今回一番登りたかったのは十勝岳でした。北の大地到着の翌朝、登山口のある望岳台へ向かいます。
宿泊先の美瑛から車で約30分で到着。10台余り駐車していましたが、この程度なら静かな歩きが出来そうです。日中は十勝連峰や富良野の眺めを楽しむ観光客も多いようですが、平日の早朝でもあり閑散としています。登山天気予報は晴れ時々曇りで日中の降水確率は0%です。
7時15分過ぎに出発。往路のコースタイムは約4時間05分、休憩も含め12時までに山頂へ到着すればいいという予定と心づもりで歩きだしました。
雲ノ平分岐では紅葉も進み初秋を感じさせますが、エゾオオヤマリンドウやシラタマノキといった花も見られます。分岐を進むとガスってきました。山頂方面は雲なのか、噴煙なのかガスっています。
ガスの切れ間から富良野岳が見えました。前回は登山口から山頂までガスに覆われて視界はほとんどありませんでした。向かう十勝岳山頂方面の視界はガスってます。この山とは相性が良くないのかなという不安がよぎりました。
1時間ほどで雲ノ平分岐に到着、標高1,260M。左は美瑛岳へ、右は十勝岳、山頂まで3.2KM。距離はそれほどないんですが・・・
火山礫に覆われた緩斜面の登山道を小屋に向かって登っていきます。
十勝岳避難小屋。7年前の下山時にはここで昼飯をとりました。寒さと強風を凌ぐにはありがたいですね。木造なので噴火時の避難には向かないようです。
避難小屋から沢をトラバースして昭和火口への尾根へ向かいます。このあたりの草紅葉が丁度見ごろでした。
尾根にとりつくと火山礫、ガレ場の急登が続きます。山頂直下を除けばここが一番キツイ登りです。
尾根の中間点あたりでガスが切れて青空のあいだから昭和火口縁の稜線が見えます。まだまだ、視界が晴れない尾根の上りは長く感じられます。前回は冷たい雨が吹き下ろすなか、時間は忘却 とにかくガレ場の脚下を見て登るだけでした。今回は風もそれほどなく穏やかです。
ようやく火口縁稜線が見えてきました。
雲ノ平分岐から約1時間半。昭和噴火口縁上にたどり着くと「十勝岳」標識方向へ進みます。
荒涼たる風景。緩斜面の上りが続く火口縁の登山道、ガスっています。西側のグランド火口側からは硫黄臭が吹き上げてきます。この火口縁の稜線は足元が温かいです。石を触ってみると、温まってます。火山の地熱でしょう。火山活動観測用の機器がところどころ、ケーブルも敷設されています。
グランド火口を覗いてみると大きなお鉢、噴煙がうっすらと見えます。
火口縁の平坦な稜線は砂礫ですが危険な箇所はありませんが、天候の悪い日は出来るだけマーカーに沿ってセンター歩いたほうが安心です。上空を見上げるとうっすらと青空が見れるところもあり、期待が持てそうです。
火口縁はグランド火口をやや右にカーブして進んでいくと斜度がましガレ場の登りになります。ガスった場合はここが「迷」場ですので、マーカーは絶対見逃さない様トレースしなければなりません。今回は十勝岳山頂がうっすらと見えるので問題はありません。前回は全く視界がなくGPSで場所と方位を確認しながら進みました。
雲が切れて山頂への稜線が見えました。でも一瞬でした。タイミングよくパチリ!
十勝岳山頂直下の鞍部に近づくと山頂が見えてきました。徐々に雲が薄くなってきます。
鞍部からの十勝岳。ここから山頂まではグリーンのロープが張られています。前回は視界がなく、雪混じりの強風で気温も零下のなかでの劣悪な環境での登山でした。マーカーを見逃さないよう、グリーンロープから離れない様必死で登っていったことを思い出しました。コース自体の難易度は中くらいですが、他の山域とはことなり北海道の山は天候が悪化すると一挙に難度がアップ。北海道の2千M級は北アルプスの3千M級に匹敵する気象条件と云われています。
山頂はもうすぐです。↑途中から見下ろした眺め。トラロープ沿いに岩石とザレた最後の急登を登ります。ちょっとキツイ~ 家内が先行。
十勝岳山頂。到着は丁度11時、登山口から3時間45分とコースタイム内で登ることができました。
今回のカメラはコンデジTG-4。軽快に登れたが、山頂からの眺めを見て・・後悔。
次回は十勝岳を下ります。