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九州中央部の百名山の3山はいずれも標準コースタイム往復で4~5時間で登れる。
しかも、3山の登山口の距離は車で1時間~1.5時間程度。
当然、1日で2山は計算では登れるはずであるが、もう11月。 日の出が遅く、日の入りが早い。
行動時間も短くなる。 6時半~16時半が行動可能な時間帯である。 できれば、4時までに登山口に戻ること。
春の東北遠征では磐梯山と安達太良山の2山を1日で登ったが、安達太良山にはゴンドラという助けがあった。
阿蘇にもロープウェイがあるが、東駅からはずっと
運航休止になっている。
難度としては、磐梯山+安達太良山より高いかもしれない。
ダメなら、予定通り翌日に延ばせばいい、リスクは冒さない。
だから、 いつになく気合を入れて 早朝ヘッドランプまで点けて祖母山へ早出したのである。
(祖母山下山時刻のデッドラインを、 余裕を見て10時、遅くて10時半とした。)
予定通り、祖母山登山口には10時前に下山できた。 新たなプランを実行することに決めた。
祖母山北谷登山口からは#58974;渋滞もなく約1時間で 11時前に到着。
(この日は平日【金曜日】なので順調に移動できました。 週末であれば渋滞があり時間が読めません。)
阿蘇は昨年観光で西駅へ、 今回は阿蘇最高峰高岳へ向う反対側の仙酔峡登山口がベースである。
仙酔峡駅インフォメーションで高岳へ行くには右回りがいいか、左回りがいいか聞いてみた。
登山経験を聞かれた。 → 「いちおう、百名山は半分くらい登っているんだけど・・・」
案内所のオバちゃんは即座に
「まず高岳に登りなさい。」と云う。 ・・・・・後でわかった。(笑)
そして、「中岳から火口東駅の間は立入禁止」 となっている。 (風向きによって火山ガスが流出の為。)
「入るのは自己責任ですよ。」 と
親切に付け加えてくれました。 (笑)
11時23分に仙酔峡駅駐車場の東口(標高900M)から仙酔尾根に向かった。
青空だ、 仙酔尾根が延々と火口壁頂上へと続いている。
通称
「バカ尾根」 と呼ばれているらしい。
太陽も照り付け、草木もない溶岩石の登山道です。 夏だったら、日干しになる。
中間点を過ぎ振り返ると、阿蘇のカルデラ、 その先にはかすかに九重連山。
高度を上げるにつれ 左右が切り立っている溶岩の岩場・ガレ場が続きます。
登りにくい溶岩の岩場と云われますが、 溶岩石は地面に張り付き登りやすい、 でも結構急坂。
左手には九州のクライマーの修業場、鷲ヶ峰の岩峰。
右は楢尾岳。 景色を楽しみ、休憩を入れながら登る。
正面はニセピークが2つほどあります。 尾根はきつくなってきます。 一部クサリ場も出てきます。
高度を上げると 火口壁が屏風のように立ちふさがります。 最後の急登。#59124;
ニセピークを超えると、やっと高岳火口壁の稜線、 火口壁縦走路にでました。
東の稜線の先は天狗の舞台、根子岳が望めますが 時間が余っている訳ではないのでスキップ。
西の稜線のピーク、最高峰の高岳に向かいます。
作業員の方が火口壁稜線の標識を交換していました。 こうした登山道の整備のおかげで安心してのぼれるんです。 感謝しましょう。
10分ほどで高岳1,592M頂上に到着。 NO. 58
まずはピークハントが出来て、頂上で一息。#59120;
更に中岳へ。 稜線から、根子岳の岩峰が見えます。
中岳頂上1,508M。 ここから草千里、西駅へも下れます。
中岳からは火口壁稜線が火口展望所まで続きます。 壮観な眺めです。
ここから先はオバちゃんが云っていた、立ち入り禁止の標識あり。
火口周辺では、有毒な火山ガス(二酸化硫黄・SO2)が流れています。
ぜん息、気管支疾患、心臓疾患、体調不良の方は立ち入り禁止です。
火山ガスが発生するのは西駅の火口付近であり、中岳~展望所は火口より離れています。
下の写真のとおり、 この稜線からは火口は見れず、幾分迫力に欠けます。 火口壁と噴煙だけです。
ここは自己判断と責任で、速やかにとおり抜けさせて頂きます。
火口壁縦走路は両サイドが切れ落ちている場所もあるので要注意。
”火口”展望所からは 火口もお釜もまったく望めません。 → ”火口”は実際望めない・・・
観光客のほとんどが火口が覗けれる西駅へ集中し、仙酔峡ロープウェイが運行休止になるのは頷けます。
火口展望所・東駅には監視員すらいない。 魅力あるルートにはリスクはつきまとうし・・・・
でも、 展望所から阿蘇の全貌を見渡せ、その雄大さと地球の息ぶきを実感できます。
また、西駅は頻繁に立ち入り禁止となりますが、 東駅は火口からの距離があるので、影響は少ないようです。 (昨年西駅火口を訪れた時、運よく火口を見ることが出来ましたが、30分も経つと警報がでて草千里へ移動するハメとなりました。)
突然、警報がでるので 火口も見ずに帰る観光客も結構多いと聞きます。
*避難用シェルターが何か所もあります。展望所~東駅~仙酔峡への下りは 背後に高岳~の火口壁、右手は仙酔尾根と鷲ヶ峰を見ながらの下山です。
こう眺めてみると、仙酔尾根は溶岩のガレ場で、上部はかなり急な岩場、 夏だったら多分酷暑。
バカ尾根と呼びたくなるかも。 (笑)
正面は阿蘇のカルデラ平原を眺めながらの下山、 天気もよく 思ったより爽快です。
下部はススキが阿蘇のとげとげしさを和らいでいます。 残念なのは道が舗装路です。
ロープウェイを支える鉄塔もこのとおり錆付いています。
仙酔峡駅駐車場へは3時半過ぎに到着。 約4時間の歩きでした。
【私のコースタイム】 仙酔峡駅駐車場 10:55着
登山口11:23 仙酔尾根分岐13:32 高岳13:43
火口展望台14:48 火口東駅15:00 仙酔峡駐車場(登山口)15:30
まずは、初日に2山登頂でき、 無事登山口に戻った安堵感そして充実感が湧いてきました。
*左が根子岳、右が高岳・中岳阿蘇をあとにし この晩の宿、久住高原荘へ。
*九重連山、 真ん中が久住山天然温泉と地元食材の料理を楽しむことが出来ました。
翌日は、もっとも楽しみにしていた久住山です。