越後駒ヶ岳への登山ルートは数か所あるが
一般向けコースである枝折(しおり)峠からの登りコースタイムは
■ 登山者の間でもっともポピュラーな山と高原地図(昭文社)では:
上り 6時間20分 下り 4時間50分 往復11時間10分#59122;
■ 山渓の地図では
上り 5時間10分 下り 3時間55分 往復 9時間 5分上りで1時間10分、下りで55分、 往復で2時間5分もの差がある。
11時間の歩行では、日帰りは極めて難しい。
9時間ならコースタイム通り歩けばなんとか日帰りは可能である。
ガイドブック#59011;では:
枝折峠からのピストンでも「健脚者向け」
「正面に頂上を眺めながらの尾根道は予想外に歩行距離が長い。」
「日帰りには体力と時間がかかる山である。」
「場合によっては駒の小屋に泊まる一泊二泊をすすめる。」
と
なんとも手ごわそうな山である。
ヤマレコでの山行記録を見ると大半の方は(上り)4時間前後~5時間以内。
でもヤマレコメンバーは健脚者が圧倒的に多い。
中には往復6時間という超健脚の方も拝見します。
しかも、日中の気温は30℃以上、尾根でも25℃くらいと想定しておく必要がある。
暑さでくたばったら悲惨。 マンガチックで、ブログも書けないような展開になる。
前途に不安がよぎる山行である。
前日は昼寝し山行にそなえる。 #58974;関越道で新潟へ。
小出ICでおりて、 R352 → 奥只見シルバーライン経由で銀山平へ。 (道路損壊で迂回)
銀山平から枝折峠へ登り返し。(路肩が崩落しているので要注意)
この晩はブルームーンで山々のシルエットがくっきり。 満天の星空#59130;を眺めながら
夜半に枝折峠に到着。 すぐ眠りについた。#59137;
空が白くなったのを見はからって出発。 登山ポストに届を投函。
登山口を出る前に、最悪は小屋泊まりも想定。 念のため・・・
素泊のみの小屋なので、ガスコンロ、ラーメン、ヒートシートを加えてザックに詰めた。
水場は小屋にあるので、 500ML X 3本、 サプリメントのジェルを2個、 最低限に留めた。
いきなり尾根に上がると、南に荒沢岳。 進む稜線の先には目指す越後駒ヶ岳。
程なく会津の山から御来光、 奥只見は雲海の下におおわれている。
30分ほどすると明神峠へ。 ここから越後駒頂上までの稜線が大まかに浮き上がる。#59122;
主稜線は左へ向かい道行山、そこから右に小倉山への吊尾根(風)。
小倉山から左に向かって前駒へ。 前駒から肩の小屋、その先が越後駒頂上。
延々と万里の長城のように続いている。 #59122;
遠くに頂上、その稜線にいくつかのピークを見ながら上っていくのは気分的に辛いものがある。#59124;
しかも、明神峠から下って 道行山に登りかえす。#59124;
道行山から小倉山へも下って、また登り返し。#59124;
この間、小さな登り返しもありキツイ。 でも往路なので余力はある。
昭文社地図でのコースタイムは小倉山まで3時間20分。
健脚登山者の方々に抜かれていく。 やはりここはツワモノのみに許された道なのか。
小倉山で時計をみると2時間を切っている。 あれ~。。。
やはり、地図に表示されているコースタイムは間違いなく変だ。
このペースだと早くつきそう?#59120;
小倉山からの尾根を少し下るが、 そこからは急登が続く。
百草の池から眺めると 前駒から下ってまた急坂を上り返すような感じに見えた。 気温も上がっている。
あそこでバテテ時間がかかりそうだという憂鬱感が覆ってきた。
でも、上り返しはなかった、錯覚だった。#59120;
前駒に上がると低樹林帯になり稜線の先に駒の小屋のアンテナが見える。
小屋への登りは岩場が続くが、やさしい部類である。
アンテナが近づき、岩場を登りきると駒の小屋。 9時過ぎだ、 ここまで4時間弱。
小屋の管理人の方が、「お疲れ様でした」とのぼってくる登山者を出迎え。
健脚登山者は既に小屋前広場で休憩し、頂上に向かおうとしています。
登山者の皆さんに、「もう20分程度で山頂です。 水だけ持っていけばいいですよ。」
・・・ 等々案内されていました。
私もボトル一本とカメラを入れたウエストポーチだけで駒の頂上に向かいます。
最後の登りもキツイが 涼風が心地よい。
中岳分岐に出ると、八海山と魚沼の平野が視界に。 北のピークが越後駒ヶ岳頂上。
9時半、登頂2,002M。#59120;
