世界自然遺産の深い森、 原生林、 高層湿原を抜けて 奇岩・巨岩の稜線を超えると
山頂から こんな風景を眺めることができました。
早朝3:30過ぎに安房の宿を出発。
標高1,330Mの淀川登山口まで車で約1時間。 道路は舗装路でよく見て走行すれば問題はありません。
荒川分れ。
右手は荒川登山口ですが、ここからマイカー(レンタカー)は乗り入れ禁止。 バス、タクシーしか入れません。
情報として、バスは屋久杉自然館(登山者用駐車場あり)から始発5時、 荒川口からの最終が18:00。 荒川登山バス時刻表で再確認願います。
荒川登山口から宮之浦岳を日帰り往復(標準コースタイム:上り9時間、下り7.5時間)するには約11時間で踏破しなければならず余程の健脚でなければ至難で、小屋泊まりになるのが一般的。 だから右にはいきません。
前回の記事の通り、私は左手 屋久杉ランド~紀元杉から淀川登山口に向かいます。
(淀川登山口から日帰りするためには、レンタカーかタクシーでないと不可能です。)
淀川登山口に4:30頃到着。 駐車場はすでに満車。
駐車場は20台と書いてありましたが、大型車やタクシーの転回スペースでブロックされ実際には10台くらいしか停められません。 (下山時に駐車された方に聞いてみたら、前日夜で満車となったようです。)
たまたま運よく、数十メートル戻った路肩にスペースがあり 道路にはみ出すこともなく駐車出来ました。
レンタカーはスイフトです。 リッターカーか軽でなければ無理。 ラッキーでした。
本格シーズンに入ったら、前日夜入ったとしても路肩駐車 また早朝でも路肩スペースに限度があり 登山口までかなり歩くハメになる可能性はあります。
支度をして5時前(4:55)に淀川登山口を出発。
僅かですが募金協力しました。
写真の通り、まだ真っ暗なので ヘッドライトを点けて登っていきます。
宮之浦岳は標高1,936M 標高差は606Mなので最も楽なコースですが、標高グラフをみるとアップダウンが何度もあり侮れません。
小屋への途中でだんだん明るくなり、ライトも要らなくなりました。
淀川小屋へは5:30着。 ここで朝食(サンドイッチ)をとりながら休憩。
収容定員は40名、要自炊、寝袋持参。 近くにはテン場がありいくつかテントが張ってありました。 すぐ横に水場があり。 この先に数か所水場がありますので補給しませんが、心配ならここで補給すること。
宮之浦岳コースのトイレはここが最後、後は携帯トイレ使用のブースしかありません。 (念のため、携帯トイレ持参しました。)
6時前(5:58)に小屋を出発。
淀川に架かる橋をわたると、しばらく登りが続きます。
1時間ほどで高盤岳展望所に着きます。 樹林帯が切れると風の流れをうけて幾分寒さを感じます。
高盤岳山頂のトーフ岩が見えます。
ガスで霞んではいますが、まわりの山々が望めます。 屋久島には標高千メートル以上の山・ピークが60以上あると云われ奥深さが感じられます。
さらに10分ほど歩くと 小 花之江河(はなのえご)にでます。 高層湿原の庭園と云った感じですが 尾瀬とは趣がことなる原始林の風情です。
ここから5分ほどで花之江河(7:14)。 妖怪が出てきそうな神秘の森です。
さきほどの湿原より大きく視界が開けています。 ここは石塚小屋(ヤクスギランド)との分岐にもなっています。 ここはコースのほぼ中間点の休憩スポットです。
再び登りが続き 岩盤帯も出てきます。 いたるところ水があふれ流れています。
黒味岳への分岐(7:25)、ザックがいくつかデポしてあります。
ここを過ぎると、岩場・ロープ場もでてきます。
視界が開け左に黒味岳が望めます。
岩盤帯が続きますが水が流れて滑りやすく要注意です。
(屋久島ということで 登山+観光気分でメレルのような軽登山靴で登っている方がいますがアブナイ。また水に浸かることが多いのでソールのまわりにラバーが巻かれたタイプの登山靴がお奨めです。)
黒味岳と投石岳(なげしだけ)にはさまれた投石平(7:51)は見晴らしがいいはずなんですが 投石岳方面はガスっているので先に進みます。
ここから少し岩場の急登を登りきると低木帯となり視界が開け 投石岳の西側を巻いていきます。
投石岳を回りきると湿原の木道にでます。 正面に見える山がいよいよ宮之浦岳?
