ラックブラン 最高のハイキングコース

7月9日　エギュールージュ（赤い針峰群）にあるラックブランへ。

5年まえに歩いた時の感動が忘れられず、再び歩いてみました。やはり素晴らしかったです。ヨーロッパアルプスのなかでもベストトレッキングコースの上位にランクされると思います。晴れれば、楽しい異次元の歩きが楽しめること間違いなしです。

シャモニー滞在中の天気は火曜日、木曜日、土曜日が晴れの予報。前日にツーリストオフィスでロープウェイの運行状況と登山道の状況を確認しました。5年前に訪れた時にアルジャンティエールのゴンドラが工事で運休だったので今回もグランモンテ散策を予定に入れていましたが、なんと今夏も同様に運休とのこと。ラックブランへのハイクを繰り上げることにしました。今年はフレジュールまでのゴンドラ（テレキャビン）は運行しているが、リフトの上駅ランデックスからラックブランへのトレイルは残雪で閉鎖とのことでした。

エギューデュミディ駅近くのシャモニー南バスターミナルからバスでレ・プラーズのゴンドラ駅へ。乗車時にはモンブランマルチパスを提示します。

レ・プラーズのゴンドラ(テレキャビン）駅、駐車場はクルマでいっぱいです。改札はモンブランマルチパスのQRコードをスキャンして入ります。

10年前まではロープウェイでしたが、多連式のゴンドラ）になってからは輸送力もアップ。待つ必要はほとんどありません。レプラーズ標高1,060M からフレジュール1,894Mまで一気に標高差800Mを運んでくれます。（歩けば登りで3時間＋下りで2時間＋、往復6時間は余分にかかります。前回の下りは歩きでした。）

フレジュール。前回2019年はフレジュールまでのゴンドラへが工事で運休、シャモニー北のプランプラまでゴンドラで上がってGRAND BALCON SUDと呼ばれるトラバースの道を歩いてここまで来ました。ここからランデックスへのチェアリフトで上がり、ラックブランまでのトレイルを辿りました。→2019年の記事：夢のトレッキング、ラックブランへ Ⅰ

前述の通りランデックスへのリフトは運行しているが、残雪でラックブランへのトレイルはクローズとのこと。（多分、自己責任で歩け、勧めないと理解。）

本日はここからラックブランへの直登ルートを登ります。コースタイムは１時間４０分ですが、日本のコースタイムに置き換えると約２時間１５分くらいでしょう。標高差は約４６０M、往復の距離は約8.5～9KM、難易度は中レベル。

エギューベルト標高4,120Mと右手の天狗の鼻のようなドリュー3,754Mが視界に飛び込んできます。ドリューはシャモニーやモンタンベールから見ると尖った針峰ですが、見る場所でプロファイルが変わり神秘性を感じさせます。

ラックブランへのトレイル、左に登っていくルートです。

少し登ったところから振り返るとフレジュール駅、右からモンブラン山群、エギューデュミディ、エギューデュプラン、エギューデュクレポン、グランドジョラスといった名だたる山が屏風のように連なります。

向かう方向の山群はエギュールージュ。このあたりは登山道と山道が入り混じっています。

ここからは登山道。アルペンローザが一面山肌を覆いつくしています。

アルプスの花も多く咲いてます。まず登り、下りに撮ることにしました。

途中にある小さな湖、フレジュール湖。息をのむような絶景です。モンブラン、針峰群、グランドジョラスを眺めながらの トレッキングは天空感たっぷり。まるで別世界を歩いているようです。ここで小休止、急いで登るのはもったいないです。

エギュールージュ自然公園の標識とケルン。ここからは自然保護区域、キャンプ禁止、ペット同伴は禁止です。

ランデックスからのルートと合流。今年は残雪も多いようですが、ここから見た限りでは、日当たりのいい南面なのでストックがあれば歩けそうです。

ラックブランへの入口、厳重なる自然環境保護区です。更に細かく明記され　ペット禁止、キャンプ・焚火・取水禁止、遊泳、ハングライダー禁止のマークがいっぱい。ここからは雪道にはいります。

ここシャモニーでも今年は雪が多く残っています。モンブランからグランドジョラス。大パノラマ展望にくぎ付けです。さらに絶景の連続です。。。

ドリュー・エギューベルトからアルジャンティエール氷河、エギューデュシャルドネと続きます。エギュールージュからの眺めは、アルプスの中でも屈指の部類に入るのではないでしょうか。

ラックブランが見えてきました。何と雪の多いこと！！！　右に見えるのはラックブラン小屋。

ラックブランは背後のエギュールージュの稜線に囲まれて、融けかかった雪がシャーベット状になった部分とエメラルドブルーの湖面の取り合わせは美しくもあり、神秘的な感じです。

