この日の麓の気温は30度近い暑い日でした。小袖登山口を6:20出発。平日でしたが秋の雲取山にしては人出もかなり少ない感じでした。
山頂避難小屋へは11時過ぎに到着、往路は4時間50分かかりました。今迄4時間近くで登れたこともあるし、5時間くらいかかったこともあります。天候状況によっても左右されます。自分の体力が下り坂にあることを考えれば、こんなもんだろうとこの時点では思っていました。
富士山も黒富士でしたが、よく見とおすことが出来ました。奥秩父も、石尾根からは南アルプスの甲斐駒ヶ岳から聖白根三山、悪沢岳、赤石岳、聖岳までも見れました。夏のような暑さでしたが、秋空です。
いつも通り避難小屋のベンチでランチをとりましたが、この日の食欲はイマイチ。登りで発汗しているのに水分をとろうとする欲求がない。これが変調の兆しだったんでしょう。
小屋からは変わらぬ風景ですが、コロナ感染対策で避難小屋の使用は禁止となっていました。怪我をしてしまったとか下山が遅れてしまったという緊急避難は多分許されると思いますが、宿泊場所として使用禁止は已む得ないでしょう。
50分ほど休憩して、12時過ぎに下山を開始しました。
小雲取山付近からの飛竜山。右は奥秩父の山々、左は南アルプスが遠望できます。
小雲取山、今まで素通りしてきましたが山頂標識があります。23回目にして初めての小雲取山への「登頂」です。
奥多摩小屋跡への下りでは、少し紅葉が進んでいました。10月5日
ブナ坂までの下りはいつも通りのペース。
七ツ石下手前の巻道の水場で喉を潤し補水、実はこの水場で補水したのは初めてです。暑い日なので十分に水分をとらなければまずいと感じました。いつもは七ツ石下までノンストップで下るんですが、この日は巻道で2回ほど休みましたが、これも初めて。
七ツ石下からの下りがいつもより堪えます。体調の変化はこのあたりから徐々に出始めました。
堂所からは緩斜面の道ですが、脚が思うように進まない、あくびがでる、それほど重いザックではないがショルダーハーネスが肩に食い込んで痛い、今までの雲取山山行でこんな経験はない。登山口を出てから約8時間くらい経っています。
堂所から少し下った水場のあたりからは、疲労感というか倦怠感がより顕在化。 このあたりからの下りは「滑落事故多発」区間ですのですが、幸いにも場数を踏んで熟知していたことでした。 とにかく休憩を繰り返しながらゆっくり歩きました。 水分を頻繁にとるようにしますが時既に遅し。 体の芯から出るようなあくびと倦怠感、意識が幾分虚ろな感じ・・・典型的な熱中症の症状です。 ここ最近は、山を登っていても以前ほど水分をとらなくなったように思います。水分は今まで通りのペースで摂取する必要があるはずですが、それほど水を渇望しない。 水分を欲するセンサーが退化し機能していないかもしれません。 情けないですが、これがAging(老化)ということなんでしょう。 井戸跡から登山口までの最後の区間は特にキツかったのですが、ゆっくりと下り無事下山出来ました。
登山口に帰着したのは15:40過ぎ。復路は3時間40分、総行動時間は9時間20分。タイム自体は極端に悪い訳ではなく許容範囲でしょうが、それよりも最後の下りで大バテしたことです。 前回は約1年前、昨年の11月に登ったんですがわりと良いペースで歩けたので今年も行けるだろうとトライしましたが・・・今回は散々でした。
駐車場でたっぷり水に浸したタオルで頭を冷やし、麦茶をたっぷり飲んで車の中でしばらく横になって休んでいたら、幸いにも気分はよくなり回復しました。
いままでコンディションがよくない体調で登ったことは幾度もありますが、やはり暑い日にもかかわらず往路(上り)で水分を十分とらなかったことが原因で熱中症に陥ったんでしょう。 私の体内センサーが機能していないというか、劣化したこと。これに気づかなかったことが不覚です。 より体内吸収しやすい補水ドリンクで早めに水分をとることにしたいと思います。でも、基本的には・・・
標高差1,300m、歩行距離22KM以上に及ぶロングコースの「雲取山日帰り登山」は現在の自分の限界を越えていることを悟りました。顧みれば今夏の火打でも大バテ、やはりもう歳なんですね。#59123;「雲取山日帰り登山」を続けることが出来るレベルの体力・脚力は持ち合わせていなかったのでしょう。これって「過猶不及」なりですね。
雲取山が最も身近な百名山で、「山歩き力」のベンチマークでした。そして毎年日帰り登山が出来たことが私の百名山歩きを支え続けてくれたことには感謝しています。でも雲取山は私にとってベンチマークとなり得なくなった。この現実に向き合って山歩きを楽しく続けられれば と願っています。
これからは雲取山は登る山から眺める山になるでしょう。
でも、23回も登れたことはとっても幸せです。
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追: 昨日は中信の鉢伏山を歩いてきました。山中はちょうど紅葉が見ごろでした。 ↓ 麓から登ってみましたが登りのコースタイムで3時間20分でした。これからはこの程度を上限した山歩きを楽しむことができればと思っています。(下の写真は鉢伏山への尾根での紅葉です。雲取山と誤解されるかもしれませんので追記しておきます)