今年は私にとって印象深い思い出に残る年になりました。
8月23日 南アルプス聖岳を登頂し、日本百名山全山完登。
これが2015年、 いや第二の人生での一番楽しい瞬間でした。
夢だった百名山制覇が願望に変わり、 願望が目標となり、 目標が達せられました。
今年は私にとって印象深い思い出に残る年になりました。
8月23日 南アルプス聖岳を登頂し、日本百名山全山完登。
これが2015年、 いや第二の人生での一番楽しい瞬間でした。
夢だった百名山制覇が願望に変わり、 願望が目標となり、 目標が達せられました。
にっぽん百名山。 楽して登れる山は少なく、大半は試練を与えてくれました。
でも、それ以上に山頂に至る沢や尾根を歩き、稜線や頂からの眺め、登りきった達成感は素晴らしいものでした。
聖岳を登り終えての帰路の車中、今までの道のりがフラッシュバックしてきました。
幼少時から山を眺めるのは好きでした。 冬の時期、故郷からは鈴鹿から美濃の山脈、木曽御嶽~中央アルプスが眺められました。 今はまわりに家がいっぱい立ち並んで、見えなくなってしまいました。
木曽駒ヶ岳や鈴鹿の山をいくつか登りました。 最初の百名山は学生時代に登った立山(雄山)でした。 少しずつでいいから山登りが出来たらと・・・。 この想いが後年に膨らむとは思ってもみませんでした。
もうひとつの夢、 世界をまたを架けた仕事をしたいという秘かな想いを抱いていました。
幸運にも海外市場のマーケッティングと販売に携わる仕事に就き、いろんな国に出かけました。 米・独への赴任もかないました。 異国を知るとともに日本を伝え、各国の人々とも親交を持てました。 訪問した国を数えてみたら71ヵ国。 時代背景、運にも恵まれましたし、いい先輩・仲間に支えられたおかげで充実した仕事が出来、私の夢が実現できました。
とはいうものの 決して順風満帆でもなく 幾多の挫折もあり、絶望の淵に追いやられ 世の不条理に嘆いたこともありました。 転職も二度経験し 波乱のサラリーマン人生でした。 二兎を追いかけることが出来ない不器用な私には、山登りも封印し、仕事に終始、没頭する日々。 今の時代ではNGで失格人間ですね。 それでも、打ち込める仕事に取り組めたのは幸せであったかもと思い直しています。
定年を迎えましたが、それまでの会社と過去のしがらみの中で定年延長という選択はせず退職。 一旦断ち切って新たな環境にシフトしたかったのです。 その後は余暇とのバランスをとって私のキャリアを生かせる仕事を続けさせて戴いています。 こんなめぐりあわせも幸運と感謝しています。
セカンドライフでやってみたかったことは ぶらり山歩きとカメラをもって旅すること。
元気なうちは山歩きをしたい、 山登りを再開しました。
一座一座踏破していくうちに 百名山制覇を目指す自分に気づきました。
・・・・・
百名山のなかでも、思い出深い山は多くありますが 印象に残る山はいくつかあります。
なんと云っても、 幌尻岳。 北海道日高山系にあり 「百名山のなかでも最難関」と云われる山ですが、 私にとっても最難関でした。 季節は9月半ば、数十回渡渉を繰り返す沢の水量も少なくなく 経験したことのない重いザックでの渡渉はキツイ。 また、ほぼ全行程前後する登山者は私ひとりという心細さ。 幌尻山荘から稜線までの登山道はクマの強烈な臭いと恐怖との戦いでした。 稜線から山頂までは横殴りの強風と雨。 山荘に戻った途端、ぐったり。 この時ほど憔悴しきったことはありませんでした。 翌日、再び渡渉を繰り返し、額平川沿いを下り登山口ゲートからシャトルバスに乗った時に ようやく登りきったという安堵感でほっとしました。
82座目の百名山・幌尻岳を踏破したことにより、 百名山のゴールが見えてきました。
