やすらぎの刻~道:
1年ほど前昼時食事をしながらTVを見ていたら、南アルプスが見える山梨の山あいにある集落が気になりました。昭和の面影を残す「小野が沢」。TV朝日系で放送された
「やすらぎの郷」の続編、
「やすらぎの刻~道」の舞台です。「小野が沢」は仮想の集落ですが・・・どこにあるんだろうとチェックしてみました。ロケ地は山梨県甲州市塩山の下小田原地区にある「上条集落」でした。昭和の時代から現代までの波乱の時代を生き抜いた人たちの物語、ストーリーももう終盤で今月3月末完結します。家内もどんな村か見てみたいということで今回訪れてみました
勝沼ICからフルーツラインで塩山方面へ北上し大菩薩線で北西(柳沢峠方面)に進むと下小田原地区。「上条集落」への標識がある道を北進すると、福蔵寺。集落への入り口で、ここに駐車場があります。お参りさせて戴いた上、お寺の方に駐車許可を戴きます。この日はほぼがら空きでしたが、お彼岸や混雑時は遠慮した方がよろしいかと思います。上条集落自体保存地区のようで、保存物件も多くあります。
散策コースに沿って福蔵寺を回り込んで門を下ります。このあたりもロケ地です。裏手からお墓の横を通って金井加里神社に向かいます。
金井加里神社、ここもロケ地でたびたび出てきました。
そこから金剛山と呼ばれる舌状台地の小尾根の小径「上条古道」を歩いていくと集落に出ます。突き上げ屋根の養蚕家屋が多く保存されています。
藁ぶきの観音堂。
茅葺切妻屋根の保存民家「もしもしの家」、まだ電話があまり普及していない頃に、この家に電話があったことから近所の方がそう呼んでいたそうです。この家が集落の中心で、
「上条集落」のパンフレットも置いてあります。昔は養蚕が盛んだったようですが、いまは桑畑や棚田には桃やブドウといった果樹栽培が盛んなようです。
集落の保存家屋や佇まいだけでなく、私たちが見たかったのは山の上から見る集落とまわりの山風景です。
番組で折々差し込まれる山村の原風景を見下ろす場所はどこだろう? 集落の北東部にあるピークか見透しのよい尾根と推測。事前にGoogle Earthであたりをつけておきましたが、登山道はありません。林道を少し進むと右手にフェンスがありました。尾根に上がる入り口のようです。
フェンスの扉を開閉して小尾根を回り込むような小径を上がると、林道らしき道に出ます。国土地理院の地図にも表示されていません。林道は尾根の西側ですが、敢えて尾根のセンターに登って進むことにしました。
道はありませんが、なんとなくトレースされた痕跡。撮影班も歩いたのかな? 振り返ってみると樹間から集落が見えます。方向的には外れてないようです。
登っていく尾根の西側は伐採地。その上部に展望出来る場所があるだろうと読み、そのまま尾根を登っていきます。ところどころ急登・ヤブ漕ぎは避けられませんので、トレッキングシューズがお奨めです。
辿ったログをGoogle Earthで取り込んでみました。尾根の小ピークが目指すゴールで、コース取りはほぼ正解でした。
尾根を登って伐採地の上部に出ました。見下ろすと上条集落、その先には塩山下小田地区、霞んでますがその先には甲府盆地。大菩薩の奥には冠雪の富士山(左上隅に写ってますが・・認識できますか?)。御坂、天子山域、南アルプス南部も視界に入ります。
Google Earth、ログのピーク地点から3Dビューでも確認してみました。想像していた集落の眺めを見ることが出来ましたが、撮った写真は春霞でいまひとつ冴えず。 空気の澄んだ晩秋から初冬の朝夕ならいいかもしれませんね。
集落をアップして撮ってみました。
下山は伐採された尾根を下りましたが、途中で切れ落ちているため北側の沢に回り込み林道に出ました。
林道からみた伐採地尾根、末端は崩落した断崖で、その下は上条川の沢。これでは下れませんね。
林道を下って再び集落へ戻ります。もしもしの家の前で昼食をとって福蔵寺の駐車場へ向かいました。もう2週間ほどたてば(3月末頃)は桜や桃の花で彩られて訪問するにはいい時期かもしれません。ポカポカ陽気の散策日和で、やすらぎの郷でした。
***おまけ*** 自宅の近くの公園で1時間ほど前に撮ったサクラの開花です。