南側の大パノラマ展望にも目が奪われます。前景の一面の雪もアルプスの眺めを引き立てているかのようです。

ちょうどお昼時なので、ラックブラン小屋でランチ。サラダと温かいスープ、パンが付いてきます。あと持参したミネラルウォーターが底をついたので、２Lボトルを注文。取水した水は飲めませんので、この小屋かフレジュールの売店で補充しておくことがお奨めです。この小屋からのモンブランの眺め、泊まれば朝夕の眺めは最高でしょうね。

ラックブランのまわりを歩いてみます。

ラックブラン、北側からのショット、絶景に見とれるばかり、エメラルドブルーの湖面にシャーベットの雪。こんな眺めがみられるのはラッキー、今年は残雪が多いのでしょう。5年前に訪れたのは7月13日で、ほぼ同時期ですが南の湖には雪は残っていませんでした。

グランドジョラスをズームアップ。ハイカーの人影がちょうどいいシルエットになっていました。

高台に登って湖をながめます。湖の碧さが眩しい。谷向こうに見えるのはドリューとエギューベルト、エギューベルトから下る稜線の三角の雪原にあるのがグランモンテ。残念ながら今年もテレキャビンが工事で運休。

まだまだハイカーが登ってきます。5年前はフレジュールへのゴンドラが休止していたので、ハイカーは少なかったですが、コロナが収束し旅行需要も本格化してアルプスにも波及しています。今回は登山者・ハイカーの多さには(*_*)(*_*)。

北側の大きな湖へ。こちらはまだ雪で覆われていました。

ラックブラン（白い湖）とはまだ残雪におおわれたこんな時期のありようを表したんでしょうね。

湖岸の西側をまわりますが、残雪を踏みしめながらスノーハイクもいいですね。

西側からの眺め、アルジャンティエール山塊とツール氷河まで展望は広がります。名残惜しいですが、ここでラックブランにお別れです。

フレジュールへ下山、こんな素晴らしい眺めを見ながらの下りの歩きは楽しいです。

往路の上りは、谷向こうのモンブラン、針峰群、グランドジョラス、アルジャンティエール山群の眺めに圧倒されるばかりで、足もとに咲く綺麗なアルプスの花々の数々に目が及びませんでした。今回は時間もあるし、フレジュールまで下ればゴンドラで下山出来ます。復路はゆっくりとアルプスの花々も楽しみながら下山します。

ピンボケでした。

ファティウマ・オルビクラレ　　魔女の爪

アルペンローザの植生が旺盛なエリアなのか？

ヴェロニカの一種

ファティウマ・ベトニキフォリウム

特定できず。

フレジュールの横にある湖、人口湖のようですがラックブランを見たあとでは・・・　　ゴンドラでレ・プラーズへ下り、バスでシャモニーの街へ戻りました。

前回2019年のルート（ブルーの線）マップに書き加えてみました。今回はランデックスからの上道がクローズとのことでフレジュールから直登しました。歩く時間は往復4時間余程度（行動時間ではありません）で日帰りハイクにはちょうどいいです。お薦めは、5年前前回のコース取り、シャモニーからプランプラまでゴンドラで上がって、そこからGRAND BALCON SUD（南向き大展望回廊、約６KM）と呼ばれるトレッキングコースをフレジュールまで歩き、チェアリフトでランデックまで標高約700Mを稼ぎます。ランデックスからラックブランまでのトレイル（上道）はやや下り基調で楽、しかも眺めは抜群です。帰路は今回のようにフレジュールからゴンドラで下る。余力があるなら、ラックブランからシェズリ―湖経由でコルデモンテ（アルジャンティエール）まで下り、バスでシャモニーへ戻る。

大展望パノラマコース、晴れれば間違いなく絶景、記憶に刻まれるトレッキングになるでしょう。シャモニーにお出かけの機会があるなら、是非このコースを歩いてみて下さい。そしてこの感動を共有して戴ければこの上ない喜びです。

ラストのワンショット、アクションカメラ・ワイド写真モードで撮ったラックブランです。湖の色はエメラルドブルーというよりもターコイズブルーのよう、こんな感じのイメージでした。ヨーロッパアルプスには多くの素晴らしい湖があります。ラックブランはそのなかでも、ベストな湖のひとつでしょう。

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コメント 23

素晴らしい景色に溜息がでます。最近はヨーロッパアルプスも雪が少ないとのことでしたが今年は残雪が多く、予定していたコースへ行くこができなかったのは残念でしたが、本来の？ラックブランを眺められたのはラッキーだったのでは^^ズームアップした迫力のグランドジョラスラスは人影のシルエットでかっこいいショットになりましたね。
by kuwachan (2024-09-17 12:17) 

