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白馬岳は毎年行こうと思いながらも 登りそびれていた山である。
来年6月後半に 残雪が一杯の大雪渓から登ろうと計画していましたが、ある方のブログを拝見。
白馬大池~小蓮華山~白馬岳への稜線が大変素晴らしく。 また、写真がきれいに撮れているんです。
数年前にオンエアされた”坂の上の雲”のエンディングの稜線はどこだろうと思っていました。
その坂が小蓮華山への道だったことをその記事で拝見しました。 これもモチベーションとなりました。
さっそく このコースを調べてみました。
地図をみると猿倉からの大雪渓コースと比べても、蓮華温泉からのコースは数十分ほど余分にかかるだけ。
しかも急登はほとんどなく コース自体は初級。 栂池からのコースよりもずっと歩きやすそうです。
白馬大池山荘の今季の営業はこの連休を最後に閉鎖されます。
最後のチャンスです。 レッツゴー!
この連休の天気予報は、#58944;/#58943;―#58942;―#58942;。
登頂日を二日目 日曜にセッティング。 蓮華温泉から白馬岳を目指すことにしました。
初日(土曜日)の朝自宅を出発。 蓮華温泉駐車場には10:30到着、#58944;雨です。
1時間ほど小降りにならないかと様子を見ましたが、変わらず。 #58944;#59133;#59133;
11:50 蓮華温泉の登山口から出発。 道自体は歩きやすいんですが、雨は強くなるばかり。
蓮華の森標識からは沢からの強い風#58947;が巻き上げてきます。 高度を上げるに伴なって気温が低下。
天狗の庭にさしかかるあたりでは突風、 雨は霙(ミゾレ)にかわり音をたてて降りかかります。 最悪!
このあたりが白馬大池までの中間点ですが、ずっとこんな天気がつづきます。
川の如く濁流が流れる最後の登りを終えるとうっすらと山荘が見えてきました。
14:50 山荘に到着。 小屋の方によると予想したより宿泊客は多いようですが、部屋には5名で定員どおりの割り当て。 この程度ならなんとか眠れそう。
防雨対策が不十分で ザックの着替えも一部濡れてしまい、ストーブで乾燥。
夕飯#58991;はハンバーグ付カレーライス。 1.6杯食べて大満足!
小屋の情報では、翌日の天気は晴れときどき曇り。 氷点下の寒さで稜線の吹き溜まりは60CMの雪。 要注意!
山小屋では7~8時に床につきますので、 夜が長いですね。
今回も耳栓でイビッキー対策、 何とか眠れました。 !(^^)!
翌朝起きたら寒い! 窓から外をながめると白い景色。
同部屋の横浜から来た青年が蓮華温泉へ下りたい、一緒に登っていただけませんかとの申し出。
こんな酷い天気、なんとなく心細く ありがたく同行させていただくことにしました。
彼は大雪渓~白馬岳~白馬大池~栂池と日帰りで登ったという健脚です。
小屋の外にでてみると、白銀の世界。
この日は、小蓮華山~白馬岳山頂へ。 折り返して白馬大池から蓮華温泉(登山口)まで下山を予定。
山頂下山のデッドラインは11:50、 大池からは14:30と設定。
6:10 白馬大池を出発。
小蓮華山への尾根に取り付いたとたん、日本海側から強風が吹きつけ登山道の雪が舞い上がります。
途中で戻ってくる方もいます。
「坂の上の雲」のエンディングにでてくる穏やかな稜線模様ではありません。
氷点下をかなり下回っているでしょう。。
上半身、下半身とも4レイヤーで防寒・防風。 なんとか寒さと風は凌げますし、まだダウンジャケットが残っています。
