河童橋から見た焼岳は、噴煙を上げ、荒々しい岩稜と亀裂で 潤いのない感じの山。
百名山であっても、 登山の対象とは考えていませんでした。
穂高を逆さに映した大正池の代表的な風景は、 焼岳噴火の産物でもある。
未だ活火山で噴煙を上げている。
たまたま、ある山行記事を目にし、興味をかき立てられた。
中の湯からのルートは日帰りも容易ですが、 陽のあたる南面ルートで夏は暑そうなイメージです。
残雪の今が意外な登山適期ではないかと思った。
梅雨入り宣言の前日、 天気は晴れの予報。 焼岳へ向かった。
登山口駐車場からは、穂高連峰が見えます。 天気はOKのようだ。
樹林帯の急登が続きます。 新緑の樹々から笹林に変わっていくにつれ、穏やかな登りになりました。
視界の開けたりんどう平から正面に焼岳、右手には前穂が。 そして下堀沢出合に立つと
*正面は焼岳南峰
上高地からみたイメージとは違った焼岳。 アルペンムード満点。
下堀沢出合から森林限界を越えた岩稜帯。 雪渓となった沢の左を登っていきます。
噴煙を上げる北峰が見えてきました。
登るにつれ、夏道は残雪で消失、 ところどころ〇がついた巨岩をマーカーに雪渓を登っていきます。
南峰は崩落の可能性もあり、立ち入り禁止。 崩落の音を耳にし、目を向けると小崩落。北峰直下へはトラバース気味に雪渓を登っていく。 硫黄の匂いが強くなってきます。
*下堀沢雪渓の上部、右は南峰から続く岩稜部、中央は乗鞍岳ここは、上の写真のように結構急斜面。(でもキックステップが十分効きますので、アイゼンは不要。)
上りきって巻き道をたどると、中尾峠ルートと合流する北峰直下に出ます。
音を立てて硫黄ガスを噴出する岩場、 その横のロープの岩稜をたどる。 最後の登りです。
頂上に上がってみると、360度のパノラマ。
↑ 北は奥穂~前穂への吊尾根、 中尾峠から西穂への尾根。 奥穂~槍ヶ岳、西鎌尾根へ続きます。
↑ 眼下には上高地。 その先は蝶ヶ岳。
ハイライトをズームアップ。
穂高のピーク群。 西穂もジャンダルムも、奥穂もなんとなく分かります。
そして、どこから見てもわかる槍ヶ岳。
槍から双六岳へ延びている西鎌尾根。 更に西へ目をやると抜戸岳~笠ヶ岳。↓
北峰山頂より、対峙する南峰の間に焼岳の火口湖を見下ろします。
下堀沢の雪渓を詰めたあとの、頂上からの展望の素晴らしさ、 自然の息ぶきを感じました。
たんなる赤茶色に焼けた山、 ”焼岳”という荒涼としたイメージとは違いました。
上高地からみる焼岳のイメージが今回の山行受けた印象に上書きされます。
頂上からの展望は、期待以上。 下堀沢の雪渓の眺めと登りも気分がいい。
外輪山と火口湖、 真近でみる硫黄ガスの噴出もリアルである。
焼岳は、生きている活火山。 ゴーゴーと音を立ててガスを噴出し噴煙となっています。
山の鼓動の余韻を感じながら 残雪の下堀沢を下っていきました。
焼岳は約百年前、大爆発。 最後の爆発は約50年前、それ以来大きな噴火、爆発は観測されていませんでした。
昨年3月11日の大震災以降、 各地の山で異変が観測されています。 この焼岳も例外ではないようです。
焼岳登山の2日後、折しもNHKスペシャル”
MEGAQUAKEⅡ”(第3回)という番組を目にした。
あまりにも生々しく、そのまま最後まで見入ってしまった。 山ノボラーにはチョット気になります。
再放送があるようです。(深夜のビデオ時間帯です)
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NHK スペシャル:
MEGA QUAKE "大変動期 最悪のシナリオに備えろ"
http://www.nhk.or.jp/special/megaquake2/schedule.html 再放送:6月17日(日) 01:20~02:35 ← 土曜深夜です。
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写真を含む山行記録は
ヤマレコに掲載してあります。。