モンブランからグランドジョラス、大展望ですね。
残雪を歩きながら眺めると高揚感もアップしたことでしょう。
エメラルドグリーンの湖もさらにアクセントになりますね。
アルプスの花を眺めながらの下山も絶景の余韻に浸りながら楽しまれたことでしょう。
最後のワンショットが素晴らしいです。
大絶景を楽しませていただき、有難うございます。
by tochimochi (2024-09-17 20:09) 

菅らしい景色ですね。夢の中にいるようです。こんな所に実際に立てたら大感激でしょうね。今回もいいもの見せていただきました。
by JUNKO (2024-09-17 21:02) 

ラックブラン・・・湖の小島のこと？
ここはぜひとも行ってみたい！小屋に泊まって夜の撮影したいです。
なんとか計画を立てねば＾＾
by imarin (2024-09-18 10:00) 

すばらしいトレッキングコースですね。
こういうコースなら、毎年行きたくなります。お金と時間があればの話ですが、ーー。
最後の一枚が特にいいですね。
こういう場所で、星景写真を、撮影してみたいです。
by テリー (2024-09-18 11:26) 

こんにちは＾＾
名だたる山が屏風のように連なる景色、絶景ですね。
フレジュール湖、本当に息を飲むような美しさ♪
ラックブランも素晴らしいですね。北側からのショットも
夢のような景色。
グランドジョラスのお写真、シルエットが効いていますね。
ファティウス・オルビクラレ（魔女の爪）好きなお花です。
私は悪魔の爪と覚えてしまいお恥ずかしいです＾＾

by いろは (2024-09-18 17:28) 

これは本当に素晴らしい光景ですね。
雪、花、湖そして山
スイスの自然は素晴らしいですね。
by 八犬伝 (2024-09-18 21:10) 

こんばんは(＾◇＾)
最後の一枚素敵ですね♡
本当に息を飲む思いです♬
シャモニーっていう言葉の響きだけで
きゅんきゅんって憧れてしまいます!!

by まこ (2024-09-18 21:57) 

青い空・高い峰々・残雪・緑の山肌・可憐な花　・・・
観るもの何でも美しい、言うことなしです。
山好きには、たまりませんね！
by ファルコ８４ (2024-09-19 07:46) 

まさに絶景ですね、高山植物も美しい
スイスを愛する人、山を愛する人の特権ですね
by koh925 (2024-09-19 11:26) 

ご訪問戴きありがとうございます。ラックブランへの山旅はとくにすばらしかったです。幾分セーブして書くつもりでしたが、写真を整理しているとやはり感動が甦り、憚りながらも、そのまま素直に表現しました。愚直に感じられる点があるかもしれませんが、ご容赦、ネグって戴ければ幸いです。改めて拝見戴きありがとうございます。
by Jetstream (2024-09-19 22:50) 

kuwachan さん、 前回のラックブランはあまりにも素晴らしかったので再訪しました。天気は前回よりもよく絶景と天空の歩きを楽しむことが出来ました。ラックブランの印象はまったくブレることなく、楽園です。残雪も雰囲気をグレードアップ、湖の碧さが素晴らしく鮮烈でした。モンブラン、湖と針峰群の眺めは別世界、グランドジョラスのアップも気に入ってます。

tochimochi　さん、　グランドバルコンと上道を歩くのベストですが、5年前の脚力は基準になりませんので直登。さらに上道をあるけばもっと楽でしたが、登るよりも楽しみながら歩くにはちょうどいいハイキングでした。全方位の大展望、他では見ることのない異次元の風景に酔いしれました。人生最後の道楽になるかもしれません。すべてが素晴らしいハイクでした。云い尽くせませんが、写真から感じ取って戴ければ嬉しい限りです。

JUNKO　さん、　戻って写真を眺め返して、普段の日常に戻ったことを感じます。それ程素晴らしいハイクでした。
by Jetstream (2024-09-19 22:54) 

imarin　さん、　ラックブランは白い湖、夏まで雪におおわれていることが由来のようです。
ラックブラン小屋は予約すれば泊まれます。このコースはハズレなしです。ここだけでなく、素晴らしいトレイルが多くあります。
出来れだけ元気なうちにお出かけになれば、選択肢は広がり、より楽しめるでしょう。

テリー　さん、　ハイキングの範囲、テリーさんならお〇も時〇も問題ないでしょう。
空気が澄んでいるので、ラックブラン小屋は夕景、夜景、朝景色、最高のショットが撮れるでしょう。
最期のショット、画素が荒くお粗末ですがイメージだけでも感じ取って戴ければ幸いです。