NO.51北の日本海側はガスっているものの、それ以外はパノラマ眺望です。← 写真を右クリックし新しいタブで開けば拡大写真がみれます。
東は上ってきた長い稜線。 実際の距離以上に長く見える尾根。
奥只見湖、 会津駒がぼんやり、 右に燧ケ岳。 さらに
平ヶ岳。
名のとおり平ぺったい山。 越後駒よりももっと距離があり、時間がかかる山。
しかも日帰りでも最難関の山のひとつ。 (”
皇太子ルート”は例外)
玄人好みの山域といわれるが、 小屋もトイレもない最悪の百名山と評する人もいる。
やはり視線は平が岳へいってしまう。
(現在、平が岳への道路も復旧工事で通行止めのようです。 )
南の稜線の先は中岳。 さらに右に目をやると残雪の5月末に登った
巻機山。
西面はなんといっても岩峰の
八海山に圧倒される。 登ってみたい山です。 そして米穀倉地、魚沼平野。
魚沼コシヒカリ、 そのおいしい米と水でつくられる清酒”八海山”が思い起されます。
ピークハンターはすぐ折り返されるようですが、私は山頂でのんびりされている方々と雑談。
やはり、コースタイムが話題になりました。 みなさん同様におかしいと。。。。。
雲も出てきたので、駒の小屋へ降りていきます。
帰路の水補給。 ところが小屋の水は涸れてました。 直下の水場も淀んで流れていません。
やむなく緊急用に1本分、汲んでおきました。
上りで2本飲み干し、1本しか残っていません。 この暑さのなかではいささか不安。
(ガスコンロで煮沸消毒して使うのも手ですが ・・・・・)
次の通行規制解除時間は15~15:30。 それまでに登山口の枝折峠に戻らなければなりません。
少し余裕をみて11時過ぎに下山開始しました。
上りのペースから勘案すると3時間以内には確実に峠に着くとみましたが、この下りは想像以上にやっかいでした。 そんなに甘くはなかった。#59124;
日中で気温が上がって、風はなくサウナ尾根。 写真でお分かりのように、空がよどんでいます。
小倉山までは順調なペース。 駒の小屋からほぼ同時期に下った他のソロ3名の方がそれぞれ先行されましたが、 道行山で合流し休憩。
疲れがでてくる下りでの#59000;#59030;#59000;#59030;#59000;#59030;は堪えます。
皆さん一様に、
「この下り、アップダウンはキツイ。 思ったより時間がかかる。」 #59124;
とにかく暑い尾根、日差しがつよい。#59142;#59142;#59142; 駐車場に戻った時はエアコン#58947;をガンガン!
結局小屋から3時間15分かかりました。 他の方も3時間ほどかかったとのことです。
ペットの水も飲み干し、最後は緊急用の淀んだ水でのどを潤しながら下山する羽目#59123;になりました。
やはり侮れない山です。 いき絶え絶えで登山口に戻るほど
ではなかったのは幸いでした。
試練を与えてくれる山にも感謝です。 山渓の地図 上り 5時間10分 下り 3時間55分 計 9時間5分はほぼ妥当の範囲だが、
昭文社地図の往復11時間10分は、どうみても標準タイムとしてはおかしい。(私見ですが)
毎年改定されているが、修正はないようである。 定評のある地図だけに、おかしい???***
帰りは銀山平の白銀の湯#59127;に浸かって、帰路につきました。
***追記: 地図のあとがきをみると、執筆は”越後三山岳友会”となっています。 最後の大改訂が2003年とチョット時間がたってます。 ”コースタイムについては余裕を持った設定となっている”と記されていました。 余裕をとりすぎのタイムと感じました。 (笑)
■ こんな暑い時期に上らないでください。 疲れた下山時のアップダウンはことさら堪えます。#59124;
■ ここは残雪の残る7月初旬か9月後半が登山適期と思います。
■ コースタイムの見方は私見です。 早く歩けたら、儲けモノと思われたほうがいいでしょう。
■ 残雪が少なくなると、水場が涸れます。 アテが外れたら悲惨。 水は補給できない前提が正解です。
参考まで: 私のコースタイム
#59000;枝折峠5:10 明神峠5:40 道行山6:30 小倉山7:05 百草の池7:47
前駒8:30 9:04駒の小屋9:10 9:30越後駒頂上 【上り 休憩含め4時間20分】
#59030;越後駒頂上10:10 10:30駒の小屋11:02 小倉山12:06 12:40道行山12:45 13:45明神峠13:50
枝折峠14:15 【下り(駒の小屋のランチ休憩を除く)休憩含め約3時間35分】