額平川渡渉途中でカメラを水没させてしまって まともな写真も残っておらず。 チャンスと体力があればもう一度晴れの日に登ってみたい山です。
素晴らしい景観だと思ったのは北アルプス裏銀座コース。 鷲羽岳、水晶岳、笠ヶ岳と云った名山がありますが 最も印象深い山は、最深部にある黒部五郎岳。 初日は天気にも恵まれ新穂高温泉登山口から一気に黒部五郎小舎まで、 翌日は黒部五郎岳へ。 朝陽に映える黒部五郎とカールは素晴らしかった。 山頂から折り返し 延々と日没まで新穂高温泉までのロングコース歩き通しました。 最も長い一日でした。
鏡池から三俣蓮華岳、黒部五郎小舎に至る登山道、稜線からの景観はまさに天空の歩き。 百名山のなかでもベストと思いました。
タフなコースは平ヶ岳 65座目。 新潟と群馬の県境奥只見にある地味な山ですが 途中に小屋もなく、エスケープルートもなく日帰りしか選択肢がない。 人気もなく最悪の百名山と酷評されますが、素晴らしいコースと山です。 でも、もう一度登れと云われたらあまりにもタフで躊躇します。
もう一つタフなルートと云えば庚申山からの皇海山 78座目。 群馬と県境を接し栃木の足尾山塊にある山。 往路は岩場の鋸11峰越え、帰路はヤブ漕ぎの六林斑経由。 ここはバリエーション同然の酷いコース。 でもどうせ上るんなら庚申山ルートでチャレンジしてください。 達成感は十分以上。(笑)
9月下旬大雪山系、 初冠雪後の十勝岳。 低温下で吹きつける粉雪と暴風、 今までの山行のなかで最も厳しい天候下で踏破。 この日、望岳台登山口からの登山者は30名近くはいたと思いますが、登頂者は私含め3名のみで本当にラッキーでした。 カルデラ~山頂は視界が数メートルでGPSがなかったらトレース出来ず。 北海道の厳しさの洗礼を受けました。
洋上の最南端の百名山、 屋久島・宮之浦岳。 淀川登山口から日帰り、ほとんど毎日が☂という屋久島ですが幸いにも雨に祟られず屋久島ならではの風景に接することが出来ました。
四国 石鎚山。 4つのクサリ場を越えて、最後は91座目石鎚山神社から天狗岳へ。 スリル満点!なんとか、無事クリア出来ました。
最北端の洋上百名山、利尻山。 ここも海から吹き上げる暴風のなかを登る厳しい山行でした。 辿り着いた山頂は雲が切れて 礼文島、オホーツク、稚内から留萌に続く海岸線、日本海と 登りきった者が見れる素晴らしい展望でした。
そのほかにも素晴らしい百名山が多いんですが、なぜか厳しい、難関の山が印象に残っています。
最近の百名山ブームでポピュラーな百名山では山小屋も混雑、登山道も喧騒。 私も辟易することが多々ありました。 でも百名山の山々が悪いのではない。 私を含む百名山ハンターが元凶なんでしょう。 そして二百名山・三百名山もありますが、いろんな意味で百名山を超えることは出来ないでしょう。
目標とチャレンジ、試練を与えてくれた百名山、 また感動と楽しさを与えてくれた百名山に感謝したいと思います。
一座一座踏破し、ブログに刻んで・・・ 約6年。 ご訪問、コメントして戴いた皆様の励まし、叱咤、またアドバイスを戴いたのは支えになり、頑張ることが出来ました。 どうもありがとうございました。 そして、山歩きが出来た境遇といつも心配しながら応援してくれたわがパートナーへの感謝は言い尽くせません。
歳を追うごとに体力・脚力は下向き、体のあちこちに不具合が起きてきます。 (泣)(笑) 山へのチャレンジではなく私自身へのチャレンジとなるでしょうが、歩ける限り山歩きを続けたいと願っています。
本年中はお世話になりありがとうございました。
喪中につき、新年のご挨拶は失礼させて戴きますが 寒さ厳しき折柄皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
どうぞ良い年をお迎えください。