いろは　さん、　アルプスの湖はいいアクセント、絶景をさらに引き立てますね。
グランドジョラスのアップ、何気なくとったらいい感じに撮れてました。
どこもこの世の風景とは思えない別世界です。何年か前NHKで世界の名峰という番組で女性ディレクターがモンブラン登山のトレーニングとしてラックブランのハイク、その風景をみていつか歩きたいと思ったのがきっかけでした。
ファティウマ、悪魔の爪とも呼ばれます。こちらの方がポピュラーかもしれませんよ。
by Jetstream (2024-09-19 22:56) 

八犬伝　さん、　フレンチアルプスも素晴らしいです。
素晴らしい自然と風景には感動しますが、普通のハイカーでも容易にアクセスできるインフラも素晴らしいと思います。日本も山国なんですが・・

まこ　さん、　シャモニーは夏もいいですが、スキーとしての方が有名かもしれません。
あこがれる方も多いでしょう。モンブランも食べたいですね。(笑)
湖の色が印象に残ります、イメージ通りの絶景でした。

ファルコ８４さん、　すべてが揃った山景色かもしれませんね。
感動をもう少し抑えて書いたほうがいいのかなとも思いましたが、やはりありのままの本音で綴りました。

koh925　さん、　ヨーロッパアルプスはいろんなエッセンスが詰まっていますね。シャモニーはモンブランのような穏やかさと針峰群の鋭さが混在、素晴らしい風景のコンビネーションとなってます。何度訪れても新鮮に映ります。こんな機会に恵まれたことに感謝です。
by Jetstream (2024-09-19 23:02) 

シャモニーからフレージュ、地図でようやく位置関係が分かりました＾＾。
それにしてもグランドジョラスなどすごい風景ですね～。やはりアルプスは素晴らしい！！アルペンローザなどの高山植物もとても可憐でかわいいですね～(^^♪。
by drumusuko (2024-09-20 10:06) 

drumusuko さん、ここは山に求める、アルプスに期待するものがすべて備わっているように思えます。願わくばもっと身近にあるといいですね。
地図を見れば見るほど、素晴らしいところ、歩くとことは尽きないです。
リピーターが多いのも頷けます。
by Jetstream (2024-09-20 12:10) 

いずれもすばらしい眺めです。低山徘徊者にとってはうらやましい限り。一度はいってみたい。
by asa (2024-09-20 15:55) 

今日も近くで39℃越え・・・助けて下さいカミ～サマよ～
1枚目とラストの大展望の写真、引き伸ばして部屋中に貼ったら少しはボケジジイの心が落ち着くやろか？
♪♬　霧よ～雲よ～峰よ～　やっほー　山の峰に眠る池よ～
by ＯＪＪ (2024-09-20 21:13) 

グランドジョラス、手前にハイカーのシルエットの写真、とってもカッコいいです。
湖の色もなんて美しいんでしょ。
半袖短パン姿の人がいる緑濃いところから、氷と岩の世界になるのがすごく面白く。
歩いてその変化を楽しめるのっていいですね＾＾。
by Inatimy (2024-09-20 21:46) 

いいですねぇ～！いつの日にか本当に訪れたいと思いました！！

by トモミ (2024-09-21 14:43) 

asa さん、国内外問わず、山それぞれいろんな魅力と楽しみあります。ゴンドラやリフトなどの運搬手段が行動範囲を広げてくれるのはありがたいです。
まだ機会はあると思いますよ。

ＯＪＪ　さん、こっちも助けて！　まだ残暑・・長すぎますね。こんなところが日本にあったら、超混雑でしょう。

Inatimy さん、グランドジョラスはクライマーのみならずハイカーにも垂涎の的ですね。ここはトレッキングの出で立ちと軽装のツーリストが入り混じる不思議なところです。コースも初級から上級と入りまじり、多様な楽しみ方ができる、シャモニーはそんなところです。

トモミ　さん、　天気が良ければ超満足なトレイルです。気を付ければ運動靴でも登れます。いつかの日にか！！！
by Jetstream (2024-09-22 16:48) 

ほんとに何度でも行きたくなる気持ちがわかりますね。
映画の世界の中にでもいるような風景です。
人気のハイキングコースなんですね。
人の多さが物語っていますね。
風景の中に、ハイカーの姿もいい感じです。
by nousagi (2024-09-23 16:28) 

nousagi さん、NHKの「グレートサミット」という番組で針峰群を歩きながらラックブランに向かうトレイルの風景が別世界のように映り、いつか行きたいと思っていました。5年前初めて歩いた時、映像でみたイメージ通りで素晴らしかったです。今回もその感動は変わらず、色あせることがありませんでした。人気のハイキングコースである所以がわかりました。
by Jetstream (2024-09-23 19:44)