白銀の高峰群と氷河に囲まれたザースフェー [アルプスの旅2024]
7月4日 天気予報も ミシャベルアルプスに囲まれたザースフェーへ。
フィスプ駅南口のバスターミナルからポストバスに乗車します。1/2カードで往復2名分CHF36.8-
前日の夕方時点でバスは運行されていました。この日は晴天の天気予報なので、4千メートル級の高峰に囲まれたザースフェーへ出かけることにしました。
フィスパ谷を南へ、スタールデンという集落を通り、ザース谷に沿ってバスは進みます
ザース谷を流れる川が6月下旬の大洪水で氾濫し、修復工事中で片側一車線交互通行区間もあり約1時間弱かかりました。
ザースフェーのバスターミナル前。標高は約1,700M。ここはツェルマットと同様にマイカー乗り入れ禁止でEVタクシーのみ、ここから数百メートル手前の駐車場に停めることになります。
ザースフェーを訪れるのは今回が2回目です。と云っても初回は5年前2019年、フィスプの西南にあるビュルヘンのヒュッテからイタリー・アオスタへの移動日に時間があったんで寄ってみました。レンタカーなので上述のパークハウス(駐車場)に停めました。超弩級の白銀の高峰群と氷河におおわれた山稜に感動、もう一度訪れたいと思いました。こんなこともあり再訪が叶いました。
観光案内所はバスターミナル前にあり、マップ(有料)を買います。
ここザースフェーは「アルプスの真珠」と云われる山岳リゾートの集落です。乗り入れられる交通機関はバスかマイカーでツェルマットと比べると静かで秘境感が感じられます。ツェルマットの直ぐ近くであるにもかかわらず(近くにあるのが理由なのか?)それほど知られていないリゾートです。日本人を含むアジアからの観光客がほとんどいないし、中東・インドからの観光客も少ないので、一層アルプスらしさと異郷感を感じます。メインのゴンドラ・ロープウェイは4ルートあり、近郊の山域を含めると多くのハイキングコースがあり、1週間ほど滞在しても飽きることなく楽しめるリゾートです。
ツェルマット北東にあるミシャベルアルプスの高峰群に囲まれていますが小じんまりした小集落。フェーエヴィシュパと呼ばれる川に架る橋からの眺め。
シャルバーマッテン駅からゴンドラでシュピールボーデンに向かいます。
雲がかかっています、晴れますように。
谷の下に見える集落がザースフェー、谷の奥の山はラグギンホルン(4010m)、ヴァイスミース(4017m)
シュピールボーデン、標高2,447M がゴンドラの終点駅。この先レンクフルー氷河までのリフトは停止中でした。ゴンドラ上部からマーモットが見れましたので、ここから下るマーモットトレイルを歩いてみることにしました。
アルプスアイベックスを見ることが出来ました。山羊の仲間で立派な角をもっています。標高2千M以上のアルプスで生息しています。
フェー氷河の方向は晴れています。中央のジャンダルムのような山はエッギナー3,776M、右はエッギナーヨッホ2,988M、左はミッタグホルン3,160M
シュピールボーデンからのザイテングラート(枝尾根)にマーモットを見つけました。
枝尾根の間の谷あいにもマーモットが何匹かいました。 リス科の哺乳類でアルプスの標高千~3千Mの自然界に生息し、「アルプス マーモット」が正式な名称のようです。
なんとまとめて4匹も!(+_+) まさにマーモットトレイルです。
ここのマーモットは人見知りしない。!(^^)!
期待以上の出会いに感動。このままザースフェーまで下るコースもありますが、もう1カ所予定している場所があるのでシュピールボーデン駅へ戻りました。
ここから途中のビフィグ駅Bifigに戻り、ロープウエイでフェルスキンに向かいます。
このイラストのように、ザースフェーは4千M高峰群と氷河にとり囲まれたリゾートです。夏も登山・ハイキングを楽しめますが、冬はスキーパラダイスとなります。
ビフィグ駅でロープウエイを待ちます。
ロープウエイはフェー氷河の上を上がっていきます。右の白い山がアラリンホルン4,027M。その左がミッテルアラリン、中央左がヒンターアラリンの尾根。
フェルスキン駅 標高2,998M
フェルスキンから西に目を向けるとテッシュホルン4,491M、ドム4,545M。
ヒンターアラリン山稜下のチェスヤン氷河を左に辿るとブリタニア小屋へのスノーハイクコースがあります。難しくはないようですが、最後小屋への登りには少なくとも軽アイゼンが必要。アイゼンは持ってこなかった!
