3月2日#58942; 東日原の駐車場#58974;に8時過ぎに到着。 実は雲取山に行こうと思っていたのですが、#58947;風が強いとの予報。 ブナ坂からの吹きさらしの石尾根は間違いなく強風だろうと察し、急遽三ツドッケ(天目山1.576M)に変更。
標高差約1,000M、標準登りコースタイム2:40 ヨコスズ尾根を登ります。 8:40に出発。
登山口から標高1,100Mくらいまで樹林におおわれた登山道はずっと#59000;急登が続きます。
1時間ほどすると少し青空が見えて開放感があります。 尾根の東を巻いた登山道を進みます。
雪はほどんどありませんが、ところどころ登山道が凍結、急斜面の痩せたところもあり気が抜けません。
一杯水避難小屋までは比較的なだらかな道が続きます。 途中の痩せたコルでは強風。
三ツドッケが樹間から見えました。
避難小屋には丁度11時。 ここまではほぼコースタイム通り。
5分ほど休憩し、酉谷山へ向かう西側の道から三ツドッケに向かいました。
(避難小屋の右から直登コースがあったようですが、国土地理院の地図には表示なし。)
ここからが難関でした。 斜面の巻道は痩せて凍結。 すぐアイゼンを装着しましたが、4本爪なので場所によっては凍った部分を砕きながら進みます。 一歩一歩足元を確認しながら・・・・#59124;
最低6本爪アイゼンを持参ください。
天目山への最後の登りです。
頂上には11:55分。 直登コースタイムは25分なのでその倍かかってしまいました。
頂上は開けていました。
小さな頂上の真ん中の三角点の横に携帯ベンチで陣取っている方がお一人のみ。
一部北西が一番北のドッケで遮られている以外は全方位のパノラマビューです。#59120;
とくに三ノ木戸山から六つ石、鷹ノ巣、七つ石、雲取山へ続く石尾根の眺めは圧巻です。
頂上は意外に風もなく 私も南端に陣取りました。
昼過ぎなので、ガスって遠望は出来ないが、奥多摩を見渡す絶好のロケーション。
「ここの眺めは素晴らしいですね。」 とベンチに座っている方に声をかけると、
「ここの木を切ったのは私なんです。」 と興味深い話をしていただきました。
なんとこの方、天目山頂上の樹木を伐採してしまった方なのです。
*写真と記事掲載は口頭で許可戴きました。新聞記事にもなったし、ブログでも書かれたとのことです。
天目山を登った方なら存知の方もあるでしょうが、帰宅してから、調べてみました。
以前発行されたガイドブックにも書かれている。 「三角点付近は笹でおおわれ眺めはない。」
トップの写真の岩の上に立って覗きこむように見ても、かろうじて南面の一部が見えただけであったようです。
この話、新聞記事にもなったようです。
共同通信のニュースには
『「見晴らしよくしたい」国立公園の木を無断伐採』
国立公園内のヒノキなどを無許可で伐採したとして警視庁青梅署は13日、自然公園法違反の疑いで、東京都羽村市の無職の男(64)を書類送検した。男は「山が好きで、木を切って見晴らしをよくしたかった」と話しているという。調べでは、男は2005年11月から昨年11月までの間、東京都奥多摩町の秩父多摩甲斐国立公園内の天目山頂上付近で、東京都所有のヒノキなど48本を許可なく伐採した疑い。男は昨年11月、登山客から「木の無許可伐採は悪いこと」と言われ、木を管理していた都水道局の水源管理事務所に自ら申告した。国立公園の木の伐採には、環境大臣の許可が必要で、水源管理事務所が青梅署に被害届を出していた。2007/04/13 09:46 共同通信
本人曰く、「埼玉県営林所所有の木を170本ほど伐採。 申告し損賠賠償として2万7千円を支払った。 東京都側は少ないので少額と思っていたが、20万円以上の賠償請求があり 合計で30万円ほど支払いました。」 とのことです。 「伐採はよくないが、このような素晴らしい眺望があるのに、そのままにしておくのは忍びない。」
「見てくださいこの眺め、30万円でこの眺めを買えるんだったら安いもんでしょう。」 と熱く~語ってくれました。(景色をお金で買ったということように誤解されない様にお願いいたします。 ご本人の名誉のために付記して置きます。 この眺望を見たかったのが本意です。 追記: 30万円支払ったのは結果論で、お金で景色を買おうとした訳ではない。 コメントされる以上はよく読んでからお願いいたします。)
そして、西端に見えるかなたの十文字山から甲武信・・・・反時計回りに秩父の武甲山まで、ガスってみえない遠くの峰々をひとつひとつ教えていただきました。
「雲取山荘の赤い屋根も見えるんですよ。 ・・・ 鷹ノ巣山の左手には富士山・・・」ともうすべての山が脳裏に刻まれているのでしょう。 この日は富士山はガスってほとんど見えませんが、彼の視線の彼方にはすべてが見えるんでしょう。
天目山からの眺めを慈しむように・・・・
新しい景色が視界に入ってくる。 山好きなら、そのシーンが広がっていくのはきっと快感でしょう。
いろんな記事や書き込みをみても、ネガティブなコメントはほとんどない。
彼は損害賠償を認めて支払ったのである。
いまさらその是非を云々するのは無粋なことのように思う。
伐採の是非はさておき、訪れた多くの登山者はこんな眺望に感動#59120;すると思います。
先に下山されましたが、別れ際に「どうもご苦労様でした、この景色ありがとうございます。」
と何気なく口に出てしまいました。 (笑)
付記: この方、今はノコギリの代わりに携帯スコップをもって、崩れた登山道を修復されているとのこと。 罪滅ぼしか? (笑)
とにかくこのパノラマビュー、奥多摩では270°のアングルは奥多摩随一と思います。
***パノラマモードで撮ったので、横の画像は圧縮されています。武甲山~大岳山
御前山~白岩山
伐採オジサンとの話もはずみかなり時間が経ってしまい、ようやく食事。
カップ蕎麦を食べていたら若者?が私と同じ西側から登ってきました。
「西側からはキビシイですね。」 彼も手こずったようでした。
これから、蕎麦粒山から鳩ノ巣までのロングコースを下るとのこと。 健脚ですね。
食事を終えたらもう1時過ぎです。
帰りは南側へ下りて行きましたが、避難小屋に下りる分岐を見落としたようです。
GPSで確認すると蕎麦粒山へのルートに入ってしまいました。 この日は失態が続いてしまいました。
この時期のこのコースは結構厳しいと思います。 気を抜いたり、誤って滑ったら谷底まで滑落です。
「東京都江戸川区の方が昨年10月にこの山域で遭難、見つけた方は奥多摩署まで連絡ください。」なる主旨の登山口にあった掲示板を目にして、奥多摩署の山岳パトロールの方が「何回も捜索したのだが、まだ見つからない。」 と語っていたことを思いだしました。
空気が澄んだ12月頃に、また登ってみたいですね。
避難小屋に泊まって、朝日に輝く石尾根をみたい。
出来ればコンデジでなく、一眼と三脚、広角レンズをもって。