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朝4時、 まだ真っ暗だが電話#59015;でセットしたモーニングコールで目が覚める。
日帰りザックのパッキングは完了しているので、 ポットに温かいお湯を入れ フロントに置いてある朝食(おにぎりとペットのお茶)をピックアップ。
貸与してもらった#58974;軽自動車で鴛泊へ、 宿のある利尻富士町・鬼脇から約20分。
更に登山口の北麓野営場まで10分ほど。
登山口に着いた時はもう明るくなっていた。
野営場の施設(トイレあり)の前に掲示板: 利尻山登山のルール
携帯トイレは宿が2セット用意してくれた。(宿のサービス)
日帰りがルールで、テント泊や避難小屋の使用(緊急時を除き)は禁止です。
Google Earth で鴛泊コースを眺めてみると ↓
とにかく日帰り登山をしなければなりません。
登山口の標高は210M、山頂は1,719M。
標高差は山頂まで約1,500M。
休憩を含むと往復10~12時間くらいはかかるので
ハイキング気分で登れる山ではありません。
でも、 必ず登れます!
* 海抜ゼロ(鴛泊港)から歩く方は標高差は1,700M以上、往復12時間はかかりそうです。 登山口は遅くとも、6時には立った方が安心です。
登山口の入り口には靴の洗い場がある。 下山後ではなく 登山前の洗い場。
島に外来の種子や菌が持ち込まれないようにするためです。
ここで靴底を洗って登山口を出発。 5時過ぎです。
北海道本島にはいるが、利尻島にはいない動物が二種ある。
ひとつはヘビ、 もうひとつはクマである。 ここはクマ鈴は不要です。 #59120;
楽園である。しばらくは ハイキングコースが続きます。
3合目へ向かいます。 トドマツ 蝦夷マツが茂る森のなか。
唯一の水場、甘露泉水。 登山口から10分ほどなんで 水補給の意味はないですが、おいしい水です。
3合目。 この日は連休中日の日曜。 登山者も結構います。 フェリーでお会いした方も前を歩いています。
*上りに写真を撮ってないポイントが5合目までありましたので、下りに撮った写真を一部使っていますがご容赦願います。姫沼・ポン山への散策ハイクは左へ、 利尻山へは真直ぐ進みます。
原生林の森のなかの登山道が続く。
五合目610M。 ここまで1時間チョット、 長丁場なんで無理はしません。
天気予報では 利尻島は晴れであったが、 靄・ガスがかかったところもあり、#58947;風も結構強くなる。
第一見晴台に向かうところで、下界の視界が一気に開けてくる。
山麓は広大な原生林。 海のむこうに礼文島。
6合目標高760Mの見晴台。 ここからハイマツ帯になります。
向かう長官山はガスに覆われています。
第二見晴台の手前で雲が切れ ポン山、 鴛泊港が見下ろせました。
高度を上げるにつれ パノラマの視野が広がりますが、 霞んできます。
第二見晴台あたりは ガスでまったく見透しがききません。 風もかなり強くなったんでジャケットを着る。
十勝岳では北海道の秋山の厳しさを思い知った。 利尻山は遮るもののない島なんで風も強いと予想。
やはり 日本海からの 海風が吹きつける。
長官山への登りは、岩の急登。#59124; ここが前半のチョット厳しいポイント。
ずっと 雲に覆われ 強風のなかを上り ようやく長官山(8合目)1,218M。
ここから利尻山頂が見えるはずですが、 雲のなか。 今日の天気予報はハズレではないか???
昼食をとろうと思いましたが、風を避けるため もう少し先のハイマツのトンネルに入ったあたりで休憩。
もう少し歩けば 避難小屋がありました。
だんだん傾斜がきつくなってきます。 「風が強いんでリタイア。」 した方が下りてきました。
9合目標高1,450M、 トイレブースがあります。 ここにベンチがあるんでまた休憩。
フェリーでお会いした埼玉の方が追いついてきました。
「沓形から登られると聞いていましたが、鴛泊から登られたんですね。」
→
「沓形からは崩れたところがあるので 鴛泊を軽自動車付で推奨されました。 私がドライバーでした。」 (笑)
山頂へ向かう尾根がうっすら見えてきました。
夏の季節には 9合目前後から山頂直下まで 一面のお花畑が見れるそうです。
ベストシーズンは6月末~8月。 花も一杯見れるそうです。 利尻の固有な花もあるようです。
* でも、激混み? 登山がメインなら9月がお奨めと宿の方は云ってました。 宿も空いているし、格安!低木樹林帯の尾根、 岩石の登山道は急登になってきます。
やがてガレた道に変わっていきます。 ここも火山でした。
ここから足場が悪くなり急登。 正念場です。
沓形コースとの分岐です。 山頂までもう少しのはずですが ガス+強風はやまない。
* 沓形の登山口は5合目にあり、 北麓キャンプ場より1時間短縮できますが 崩落した箇所があり断念しました。ガレの登山道からザレた急登になってきます。#59124; 部分的に補強はされていますが 小石の溶岩がザレて滑ります。
登山者が多いんで、 もろい山頂部分が崩れ削られて 背丈以上の深い溝になってしまっているという悪循環。
ザレた赤褐色の急な登りは、ロープが一部ありますが 登りにくく時間かかかってしまいました。
崩れた溝の急坂を登りきると 視界が開けた。
そして 山頂が見えました。
鞍部を下り、 最後の登りだ。
利尻山 山頂です。 登山口から約5時間。
ようやく 来れました、 登れました。 #59120; 北の最果ての島 利尻山の山頂です。
利尻神社の祠が 登頂記念のポイント。
山頂には10名ほど、道外の方がほとんどのようです。 周りの方と登頂の喜びを分かち合います。
青空が見えてきました。 天気も徐々に穏かになってきました。
利尻山では中腹が雲っていても、 山頂で晴れてくることがよくあるそうです。
大海原。 東岸越しには 宗谷半島。
洋上から眺める均整のとれた姿の利尻富士もいいが、 山頂から宗谷岬を眺め返すのも感慨。
島の北部と礼文島。
天空の眺めだ! これぞ利尻山!