エッギナー3,368M、凹んだところがエッギナーヨッホ。その先を進むとブリタニア小屋3,027M、約1時間ほどのコース。
本日は散策のみのツーリスト。右手の台形の山はアルプフーベル4,206M。ここからメトロアルピンで更に標高を上げます。
メトロアルピンはフェルスキンとアラリンホルンの北側麓のミッテルアラリンとの間を運行するケーブルカー。距離は1,749M、標高差は476Mです。ミッテルアラリン駅の標高は3,456Mで、世界で最も高い標高を運行するケーブルカー、しかも全線地下を運行する地下鉄でもあります。ヨーロッパで標高が高い鉄道駅とされるユングフラウヨッホ駅は3,454M(駅舎には標高3,500Mと記してあります)なので、数字的にはミッテルアラリン駅がわずかに高いようですが、認知度から云って2Mの差では ユングフラウヨッホ駅が最も高い駅 としておきましょう。
ミッテルアラリン駅をでると、眩しい! 白銀の世界。正面にはアラリンホルン 標高4,027M 。北端直下までは雪上車が除雪と圧雪した道で行けます。それ以上は12本アイゼンで登れるとのこと。もっとも登りやすい4千M峰、あと10歳ほど若ければチャレンジ出来たんですが、その頃は日本の百名山踏破に夢中。二兎を追う者は一兎をも得ず。こうして今眺めていることだけでも幸せなことです。
西の稜線には、アルフーベル4,206M 、テッシュホルン4,491M 、ドム4,545M、さらに5峰の標高4千M+のピークが続く。超弩級の山々だが、今立っているところが標高3,500M近くなので感覚がズレてしまっています。
東はザース谷越しの山々、位置がイマイチわからないので山座を特定できません。
途中まで雪道歩いてみましたが、風が強く引き返しました。ちょうど風が吹き抜けるコルになっています。
ミッテルアラリン駅上の展望台。風がなく陽当たりのいい東側のベンチが空いていたので、ランチ休憩としました。展望台からは360度、ベルナーオーバーラント、アレッチエリア・・ミシャベルアルプスと、天空の絶景です。また、登山をしなくとも3,500Mまで来れてしまうことが驚異です。
雪に覆われたミッテルアラリン稜、右はミッタグホルン3,143M、台形の山はエッギナー3,369M。遠景の左はアレッチ山群、ザースグルンドの山。これはアクションカメラで撮った動画からスクリーンショットしました。
一眼でズームアップして撮るとフレッチホルン3,985M、ラグギンホルン4,010M、ヴァイスミース4,017M
ミッテルアラリン、おだやかなプロファイルの山頂を見納めます。
メトロアルピンで下りて洞窟のように掘られたトンネルを抜けて
フェルスキン駅。ザースフェーに宿泊する方は村内のロープウエイ・ゴンドラが無料で乗れるザースタルカードがもらえます。ザースフェー村内の宿泊施設に泊まれば乗り放題とは超お得ですね。但しメトロアルピンはこのカードの範囲外で@45フラン。地下なので展望もなく、あっという間に着くので割高と感じるかも。
ロープウエイでビフィグ駅へ、ここを歩いて下るハイカーもいました。ここも今年は残雪が多いようです。
ザースフェーの集落へ戻ってきました。
目抜き通りから見える北側の稜線、いずれも3~4千M級のピークです。このあたりのシャレーやアパートに泊まればリゾート感が満喫できますね。
ツェルマットやグリンデルワルトのような往来はなく、静かな街並みです。オーバーツーリズムとは無縁のように思われます。
日帰りなのでマーモットトレイルとミッテルアラリンだけに絞って訪問しましたが、出来れば数日は滞在したいリゾートです。白銀の峰々と氷河に圧倒されましたが、高山植物、花々も楽しめるでしょう。
ザースフェーSaas Feeという名前、最初はザック(ミレー)のブランドと思いました。登山を再開した時に買ったザックの名前がザースフェーで、スイスの山岳リゾートの名前が由来だなんてまったく知りませんでした。
