この日は夕刻の高速船で鹿児島へ移動のスケジュール。
それまで、屋久島でのフリータイム。(もともとは登山の予備日でした。)
屋久杉自然館へ向かう途中、景観が良いと云われる松峰大橋に立ち寄り。
V字渓谷を流れる川は安房川(下流)。
上流の景観。 とんがった山は明星岳? なかなかいい展望スポットです。
秋の紅葉は絶景を想像するかも知れませんが、ここは常緑照葉樹の森でl紅葉にはならないようです。
屋久杉自然館では 屋久島のハイライトが展示物やビデオで見れるようになっています。
本来、ここに最初に立ち寄って屋久島を知れば どのように楽しむのか参考となります。 もし行動初日の天気が悪ければ、ここを訪れてもいいかもしれません。
自然館へ入る道路沿いには荒川登山口に向かう登山客用の大駐車場があり、ここでバスに乗り換えることになります。 連休の谷間の平日にもかかわらず、駐車場はかなり埋まっていました。 これじゃ、乗り入れ禁止もやむ得ないと思いました。 ほとんどの方は縄文杉までの往復でしょう。
隣接して屋久島自然世界遺産センターがあります。 世界遺産の概要を情報発信する環境庁の所轄ですが 自然館の内容と被っています。
ホームページを見れば大よその内容は把握できますが、縄文杉を訪れる方は快適登山日カレンダーなるものが掲載されていますので一見を。 また屋久島の混雑度がわかります。
今回日程上、縄文杉コースに行けれませんでした。 もしもう一度機会があるのなら訪れたいと思いますが、ピークには一日千人近く縄文杉まで往復するのを知って、複雑な思いが交錯。 片道4~5時間はかかるので縄文杉展望台につく間は10時~1時までの3時間、 超過密で渋滞になるのは容易に察せられる。屋久スギの土埋木。 標高1,100Mで発見されたもの、樹齢は約2千年と推定。 屋久杉は樹脂分が多く長期間腐らず 土やコケに埋もれて残っていたとのこと。
切出され橋として使われた旧天中橋が自然館の入り口に展示されています。
このあたりは亜熱帯の植生、見たこともない大きなシダ。 ジュラシックパークに出てくるようなシダです。
屋久島自然館だけで売っている軽量ステンレスのカップと本を記念に買いました。
自然館から白谷雲水峡に向かいます。 宮之浦から12KM 標高約600M。
白谷雲水峡の入り口。 いろんなコースがありますが数時間あればハイライトは見てまわれます。
このあたりが屋久島のなかでも、特に降水量が多い地域です。
黒潮にのった暖気が屋久島の山岳地帯にぶつかって雲が発生し、大量の雨を降らせる。
また湿度は麓でもほとんど70%以上、このあたりは更に高く 特有の植生を育んだと云われています。
直ぐに憩いの大岩を超えて、白谷川の右を登っていく。 前日の宮之浦岳の縦走路にあった数々の巨岩は花崗岩で 長年大雨で浸食され 特異な形状をなしたものが多いようです。
飛流橋から 飛流落とし という滝をみて
さつき吊橋を渡り、 白谷川に沿った楠川歩道を登っていく。 ここから本格的登山道。
*楠川歩道は江戸時代に開かれ、杉の伐採・運びだしに使われた道です。歩道とは云うものの、 ハイキング感覚ではキツイ。 登山靴と雨具は必須だと思います。
屋久シカと出会う。 まだ可愛い小鹿、 親が近くにいたようです。
白谷川上流の支流を渡渉する。 *雨天では増水し注意が必要です。
くぐり杉。 樹脂分が多いんで 朽ちていませんね。
シカの宿を過ぎると 休憩スポット、 右手の道を進むと白谷小屋(営業小屋ではない)がある。
白谷小屋まえのシャクナゲ。
大きなザックを背負った登山者を見かけます。
ここから辻峠~トロッコ歩道~縄文杉を経て高塚小屋伯、翌日 宮之浦岳を登頂し 花之江河から淀川登山口へ下る。
このコースが、もっとも効率よく屋久島山岳のハイライトを巡ることが出来ますが、 前回の記事で述べたように小屋泊まり装備となります。 天候に恵まれれば、体力・脚力のある方はぜひこのコースをトライしてください。 淀川からの日帰り登山でも十分以上に感動の山旅となりました。 このコースはキツいでしょうが 得られる感動は言い尽くせないと思います。七本杉。 大樹、 ド迫力!
苔むす森に入りました。 苔がビッシリ!
多くの屋久杉がみられます。
このあたりは特に屋久杉の大樹や切り株の残骸が多く、 見ごたえあり。
*伐採はほとんどが江戸時代、痛々しいがコケで少しは癒されているのかな?
妖怪やモンスターが次から次へと登場。 薄暗くなったら不気味?
標高は900Mを越えもう少しで辻峠ですが、レンタカーの返却、お土産購入、乗船時刻を逆算するとこれ以上進むと時間がきつくなりますので 余裕をみてこのあたりで折り返すことにしました。
*先には太鼓岩と呼ばれる展望台があります。 晴天時なら山々の見晴らしがよいとのこと。もののけ姫の舞台イメージとなった森です。 このモスグリーンのコケ生した樹木や岩石の風景は圧巻。
自然の中に没入していくかの感覚。
神秘の森です。
自然の原生林の奥深さと美しさを十分味わうことが出来ました。
まだまだ見たいところが一杯あります。 名残惜しいのですが おさらば 屋久島、
楽しませてもらってありがとう。 またこれたらいいが ・・・・・
高速船ジェトフォイルからみた長崎鼻と 開聞岳。
海からそびえ立つ端正な薩摩富士、 翌日のハンティングピークだ。
追:
宿泊した安房の宿は朝食付きの民宿で、夕飯は外食です。
屋久島の食材はほとんどが島内でつくられているとのこと。
少しでも植生を保つために島外からものは出来るだけ持ち込まないようにしているのかな?
初日の夕飯はおすし屋さんで地魚握り。 トビウオと首折れサバが有名です。
前の晩は海岸沿いのレストランで名物トビウオのつけ丼と屋久うどんとのセット。
乗船前に遅いランチは親子丼。 店は少ないんですが、どこもおいしかったですよ。
体重はまったく減りませんでした。