ご覧の方の中からは、そんなバカなことを と失笑を買うかもしれませんが、
実は一日2山は急に思い立った訳ではなく、可能かどうかを周到にシュミレーション(仮想検討)していました。
地図をコピーし、休憩時間を含めて、地点毎に予想時間と注意事項を書き込んでいけばよいのである。
最悪の場合のエスケープポイントをしっかり把握しておくことです。
条件が揃えば、皆さんが思うほど難しくはないのである。
マイカーがあれば、私のような、どちらかというとひ弱なハイカーでもできるのです。
必要なのはシュミレーションと思い切りだけです。 (笑)
吾妻・磐梯・安達太良の3山は一辺がほぼ20KMの三角形の長点にあり、
登山口から頂上までのアクセスは、ゴンドラ・リフトを使えば登山口から山頂までどの山も、ほぼ1時間半~2時間。
非積雪期での
コースタイム(歩行時間 上り+下り)とアクセスは:
西吾妻山 1:35+1:20 ロープウェイ+リフト(北望台)
磐梯山 2:05+1:40 八方台から徒歩
安達太良山 1:30+1:00 ゴンドラ(薬師岳)
以上の通り、長時間の歩行はないのである。
問題は、一日に2山を登る組み合わせである。
山頂への登る時間だけでなく、 如何に朝早く登山口を発てるかである。
夜間通行禁止規制でのゲートが開く時間、 ロープウェイ・ゴンドラの始発時間にもよる。
どの山も、最短ルートを使う以上、夜明けを待って登山口を発つことは不可能である。
道路ゲートが一番早く開く磐梯山+西吾妻か安達太良のどちらかをを組み合わせるしかない。
とはいうものの、一日1山で
三日3山の山行計画を立てていました。
翻意したのは前日の夜。
最終日の天気予報が曇りで下り坂。 更に、午後から夕刻の高速道(上り)渋滞情報が決断を促した。
この日、磐梯山から11時半までに下山すれば、 午後 安達太良山への連登が可能とみていた。
ところが、 積雪期の為か上りに時間がかかってしまい、下山は12時を回ってしまった。
とりあえず安達太良山へ移動しようと、ゴールドラインを下り、磐越道から東北道二本松から岳温泉へ。
無理はしない。 だめならもう一泊。
途中、安達太良SAで休憩。 ここでも、帰路に買うお土産を下見して時間ロス。
結局ゴンドラ駅に着いたのは14時過ぎ。
磐梯山の上りでは結構体力消耗、 さらに午後の気温上昇が気になる。
ここでパワーもない、健脚も持ち合わせていない私は即断した。 例のウルトラX(バツ)。
山の天気に確実はないが、
サブザックのみで駐車場をあとにした。
レインジャケット、 フリース、 水1.5L、 ヘッドライト、 ヒートシート、 軽アイゼン、 サプリメント、 GPS。
カメラはミラーレスとズームレンズは要らない! コンデジのみ携行。
※サブザックの場合は山小屋、駅等まで1時間程度で着ける範囲に留めています。ルートも携行品も手抜きですが、想定できることを織り込んで出発!
真似しないでください。 事故・遭難するとボロクソ!
こう見えても、用心深いんです。 シュミレーションは得意中の得意。 (笑)
でも、登山技術は伴っていないので、 自戒! 自戒! 自戒!
躊躇せず、文明の利器は利用します。(笑)
安達太良エクスプレス(ゴンドラ)に乗車し、 薬師岳(登山口)に立ったのは14時30分前。
ゴンドラ乗車時に、下りの最終は16:20と念を押された。
往復2:30と計算すると、もう間に合わないので 徒歩で下山は覚悟していました。
日没も6時半ごろだし、天気もこの日はいい。
日帰りできる条件はそろっているし、確信あり。
とにかく細心のセンサーを働かせなくては・・・
尾根から山頂への雪の稜線を辿っていきます。
下る登山者はあっても、登るのは私ひとりです。
今頃から登る人はいません。
登山道は雪解けで泥んこの場所も、小川になって通りにくいところも何か所かあります。
仙女平を上がってからは、少しは締まった雪なので、そのままアイゼンをつけず山頂まで。
稜線でも気温は25℃を超えていたかもしれません。 サブザックのみは大正解であったかも。
峰の辻入口あたりで、涼風に助けられます。
分岐から登りきると、山頂本嶺(乳首)が出現。
乳首へは左手からハシゴ、右手からはクサリ。
山頂到着は、15:50。
登頂記念写真を撮ります。
私だけで、乳首を独り占めです。 (笑)
安達太良山は丁度40座目の百名山となりました。
午後遅いので、ガスってはいますが吾妻連峰、
磐梯山、
中通り、 更には浜通り、かすかに太平洋が見えます。
そしてあの先には第一原発が・・・
素晴らしい山々、里には見頃の桜 美しい風景は一見なにも変わっていないのに。
なぜこんなになってしまったんだ。
そんな想いがふとよぎります。
ふだんより、短い頂上での滞在でしたが、
福島の山の眺望と雰囲気を味わうことができました。
乳首の裾に下りて、アイゼンを着けながら ひと思案。
そのまま薬師岳の駅へ戻るか、 峰の辻~勢至平ルートで下るか。
ここでゴンドラ駅へ電話。 「ゴンドラの最終に間に合いそうもない、
その場合の山頂駅経由ルートと
峰の辻~勢至平ルート、どちらが下りやすいか?」 お聞きしました。
時間は20分ほど余計にかかるが、後者のほうが下り易いとのアドバイス。
ガイドブックにも推奨してある後者のルート(約2時間)で即決。
さあ、下山だ!
峰の辻への雪道を下る。 くろがね小屋の宿泊者らしき親子が頂上に向かってました。(トップの写真)
な~るほど ・・・・・ ↓ ドキッ!
こんなふうに、道に雪が残っています。 踏抜きに注意しますが、たまにズボッ。
勢至平を17時過ぎに通過。
いつも以上に、慎重にくだります。
事故は下山時が大半。
なかなか楽しいルートです。 那須岳から下るルートに雰囲気が似ています。
安達太良エクスプレスの駅駐車場に着いたのは17:50。
まだ明るく、問題もなく無事下山できました。
※ 山行記録は
ヤマレコへ
このあと岳の湯(温泉)に浸かり、街でゆっくり食事。
途中、仮眠をとりながら、東北道で家路へ。
夜間なので渋滞もなく、スムースに帰宅できました。
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前日の吾妻山を含め、 この日の磐梯山、そして安達太良山。
天気にも恵まれ、雪山ハイクを楽しまさせていただきました。
ありがとう! 福島の山々。