ザースフェーを取り巻くピークは数えただけで標高4千メートル以上で11座、3千メートル以上で10座。10KM四方の場所にアルプスのエッセンスがギッシリ詰まって「アルプスの隔絶感」を感じさせます。バスかマイカーでのアクセスしかないことがツェルマットのようなオーバーツーリズム化を阻んでいるのかもしれませんね。(と云っても日本の観光地やリゾートに比べればはるかにましですが)
次回記事は:ツェルマットハイクです。
天気が良くて、最高ですね。
スイスは、綺麗に整備されていて素晴らしいですね。
マーモットと言うのですか
可愛らしいですね。
by 八犬伝 (2024-08-16 21:07)
展望ポイントが富士山の山頂並み、高山に強い体質が必須ですね、
可愛い動物の出迎え、人に慣れていますね
by koh925 (2024-08-17 08:13)
マーモットトレイルはまさにマーモット天国ですね。
人見知りしないで寄ってきてくれるのも可愛いです。
この日も機動力を使って歩き回られましたね。
それんしても3500mまで歩かずに行けてしまうのは驚きです。
高山病は大丈夫でしたか。
アラリンと名の付く山が3座有るのですね。
ひと際白くて眩しいです。
by tochimochi (2024-08-17 09:46)
Jetさんの来られたこの景色をじ~~っと見て居ると、髭の大男が出て来て、指2本で摘ままれて尖塔の上にぶら下げられるなんて夢を見そうです。山も鋭いし景色も鋭い!残雪が多いと4000mはこれが基本なのですね~
マムート、山の広告(ロングトレイル)で見かけますね~遠い夢です!
by OJJ (2024-08-17 10:23)
こんにちは^^
ミッテルアラリン駅上の展望台でランチ休憩、素敵ですね♪
この景色を見ながらお食事できるなんて、夢のようです^^
今日は猛暑でフラフラしていたのですが、涼しげなお写真を拝見できて嬉しいです^^
by いろは (2024-08-17 16:23)
私の住んでいるところも都会から離れ、空気が澄んでいますが、
数々の写真でうける印象の一番が、空気の美味しさと街の奇麗さです。
何でこんなに違う印象なのでしょう!
by ファルコ84 (2024-08-17 16:26)
真夏に真っ白な山の雪景色を見ると涼しくなりますね(^^
ずいぶんたくさん雪がありますが、この訪問したときは
現地では春なんですか?3500メートルと言うと富士山と
あまり変わらない高さの所まで電車で行けるんですね。
by プー太の父 (2024-08-18 09:23)
ご訪問頂きありがとうございます。ナイス、コメントまで戴きありがとうございます。いつもコメント返しが遅れ気味で恐縮ですが、極力レスいたしますのでどうぞよろしくお願い致します。
by Jetstream (2024-08-18 12:27)
八犬伝 さん、 何といっても天気だと風景が映えますね。
スイスは観光地でもゴミが路上に散らばっているところは見たことがありません。
オーバーツーリズムの日本の惨状とは異なりますね。
マーモット、その姿と仕草が可愛いです。
koh925 さん、 幸い2千Mくらいのところを歩いていましたので、順応出来たようです。
でもケーブルカーの階段上りはゆっくり登りました。
ここのマーモットは人慣れしてます。
by Jetstream (2024-08-18 12:28)
tochimochi さん、 マーモットは普段天敵から身を守るために穴に入ってなかなか姿を見せてくれません。ここのマーモットは人間が敵でないことを理解しているようです。また食べ物をもらっているからかもしれません。愛しみの気持ちで接すれば、怖気ることなく近くへ寄ってきます。
直近の2日間は2千Mくらいのところを歩いていましたので、少しは順応し易かったようです。
アラリンは本峰からの尾根ピークがミッテルアラリン(中間)、さらに下に延びる尾根をヒンターアラリン(下)と呼ぶようです。3,500Mまで地下ケーブルで行け白銀の世界を楽しめるなんて想像もしませんでした。
OJJさん、 どんな想像をされているのでしょうか? 氷河時代の古代人とマンモス(マムート)でしょうか。(笑) ここはマムートはいませんが、可愛いマーモットがいました。!(^^)!
