飯豊連峰は東北アルプスと呼ばれるほど山域が広く、いくつかの尾根・稜線とピークがある。
私がこの飯豊連峰を初めて目にしたのは、昨年4月に西吾妻山に登ったときである。
雪をいだいた大きな山塊に圧倒された。 この山が飯豊連峰であり、登山者にとって最も難関の山の一つであることを知りました。 それが伏線となっていました。
*昨年4月吾妻山からの飯豊山。 右が飯豊本山、 左は大日岳、 真ん中は御西岳。飯豊連峰の代表的ハンティングピークは、飯豊本山と大日岳。
この飯豊は縦走してこそ、飯豊の素晴らしさが実感できるといわれるが、
今回は一泊二日という日程の為、飯豊本山への往復という飯豊入門コース。
喜多方市・飯豊町側の登山口は4ヶ所ある。 地図を何度眺めても・・・・・
どのコースも本山への途中にある切合小屋まで7時間くらいかかる。
頂上までの標高差も約1,500M。
楽なコースはない。
もっとも一般的なルートが川入からのルートであるが、
登山者数が少ない飯豊町側の大日杉小屋ルートを選んだ。
地蔵岳まで急登ではあるが、最初一気に標高差1千メートル近くを稼げば”ヤマ”を乗り越えられると思った・・・・・
本来一泊であれば大日岳まで脚を伸ばすべきであるが、初めての飯豊体験で様子がつかめない。
しかもこの猛暑日が続く時期、甘く見ないほうがいいと考え、行動範囲を割り引いておくことにした。
初日は切合小屋まで、 翌日早朝にサブザックで飯豊本山を往復、 午後遅くならないうちに大日小屋まで下山する計画を立てた。
今年開通した川入~大日杉への林道は大雨で崩壊した箇所があり通行止め。
会津側でなく、福島飯坂ICでおり米沢経由で大日杉小屋前の駐車場へ前夜着。
朝5:35に登山届けBOXで登山届けを記入・投函して出発。
初っ端から、いきなり長いクサリ場です。 地蔵岳までの平均勾配は約17度です。
このザンゲ坂は標高差が900M以上。 息を抜くところがあまりない登りが続きます。#59143;
しかも、南アルプス山行同様にコンロ・ガスに3回分の自炊食料(といってもインスタント食品)。
さらに
寝袋がいつもより多い。
水・ドリンクは途中で調達(購入)できるという前提で0.5Lペットボトル4本であるが、ザックは重い!
そして下界は猛暑日です。 樹林の中を登っていきますが、風はほとんどなくサウナ状態。#59143;#59143;#59143;
とにかく急がずじっくりと登る。 心拍数が上がらないよう心掛ける。
ザンゲ坂? 最近はザンゲすることもなく?(笑) 淡々と登る。
日頃悪行を重ねているかた 良心の呵責に苛まれているかたは、しっかりとザンゲしてください! (笑)
前をいく20代?(としておこう)の山ボーイは40Lザックで重そう。 丁度ペースが同じ位なので一緒に登ることになった。 地蔵岳までは標準コースタイムで3:50であるが、3時間弱で到着。
地蔵岳からははるか遠くに飯豊山?が見えた。 延々と尾根が続いている。
この日の行動予定は、少なくとも切合小屋まで。 出来れば本山頂上小屋に行くこと。
キツいと云われる地蔵岳までを極端な消耗もなく乗り切ることが出来た。
思ったより楽、これならいけそうと思ったが そうは甘くなかった。
ここから切合小屋までの尾根沿い歩きは#59030;#59000;#59030;#59000;。 これが結構キツイ。#59124;#59143;#59143;
水の減り具合が気になる頃、
目洗い清水に着いた。 ここでどっぷりと休憩。
水は脈々とは流れていませんが、水場としては十分です。
(ちょっとわかりにくい場所です。 流れを辿ってください、少し先にあるパイプから水が出ています。)
この目洗い清水から上り基調になるが、アップダウンもあり ここからがキツい。#59124;#59143;#59143;
あのザンゲ坂の急登が、ダウンブローのように効いてきた?のか。
御坪からは少しずつだが低木帯になり陽を受けやすいが、 少しずつ風が抜ける。
御沢分れから雪渓ルートもあるがロープで遮ってある。 軽アイゼンで登ろうと思っていたが、断念。
ここから種蒔山への上りは風の通らない低木樹林のトンネルで暑い~。#59124;#59143;#59143;
今年の夏山シーズンはなんて暑いんだろう。 暑いところばかり登っている?
