのです。
いつも高い評価を受けていますね。
スイス鉄道はハーフプライスというのもあるのですね。
便利ですね。
by 八犬伝 (2024-07-25 14:53) 

こんにちは＾＾
今年のマッターホルンは残雪が多くて素敵ですね♪
人物（奥様？）が入る事で、迫力が違いますね＾＾
旅行の手配をご自分で出来るのは素晴らしいです。
言葉も不自由なく話されていらっしゃるようですから、今年も楽しい旅となられた事でしょう^^
by いろは (2024-07-25 16:35) 

旅の準備は大変なこともありますが、反面楽しいこともありますよね^^
by kuwachan (2024-07-25 21:38) 

また行かれたんですね。(笑)
行ったことのないところばかりなので
写真を拝見するだけで楽しめます。(^^)
Jetさんの滞在型の旅行はいいですね。
by nousagi (2024-07-26 11:08) 

ご訪問、またNICE、コメントまで戴きありがとうございます。!(^^)!

斗夢　さん、朝早起きですね。(+_+)　早々のコメントありがとうございます。面倒なこともありますが、自分でデザインする旅は本当に楽しいです。

ぼん　さん、　仕事ではない道楽旅、多少時間がかかってもゆったりと寛げるならその方が正解だと思います。
近距離なら普通席でもガマンできますが・・旅は快適に越したkとはありませんね。

トモミ　さん、急ぐことなかれ、とても快適な空間で楽しめました。苦節のつづいた人生、末節は楽させて下され。。。。

テリー　さん、往路は直行便でも15時間、でもSW航空は狭くて高い。SP航空のシートは楽。時間ある身には悪くない選択かも。
by Jetstream (2024-07-26 15:09) 

八犬伝　さん、仕事では乗ったことがありますが、私的には初めてです。評判がいいので乗ってみました。クルーの対応はふつうですが、シート、食事はいいですね。1/2カードで列車、バスが半額。ゴンドラやリフトの割引もいくらか受けられます。直ぐに元はとれ、おつりがきます。

いろは　さん、残雪が多い今年のアルプス、景観と清涼感を引き立ててくれますが、今回は残雪が旅程に影響しました。ドイツ語フランス語はダメなんでなんとか英語でやってます。ドイツ・フランス語はグーグル翻訳の助けを借りてます。なんとかなるもんです。

kuwachan さん、旅の準備は楽しいものです。当たり外れもありますが、それも旅です。なんといっても日常からの脱却、これですね。!(^^)!

nousagi さん、　出来るだけ未踏の地に行きたいですが、年をとり体力が衰えると荷物をもって移動するのが厄介で大変です。また滞在型のほうがゆっくりと落ち着けます。いいところは何度いっても楽しめますね。また元気な方なら、バックパック背負って日々移動して新たな世界が広がるでしょうね。
by Jetstream (2024-07-26 15:31) 

円安は気になりますが、行けるうちに楽しみましょう！
きっといい記憶に残ることでしょう。
ヨーロッパの山が好きだから・・・!(^^)!
by ファルコ８４ (2024-07-26 16:03) 

温暖化が叫ばれる中で残雪の多いマッターホルン、素晴らしいですね～オリンピックの聖火リレーの時、なんじゃこれと思ったほどの雪道でしたが100年前ならもっと、1000年前なら想像を絶する景色だったのでしょうね～
　光り輝くJetstreamさんの高地姿を拝見したいものです。
by ＯＪＪ (2024-07-26 16:41) 

すべて自分で手配するのは大変ですね。
旅慣れたJetさんだからスムーズにできるのでしょう。
コストカットの方法も目から鱗です。
それにしてもビジネスクラスは広いですね。
これなら疲れも無く旅行できるのでしょう。

by tochimochi (2024-07-26 20:44) 

マッターホルンの写真の見比べ、面白かったです。
たくさん雪が残ってたんですね。
22時間は長いけれど、この風景が見られるなら、
旅する甲斐がありますね＾＾。
by Inatimy (2024-07-26 22:02) 

ファルコ８４　さん、円安で逆風下、円高に戻るのを待つという選択ありですが、来年は来年の風が吹くでしょう。不透明な世の中、今を逃さないのも選択ですね。

ＯＪＪさん、このマッターホルンの眺めをみて、来てよかったと思いました。そして日常からの脱却、それが海外への旅なんでしょう。いい写真が撮れましたので拝見戴ければ嬉しいです。

tochimochi さん、いろんな旅がありますが、リタイアした身にとって最大の味方は時間だと思います。うまく利用すれば、大幅にコストダウンできます。腰痛もち抱える高齢者には長距離フライトは辛いので、Ｃクラスという選択はありがたいです。身分不相応ですが、最後の道楽です。

Inatimy さん、日本からの欧州への往路は直行便でも１５～１６時間かかります。急がなければ、コストや快適度でよりいい選択ができると思います。今年のアルプスは残雪が多く番狂わせもありましたが、残雪の多さは風景を引き立たせ気分が高まります。!(^^)!
by Jetstream (2024-07-28 11:46) 

こんにちは。
スイス＋フランス、山岳満喫旅行ですね。
飛行機乗らない自分は他のポイントからの換算レートで１マイル＝２円と思ってますが、航空券の値段考えたら確かに数円分の価値がありそうです。
by えすぷれそ (2024-07-28 11:56) 

えすぷれそ　さん、これぞアルプスという、山旅三昧でした。
航空会社のマイルですが、飛行機に搭乗するというのなら1ポイントの価値は高いと思います。
by Jetstream (2024-07-28 15:33)