この日は朝方雨でしたが、雨も9時頃上がりました。カンダーシュテークでの行動できる日は本日と翌日ですが、最後の日は片付けを含め予備としておきたいのでこの日が山歩き出来る最後の日。当地での最大の見どころエッシネンゼーOeschinenseeへ出かけました。
エッシネンゼーへのゴンドラ山麓駅まではヒュッテから徒歩で15分くらいです。
途中には石造りの教会もあり、散歩コースとしても楽します。
エッシネンゼーへのゴンドラ駅前、日曜日で多くの車が駐車し、観光客も多いようです。それでも多連式のゴンドラなので待ち時間はなく搭乗できました。エッシネンゼーにも雲が覆われているようで気懸かりです。
エッシネン駅の地図。標高1682M、ここから黄色の矢印の順に歩く予定です。断崖の上部を辿って谷を下る中級コース。表示コースタイムは3時間ですが、4時間半くらいみておいた方が安全。初級レベルから中級へ難度が上がるほど、余裕のマージンをとったほうがいいです。
ゴンドラ駅には売店・レストラン、その隣に牛舎。観光客向けに放牧されています。遅出となりましたが11時前にスタート。
ほどなく分岐。真っ直ぐ進めばエッシネンゼーの湖畔に下る道 No.5、ほとんどの観光客・ハイカーはこの道を進みます。曇ってガスってますが、私どもは左(北側)の山道(Mountain Trail No.8)を登っていきます。
マツムシソウ? ベルナーオーバーラントではどこの山でもほぼ同じ種類の花がみられます。
標高を上げていくとエッシネンゼーと手前のレーゲルLaegerにあるバーグハウスが視界に入ります。時間が十分撮れない方や上り下りしたくない方はバーグハウス前からの眺めでも楽しめるでしょう。
アルプスの山々に囲まれた神秘的な世界遺産の湖と云われていますが、残念ながら湖面を取り巻く3千M峰は雲に覆われています。
山の斜面をトラバースして登って行く道、登りにつれて険しくなる中級コースのトレイルが続きます。
ひとつ前の写真の右奥から回り込むと断崖に刻まれたトレイル、スリル満点でした。一息ついたところから振り返って撮った写真です。
ヒューベルグHeubergの見晴らし台 標高1941M。雲の切れ間からのエッシネンゼーが時折見えます。ガスって神秘感は深まりますが、晴れていれば絶景ポイントです。12時前ですがここでランチタイム休憩。
ゴルジェに咲く花々。
ゴルジェを抜けた先にも花畑が続きます。晴れていれば別世界のような素晴らしい展望が見られるはずですが・・・
湖の北東側、ベルグリBergliを流れる川が見えてきました。草原が続き、花々が途絶えることなく咲いています、
アベウィードから見下ろしたオーバーベルグリ小屋。
雲の下に湖の東側が見えてきました。
オーバーベルグリOberbergli 標高1978M、ここがほぼ行程の中間点、13時20分と約2時間25分かかりました。バーグハウスがありますので、食事休憩もできます。
ここからエッシネンゼーへ下ります。
エッシネンゼーには薄日が射しだして、湖面がエメラルドブルーに映えています。氷河から融水で潤った谷には花がいっぱい咲いていました。
カンパネラ科の花
シレネブルガリス (シラタマソウ?)
ナデシコ科の花
断層がむき出しになった断崖の間を下る道。
道幅も広く整備されてオーバーベルグリまで往復するハイカーも多いようです。
断崖のわきにさくナデシコ?
崖の上から流れる幾筋もの滝、迫力あり。
山から流れるままの川、手が加えられていない自然のままの風景は素晴らしいです。
歩いたトレイルは断崖の上に在ります。細く切れた滑りやすいところもある中級コースなので、すくなくとも軽登山靴は必要と思います。
エッシネンゼーの東に下ってきました。左はロートホルン下の断崖、斜めに登るフリュンデンシュヌールと呼ばれる断崖回廊があるようです。
湖へ流れ込むせせらぎが心地よいです。
幾分か青空が増えてきました。たぶん、中央の山がドルデンホルン3,638M 左がフリュンデンホルン3,369M
ドルデンホルンをズームアップ
エッシネンゼー沿いの道にはいろんな花が咲いていました。
エッシネンゼーの湖面に映える花
セントレア
湖畔の草原に咲く花々はいちめんに続いています。そして、湖面のエメラルドブルーに惹きつけられます。
左のブリュームリザルプホルン3,663M、エッシネンゼーを取り巻く高峰群のなかでも最高峰の山。そして、ヒュッテのトップライト(天窓)から見えた山です。
前掲したフリュンデンホルンとドルデンホルン、徐々に雲がとれてきました。
残雪の高峰群とエメラルドブルーに輝くエッシネンゼー、終盤になんとか見ることが出来ました。
オーバーハングの岩下が日陰の休憩地となっています。
湖畔に下るコースもありましたが、観光客が多そうなのでレーガーに向かう山道を登って戻ることにしました。
レーゲルからのエッシネンゼー、ここで最後の見納めです。
エッシネン駅近くからののどかなアルプス風景。奥の山はバルムホルン(中央)、ドルデンホルン(左)、その間にある深い谷が前日訪れたガステルン谷です。
この日歩いたトレイルのログ、なぜか湖畔の部分が飛んでます。 エッシネン駅へは15:35に戻りました。行動時間は約4時間40分、ランチタイムを除くと約4時間10分 自然の山々を眺め花々を見ながら歩く、ちょうどいい程々の距離と時間でした。
カンダー谷を隔てた西側の山並み。カンダーシュテークはまわりが山、ヤマ、やま・・です。
すっきりした天気ではありませんでしたが、ガスってややフェードアウトした眺めも神秘感でした。そして、未知のトレイルを歩きながら大自然の壮大さと花々にふれることが出来、別世界のようでした。これぞ日常からの脱却、旅の楽しみのひとつなんだと今回つくづく実感しました。