10月9日 奥大日岳へ
- 二百名山
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朝6時10分、雷鳥荘を出発、雷鳥沢へ下ります。
雷鳥沢キャンプ場。ご覧の通り連休明けのキャンプ場は閑散としています。
稜線の鞍部から見える朝日を浴びた峰が本日のゴール、奥大日岳です。アップダウンの稜線が待ち受けている。
浄土橋を渡る。この浄土沢の水は称名川、称名滝に流れ込んでいます。
沢を渡ると分岐。真っ直ぐ新室堂乗越「大日方面」へ向かいます。右は「剱御前」へ、別山尾根から剱岳への登山道です。岩が大好きなお方はどうぞ右へ進んでください。
乗越へ向かう道にはまだ紅葉が見られます。ガレ場の急登が続く。
標高を上げると真砂岳の稜線から陽が射してきました。絶好の登山日和か。
7時過ぎ、大日尾根・新室堂乗越の稜線に上がる。南側には室堂と地獄谷から立ち昇る噴煙が見えます。大自然の息吹きは壮観です。
尾根の北側を見ると、別山の肩越しには剱岳・早月尾根。少し北には猫又山・釜谷山、雲海に浮かぶ山容はなかなかいいですね。
尾根を進み室堂乗越へ、朝食弁当を戴きます。ここでまったりと30分程過ごして8時前に再び大日尾根を登ります。
標高を上げて稜線を振り返ると、登ってきた稜線、別山から立山へと続く山なみ、雷鳥平と室堂平が見える。景色を遮ることのないこの尾根の稜線歩きが奥大日岳登山のハイライトです。
標高2,511Mのピークを越えると奥大日岳の山頂が見えます。稜線上のこんもりした小ピークのやや左です。カガミ谷乗越(上の写真の稜線鞍部)に下ってから再びやや急な登り、奥大日の南面をトラバースしていきます。パートナーの脚運びも快調で私がフォロー。
トラバース道からの天狗平と深く切れ込んだ称名谷。北アルプス南部の山が遠望できます。右は薬師岳、その右肩に見えるのが黒部五郎岳です。
登り切って尾根にでると登山道は北側のカガミ谷側を進みます。山頂はすぐ先です。
9時15分過ぎ、奥大日岳山頂(三角点)へ到着。久しぶりの二百名山登頂です。
雷鳥荘からの標準コースタイムは約3時間、朝食休憩を30分とったので上りはいいペースで登れました。
西側は大日岳と中大日岳(奥)、霞んではいますが日本海と富山平野が見れます。脚力のあるかたなら、西へ続く大日尾根を称名滝まで下ることも出来ます。
山頂からの北アルプス連山。
剱岳と早月尾根。剱御前からの眺めもいいですが、奥大日からの眺めもひけはとりません。
登山口の馬場島からの標高差は2,200M、北アルプス3大急登のひとつです。早月小屋までは淀みのない樹林帯の急登、小屋を超えると険路の岩場が連続ですので、日本では屈指の厳しい尾根と云われます。別山尾根ルートほど間断なくクサリが設置されていないし、獅子岩の回り込みは怖いです。私も3年前ここを登ったんですが、私が登ったなかでは一番キツイ尾根だと思いました。この尾根を眺めると厳しさと登り切った至福感が懐かしく思い出されます。
お見苦しい写真ですがコンデジで撮ったショットをカットして拡大、上部は小窓尾根、下が早月尾根。早月小屋(赤い屋根)はこんなところにあります。荷物が多いんで望遠ズームは車に置いてきてしまったのです。こんないい天気なら、持ってくるべきと後悔。(笑)
下の写真は2015年7月31日早朝、早月小屋から剱岳から向かう時に撮った奥大日岳です。。
残雪が残っていました。この時眺めた奥大日連山が印象的でいつか登ってみたいと思いました。場所的にも剱岳・立山や室堂平、弥陀ヶ原や称名谷が望める絶好のロケーションだろうと察しましたが、まさにその通りです。
大天井岳から槍ヶ岳、穂高岳。手前が赤牛岳への読売新道? 真ん中の尾根は五色が原に続く稜線? まだまだ未踏の峰が多くあります。
赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳と被ってます。右へ三俣蓮華岳、尖ったピークは笠ヶ岳、その間に小さく乗鞍岳。笠ヶ岳のひとつ前は黒部五郎岳への稜線ですが山頂は薬師岳に阻まれて見えません。
9:35下山開始、稜線を戻ります。右のピークが山頂三角点とは別の最高点です。人気の剱や立山方面と比べると往来はずっと少ないので静かな山歩きが楽しめます。
カガミ谷から雲が上がってきました。ひょっとしたら雷鳥に巡り合えるのかなと思いましたが雲は一瞬で退いてしまいました。天気が良すぎる!
室堂乗越への下り。立山の稜線から室堂、地獄谷、そして称名谷をまとめて眺められる絶好のポイントです。下りは急ぐなかれ! この稜線の眺めと歩きが奥大日岳登山の一番おいしいところ。前回3年前の立山三山縦走では時間配分を誤ってかろうじて最終バスに乗れた苦い経験があるが、今回は十分時間があります。
室堂乗越から剱岳を見納めて、分岐から雷鳥平に下ります。
地獄谷の登山道も見えますが、雷鳥沢ヒュッテ~みくりが池温泉のショートカットルートは火山ガスのためずっと通行禁止になっています。
称名川の峡谷、水の色と谷の紅葉が綺麗です。
雷鳥沢への下り。草紅葉がまだ見られました。
ナナカマドの紅葉、ピークはやや過ぎてますが眩しい紅葉です。
浄土川を渡れば雷鳥沢キャンプ場です。
沢ではまだこんな紅葉が見られました。
12時過ぎに雷鳥沢キャンプ場に到着し小休憩。
雷鳥荘へ立ち寄りデポをお願いした荷物をザックへ収納しなおします。(ここはデポした荷物は山小屋と違って、フロントできちんと保管管理してくれるので安心です。対応もよく、また泊まってみてもいいと思う山宿です。)
雷鳥荘を後にして室堂ターミナルに向かいます。
天気予報通り、午後になったら天狗平やカガミ谷から雲が湧いてきました。
みくりが池に映る立山三山、久しぶりにスッキリした秋空での山歩きを堪能。いいリフレッシュになりました。
参考までに、下の写真は立山山頂からの奥大日岳と室堂平です。2015年9月20日撮影。
①室堂ターミナル、登山道は右へ②みくりが池、③エンマ台 ④リンドウ池 へ ⑤は地獄谷。さらに⑥雷鳥荘、⑦雷鳥沢キャンプ場 ⑧浄土沢(浄土橋)から稜線へ登ったところが⑨新室堂乗越、さらに左へ⑩室堂乗越、⑪▲2,511Mピーク ⑫カガミ谷乗越 ⑬奥大日岳山頂、⑭大日岳。下のルートラボの地図と合わせてみて戴ければわかるかもしれません。
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