7月18日 カンダーシュテーク駅
この駅の南側からバレー州のゴッペンスタインまでの間でカートレインを運行しています。ベルン州とバレー州の間を行き来できる道はなく、西側からモンテレー・マルティニーからか、東側はグリムセル峠経由のアルプス越えしかありません。例えばインターラーケンからツェルマットまで車で行く場合はベルンから高速道路でモンテレー、マルティニーを通るという大回りするか、マイリンゲンからグリムゼル峠をぐねぐねした山岳道路を運転しなければなりません。カンダーシュテークでカートレインに乗ればローヌ谷側のゴッペンスタインまで約30分で抜けられます。ということで、このカンダーシュテーク駅はマイカーにとっては重要なショートカットとなっています。
ヒュッテをチェックアウト(セルフチェックアウト)しますが。この日は列車でチューリッヒ空港まで移動し、午後のフライトで帰国の途につきます。
SBBのチケットはハーフプライスカード(1ヶ月有効)を提示して数日前に駅で購入済みです。オンラインで指定列車を事前購入すればかなり格安(半額以下になる場合もあるスーパーセーバー)になるのですが、スーパーセーバーでの変更は不可(切符はパー)なので要注意です。スイスで個人旅行で移動する場合は、トラベルパスとハーフプライスカードは必須です。上手く組み合わせて使えば大幅に節約出来ます。
空港までの直通列車はありませんので乗換はベルンかシュピーツになりますが、ベルンでの面倒なプラットホーム移動と短い時間での乗継なのでシュピーツ乗換にしました。列車は予定通りカンダーシュテーク駅に到着。
シュピーツ駅までBLS鉄道に乗車。BLSの車輛は比較的モダンで余裕のあるレイアウトの座席で快適です。今回の旅でBLSには随分お世話になりました。
シュピーツ駅。反対側のプラットホームはインターラーケン行を待つ乗客です。
ここでの待ち時間は40分と長いですが、確実なコネクションです。列車はインターラーケンオスト始発のSBB、チューリッヒ空港駅まで乗換不要なインターシティー列車です。
多くの人は展望の良い2階席に乗車しますが、私どもは荷物置き場のある一階席に座りました。空席が多いようです。比較的治安がいいと云われるスイスでも列車内での盗難はあるので要注意です。
予定通りシュピーツから約1時間半でチューリッヒ空港駅に到着。出発3時間余前で空港カウンターでは既に搭乗手続きが開始、直ぐチェックインし搭乗券をもらいました。空港前のショッピングセンターで買い物をすませ、搭乗までラウンジで時間を過ごしました。
昨年は新型コロナのPCR検査陰性証明提示が搭乗の条件だったので、念のため3日前にチューリッヒに入りました。今年は制限も面倒な手続きもなく最終日に滞在地から空港へ直行する日程が組めたので、より有効に時間を使うことができました。
チューリッヒを離陸し、帰路もカタール航空でドハ乗継です。この区間は往路とおなじく中央列で尾翼に向かって着座する2名隣り合わせの座席、コンパートメントで機窓の眺めはありません。映画を見ながらワインを少々、あっという間に眠りに落ちました。せっかくの機内サービスがもったいないです。
ドハでの乗継時間は3時間弱、深夜の時間帯ですが、24時間稼働の眠らない空港です。今回のターミナル移動はシャトルです。カタール航空は最新鋭機を大量発注し路線を急拡大していますが、搭乗ゲートが不足。行きも帰りも駐機場までバス移動です。ラウンジやターミナル内は快適ですが、バスの乗降時のムッとした熱さ、砂漠の中東であることに気づかされます。
日本への帰国便はひたすら眠るだけ、食事もオンデマンド。到着2時間半前に食事をリクエストしておきましたのでキャビンアテンダントが起してくれました。モニターのナビゲーションマップを見ると中国上空、北京あたりのようでした。成田空港へは数十分遅れましたが無事到着、帰宅の途につきました。
モニターのフライトログを見るとチューリッヒ~ドハ~成田はL字ルート。最短のシベリア上空ルートが再開されるのはいつになるんでしょうね。大義 X 正義で始まった戦争も歳月の経過とともに泥沼化し、そのツケと代償の大きさに気づきます。
18日間の旅行でしたが、今まで訪れたことにない未知の山域・ルートがほとんどで新たな発見と感動がありました。今回もアパート・シャレーに滞在し、明日は何処へ行こうかという気ままな山旅、お天気にも恵まれて山歩きを存分に楽しむことが出来ました。旅行中のコンディションも上々で、気分もリフレッシュ。このような機会に恵まれたことに感謝したいです。
・・・・・夢から覚めて再び日常へ戻りました。
スローペースで長い連載になりましたが、今回で2023年スイス山旅記事の終わりとします。ご訪問、拝見戴いた皆様には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。