ほぼ同じ標高のユングフラウヨッホ駅を思い浮かべますが、ここはビジターも限られてゆっくりと過ごせます。
いろは さん、 歩かずにこんな標高の高い処まで運んでくれるなんてスゴイです。 展望台からの眺めは今から振り替えると現実だったのかなとすれ思えます。 スイスは下界でも湿度が少ないのでとても過ごしやすいです。戻りたいです。一涼になれば幸いです。
by Jetstream (2024-08-18 12:29)
ファルコ84 さん、 日本もいいところが一杯ありますが、夏は暑さだけでなく湿気が多いので過ごしにくいです。 また、風土が異なるのでしょう。 ここは日本で云ったら、上高地と立山を混ぜ合わせたイメージかもしれませんね。
プー太の父 さん、 訪れたのは7月初旬です。今年は残雪が多いようでした。 日本で最高所のロープウェイ駅は中央アの駒ケ岳2,600Mくらいなんで、それよりもかなり高いですね。しかも地下ケーブルカー。スイスの山岳鉄道の技術レベルは高いですね。日本も山国で素晴らしい観光資源があるはずですが、なぜこうも違うのかと感じます。
by Jetstream (2024-08-18 12:30)
アイべっくす、マーモット、自然にそこにいる姿を見られるのはとても感動しますね^^。
向かい合って立ち上がってるの、可愛らしく。
最後から3枚目の写真にもアイベックスの像。 かっこいいです。
標高の高さ、夏なのに雪の多い風景にもびっくりです。
by Inatimy (2024-08-18 18:10)
天気予報のとおり素晴らしいお天気に恵まれて見事な眺望です。
ユングフラウヨッホへ行った時に添乗員さんが絶対に走らないようにと言っていたのを覚えていますが、ゴンドラ、ロープウェイ、ケーブルカーを乗り継いでこの高さまで行けるところがスイスならではですね。
by kuwachan (2024-08-19 14:13)
スイスでも大洪水なんてアルんですねぇ~!そしてマーモット、可愛過ぎる(笑)!!
by トモミ (2024-08-20 13:19)
すごいところですね。夏でも上は雪なんですね。マーモットがとてもかわいらしいです、最初ナキウサギかと思いました。
by JUNKO (2024-08-20 19:52)
氷河、4000m級の山々、素晴らしい眺望を楽しまれましたね。
by テリー (2024-08-21 23:49)
すぐ目の前に3000m、4000mの山々がある、凄い景色です。
ちょっと先へ進んでみたいという気になりますね。
でも、ロープウェイやケーブルで一足飛びにそんな高さまで登って
高山病にはならないですか。
上の駅の降り立った時点、フラフラしそうです。(^^;)
マーモット、可愛いですね~
すぐそばでも逃げない? ライチョウみたいですね。
by nousagi (2024-08-22 15:41)
Inatimy さん、マーモットは今まで他の山で見かけましたがすぐ穴にかくれてよく見れませんでした。 ここのトレイルでは、たっぷりとその愛らしい姿をみせて楽しませてくれました。アイベックスはここバレー州やシャモニーで見れます。角が立派でかっこいいですね。
kuwachan さん、 何といっても山は天気ですね。ピカピカの天気はこの日と翌日だけでした。
ミッテルアラリンはユングフラウとほぼ同じ標高ですね。ハイキングをすればアウトですね。幸い直近の2日間は標高2千メートルまで歩いたので少しは順応しやすかったと思います。
by Jetstream (2024-08-23 16:14)
トモミ さん、 渡航前洪水のニュースは知っていましたが、まさか自分の旅する地域に影響が大きく及んでいるとは思いもしませんでした。まだ影響があるようです。 マーモットに感謝。!(^^)!
JUNKO さん、 白銀の世界が楽しめました。 ナキウサギとイメージは似てますね。トムラウシ山で見ましたが、すぐ穴に隠れてしましました。ナキウサギも可愛いですね。
テリー さん、 まるで別世界のようで、天空間に酔いしれました。
nousagi さん、 もう少し進んで見たいです。 その気になれば時間もなんとか出来ますが、ないのは脚力と胆力。あと10歳若かったらモンブランやアラリン、ブリタニア小屋とチャレンジできるんですが。。これが世の宿命なんでしょう。ミッテルアラリン、登らなければ大丈夫です。この日はツーリストでした。 Marmot、日本では登山用品店でしか見かけないですね。(笑)
by Jetstream (2024-08-23 16:15)
ザースフェーの集落は、麓からは3~4千M級のピークが見られ、
ロープウエイで氷河が中まで直行できる良い場所ですね。
by joyclimb (2024-08-25 20:28)