ここを抜けると切合小屋が近くに見える。
種蒔山北の
沢の源頭の雪渓を渡りトラバースしていくと雪渓からあふれ出た小川にでる。
そして種蒔山から本山への主脈に合流すると
一挙に本山から大日岳への展望が広がる。
右は御沢分れからの雪渓ルートを見下ろす。
11:45、ようやく
切合小屋だ。
ここで昼食(おにぎりセット)休憩。 小屋の横にふんだんにあふれる水場、おいしい水である。
キツい上に、簡素な小屋が多く、ここもファッショナブルな山ガールはよりつかないようだ。
こんなところはランドネも紹介しないんでしょう。
サブザックで下りてくる方がいる。 三国小屋から本山までのピストンとのこと。
小屋の管理人の方に聞いてみた。
小屋まで往復どれだけかかりますか?
→ 「往復4時間*。 明るいうちなら多少遅くなっても泊まれるから心配は要らないよ。」 とここからの往復を勧められました。 小屋も混んでないようです。
*
昭文社地図のCTは4:30となっています。 サブザックなら約4時間?くらいでしょう。翌日もこの小屋からなら早く下山できる。
大日岳が目に入るが、日程優先である。
食事を済ませ、ここまで同行していただいた方にお礼と一足お先の出発の挨拶をすませ本山へ! 12:40
雲もほとんどなくなりほぼ快晴。
登山道わきにはタカネマツムシソウ?が一面に咲いています。
雪渓の横を通り低木帯を登っていくと
草履塚。 ここから飯豊本山が見えます。
といっても上りに真正面に見えたのが本山と勘違い。 左手にある小さなピークが本山でした。
* 真ん中の小ピークが飯豊本山です。ここからは大日岳の稜線と雪渓のコントラストが印象的です。 しばし見とれてしまいました。
草履塚から下ったところが
御秘所。
岩場、クサリ場があります。
ここを抜けると御前坂。 切合小屋からもアップダウンが続きます。
本山小屋への最後の登り。#59124;
上りきると平地、 テン場・水場があります。
本山小屋前から
飯豊山神社の横を抜けると 目的の飯豊山山頂への最後の稜線が続きます。
稜線の右手はダイグラ尾根、左手は大日岳への尾根が続いています。
山頂に駆け上がると 景色が一挙に広がる。 14:45
ダイグラ尾根、 梶川尾根 そして大日岳への稜線。 本山は交差点です。
山域の広さをあらためて実感。 ここでしばし休憩。 ~15:15
逆になってしまったが帰路本山神社に参拝し
稜線にはミヤマウスユキソウ?、 チシマギキョウ? チングルマ・・が咲いていました。 ところが近接撮影はほとんどピンボケ? コンデジですが、おかしい? まともな写真がありませんでした。 もともと接写には弱い機種ですが、不具合?17:05 切合小屋へ戻り チェックインする。
切合小屋では夕食、朝食をお願いすれば食べられますが、せっかく持参したので自炊。
混み具合ですが定員の1/3くらいで2階は8名のみ。 スペースは十分 荷物を広げてもOKでした。
照明はありませんので、寝るしかありません。
小屋のなかはやや暑く、寝袋のファスナーを締めずにオープンにして丁度いい感じです。
やはりイビッキー#59137;はいました。 耳栓をしてその上にiPodのイヤホンをあて低ボリュームで音楽(イージーリスニング)を流しイビッキーを相殺! → 新しいアイデア (笑) 耳栓も嫌だけどやや強めに入れました。 効果あったよう?で・・・・5時間くらいは寝れました。!(^^)!翌朝は薄陽に照らされた飯豊の山々を見納めて
5:15に下山開始。 大日小屋には9時半到着。 4時間15分と思ったより早く下山できました。
下山記録に記入し登山は無事完了。
大日杉小屋前の誰もいない沢の水で、体を清めさせてもらった。 すっきり爽快!
帰路は会津経由、 そして昼食はチャーシューが一杯載った喜多方ラーメン。
食欲も満たされた。 さあ帰ろう!
(早い時間での帰宅なので、帰路の渋滞は避けられました。)
上りの暑さとザンゲ坂の急登、地蔵岳からのアップダウンはきつかったがバテずに乗り切った。
本山までの日帰往復は至難であるが、一泊二日で余裕をもって往復できた。
(大日岳までなら更にもう1泊する必要があるが、多分可能であろう。)
でも奥胎内ヒュッテや飯豊温泉からの縦走はロングコースで、レベルは一挙に上がる。
この縦走がこの飯豊の醍醐味であると同時に 至難と云われるゆえんでしょう。
私にとっては 飯豊はいまだ深遠な山のままである。
この飯豊の山行を終え、今年の3つの目標(平ヶ岳日帰り、大朝日岳、飯豊本山)クリアすることが出来、一区切りつけるが出来ました。 暑い長い夏が終わりました。(笑)
秋は今年はほとんど行っていない北アルプスの紅葉を楽しめたらと思っていますが・・・
(2日目の切合小屋からの一部GPSトラックが飛んでいます。 悪しからず。)d