どこまでも広がる空、 果てしない地平線と海。 この碧さは目に沁みる、 そして心にまで染み入ります。
洋上の独立峰だからこその天空感! こんな素晴らしい山が日本にあったのだ!
屋久島の深部にある宮之浦岳も素晴らしいが、 この利尻富士からの眺めは他の山では味わえない。
山頂の東側は大きく切れて尾根と沢。 鬼脇尾根が鬼脇コース。 利尻富士町、私の泊まっている宿の近くまで下りますが、 現在は通行禁止になっています。
広大な深い森林が壮観です。
南峰とローソク岩。 南峰は標高1,721Mで北峰は1,719Mと 2Mだけ高いんですが 崩落箇所があり立入禁止ですので、 北峰がピークハントとしての山頂です。
鞍部までは行けないことはないですが、その先はもろく危険です。
利尻山。 これが最初で最後の機会になるかもしれません。
名残り惜しいんですが 下山です。
* 上りでは視界に恵まれませんでしたので、 撮れなかった風景をカメラに収めました。下りは視界がクリアになりそうです。 鴛泊まで続く下りの眺めは壮観。
利尻から下る稜線、 原生林、 大海原 の向こうは宗谷半島。 空が澄んだ時はサハリンまで見えるそうです。
山頂では雲でくっきりとしなかった西海岸。 沓形の集落 と 沓形港。 最初は沓形の五合目から 沓形稜(写真の下部の尾根)を登る予定でした。
日本海の向こうはユーラシア。 壮大なスケールの眺め。
礼文島を望む清々しい風景、 でも足もとは 荒廃した登山道。 痛々しい。
地元の方によると、 これ以上の荒廃を食い止めるために、屋久島のように入山制限するか、 長官山か9合目を登頂の上限にするという案も一部で出ているようです。
朝はガスって見えなかった山頂。 こうして見ると上部は険しい山だ。
長官山の稜線と鴛泊を切り取る。 避難小屋~長官山~第二展望台。
望遠レンズは重くても持ってくるべきと、やや後悔。
下りは、休憩を小刻みにとります。 振り返ると眩しい陽射し。
草紅葉の尾根。 急がず ゆっくりと景観を楽しんで下ります。
ここも丸太階段で補強。
利尻山の西尾根 沓形稜、 険しそうな尾根。 中~上級コースと云われます。
避難小屋へ下って 長官山へ少し登り返します。
8合目、 長官山からの利尻山。 最高のビューポイント、#59009;ベストショットポジションです。
海の地平線から 島の海岸線、 山麓の森、 稜線から山頂にいたるまで。
ミラーレスの標準ズームでは表現しきれません。 余力のある方は是非 一眼と超広角、望遠レンズを。
長官山の碑。 当時の北海道長官は健脚だった?
登山道からの利尻山頂はここで見納めです。 長官山からは海を眺めながら下りです。
埼玉から来られた方、途中で出会った 三重県の山ガール の方と 談笑しながら 下りました。
(道中楽しかったです。 ありがとうございました。)
鴛泊港を切り取ります。 中央がフェリーターミナル。
5合目からは原生林のなかを登山口へ。
15時20分過ぎ、 北麓キャンプ場に到着。
素晴らしい山旅となりました。 #59120;
最難関と云われる幌尻岳を登り終えた時はほっと安堵しましたが、 ここ利尻岳は爽やかな充実感と云いようもない心地よさに包まれました。
今まで登った百名山、 甲乙をつけ難いですが間違いなくTOP3に入ります。(天気の良い日に登ってください。)
下山後、 鴛泊の利尻富士温泉にゆっくりと浸かりました。 露天風呂で島の方とお話し、いろいろと教えて戴きました。 そんな情報も文中に入れさせていただきました。
鴛泊港で 利尻のお土産をゲットし 鬼脇の宿へ。 やはり、利尻コンブははずせません。
二日目も、新鮮な海産物の料理は飽くことがない。 お酒もすすんだ。
いい一日が過ごせたことに感謝。