耳まで覆うニットの帽子、 ネックウォーマー、 ゴーグルが欲しい。 顔面対策が怠っている。 不十分だ。 手袋も防寒でなく指先が寒い。 秋の冷えこみは覚悟していたが ここまでは想像してなかった。
でもこれが山の天気。 軽装で震えながら下りてくる下山者もいた。 今年4月の連休に小蓮華山稜線で遭難したパーティーのことが甦る。
小蓮華へ向かう稜線からは白馬鑓、 雪倉岳、 朝日岳、 糸魚川の平野と日本海。
頚城の山々、 八ヶ岳、 富士山、 南アルプスが見えます。 景色は素晴らしいが、
カメラのバッテリーが低温で機能せず スイッチONしてもすぐカメラがシャットダウンしてしまう。
小蓮華山にさしかかると白馬岳が見えてきましたが、 速い流れの雲が吹いています。
頂上から下山してくる方がいます。 三国境あたりがガスっている、冷たい強風で危険、 巻かれないようにとのアドバイスあり。
小蓮華山山頂。 7:10
三国境への稜線は その通り。 烈風と刺すような寒さ。
風は右から吹きつけ飛ばされそう。 左は崖。 危険ですので出来るだけ登山道の右ふちを辿ります。
こんな気象条件下での山歩きは初めてです。
一人だけで前後誰もいなかったら、心が折れてしまったかもしれません。
先行の横浜の青年は私のペースを気遣って登ってくれます。
三国境からは最後の上りですが、ここは日本海から尾根の間を昇ってくる上昇気流がぶつかって白馬村へ抜ける通り道です。
山頂へは9:15到着。 ガスに包まれて全方向視界なし。
でも、この厳しい気候でなんとか登りきりました。 +1 です。
ポカリスェットもシャーベット。#59122; なぜかおいしい。 (笑)
晴れ間を期待して30分山頂で我慢しましたが、ガスは切れそうにありません。
9:45 下山開始。
三国境のあたりまで下って振り返ると、
なんと雲が切れた白馬岳が見えるではありませんか。
30分登頂をずらせば晴れた山頂を踏むことが出来たのに・・・・・
頂点を極めるのは遅くてもダメ、早すぎてもダメ。
運のいいときも悪いときもある。 これ人生なり。
でも、真近からでも冠雪の白馬が見れたことで良しとしよう。
小蓮華山への稜線。
下りでは幾分風が和らぐ。 「坂の上の雲」の歩きは幾分か爽快です。
白馬大池のあたりの雪はほとんど溶けていました。
ここでランチブレーク。 12:35~13:25
自分なりに単独行として、時間・エスケープ方法をシュミレーションしていましたが、横浜の青年との同行は心強かったのが本音です。 この日の厳しい寒さと風のなか 何とか白馬岳を踏破できた安堵感と喜びを分かち合うことが出来ました。
蓮華温泉へは 小蓮華山、 雪倉岳、朝日岳を横目に下っていきます。
天狗の庭は雪倉岳、朝日岳の展望台です。
いつか栂池新道を下って日本海まで行こう。
蓮華温泉までの標準コースタイムは2時間ですが、ピッタシ2時間かかりました。
(同行の青年とも話しましたが、この下りのコースタイムは余裕のないタイムと感じました。)
途中から、山腹の露天風呂が見えましたが 上り返す余裕なし。(笑)
蓮華温泉#59127;でスッキリ、 なかなかいい湯です。
横浜の青年が宿泊する栂池まで彼を送って 帰宅の途につきました。
社会人になってまだ間もないようですが、明朗快活を絵に描いたようなカッコイイ若者でした。
礼節もあり、 とても好感がもてました。 頑張ってほしいものです。
同行ありがとう。 また、どこかの山で会えるといいね。 !(^^)!
山の天気と秋の空、思いもかけない冠雪の稜線と白馬岳。
厳しい気象条件の下での登山、山の厳しさを体験。
こんな白馬岳をピークハント出来たという達成感も一方では感じました。
今年は印象深い山行がいくつもありましたが、 またひとつ記憶に残る山行が1ページ加わりました。