ではなく 栗生岳(くりおだけ)です。
ここから下ったところが翁岳(おきなだけ)分岐、 最後の水場があります。
ロボット岩と呼ばれる近くには 携帯トイレブース。
ここからは風が強くなってきます。
栗生岳を超えれば・・・・・・
栗生岳山頂をまわり込むと、やっと見えた。 最後の登りだ。
9時12分登頂 宮之浦岳1,936M、 念願の最南端の洋上百名山。
世界遺産の島、屋久島の最高峰だけでなく九州最高峰。
雲ってスッキリとはしないが、屋久島の中央部からの眺め。
登ってきた縦走路を返りみて、この島に、宮之浦岳の山頂までようやくたどり着いた感動がこみ上げ、今までの人生、山登りの断片がフラッシュバック。 感慨に浸ってしまいました。。
お隣の永田岳1,886Mとネマチ(右の岩峰)。
快晴なら東に種子島、 北に霧島、桜島、薩摩富士(開聞岳)が見れるようです。
宮之浦岳の頂は岩の上です。 登り忘れのないように!
この時間帯 ほとんどの登山者は淀川ルートから登ってくる。 高塚小屋からは数人であった。
連休の狭間なのか、思ったより人は少ない。
雲が流れている。 名残は尽きないがいつ天気が変わるかわからない。
9:51 下山開始。
翁岳の奇岩。
ロボット岩。 どうやって形成されたのか?
投石湿原にはシャクナゲの花はまだ早いようですが、アセビの花が多く咲いていました。
往きには見えなかった投石岳。 11:08 投石平で休憩。
黒味分れ11:30 通過。 下りは滑りやすいので 急がずに下ります。
11:42 花之江河。 屋久鹿がいました。 ここの鹿はのんびりしてそうです。
淀川小屋に向かうが12時過ぎても、まだ登りの登山者に出会う。 装備もしっかりしているので宮之浦岳から新高塚小屋まで行くのだろうか。 ちょっとキツそう。
淀川小屋に到着 12:45。 ここで一息、 また登り返しがあります。
淀川登山口に戻る 13:30。
上りは4時間17分、 下りは3時間39分 往復のコースタイムは7時間56分。
頂上での休憩時間を除くと なんとか8時間を切れた。 総行程時間で8時間35分。
雨がなかったことと、荷物を軽量化したお蔭である。
気掛かりであった雨も覚悟していたが、まったく降られず。
新しいレインジャケットはザックに入れたままでデビューは果たせなかった。 !(^^)!
そして 登山者は思ったほど多くなく静かで快適な山行でした。
登山口から山頂まで800Mほどの標高差ですが、変化に富んだ情景。
亜熱帯の島ならではの天候、植生の異なりと神秘、 異次元の体験。
屋久島ならではの 自然の息吹きを存分に感じる登山を楽しむことが出来ました。
体力・脚力があれば もう一度登ってみたい。 いつか・・・・
参考まで:
1) 休憩含まない淀川登山口~宮之浦岳 コースタイム:
昭文社の地図では 上り 4:35 下り 4:10 縦走するならこれはキツいタイムと思う。
山と渓谷の地図では 上り 6:10 下り 4:50 これは余裕を見すぎたタイムでしょう。
地元屋久島のHPでは 上り 4:50 往復+休憩で10~11時間 これが程々。
朝5時に出発して3時~4時に戻るというのであれば、余裕をもって往復できます。
但し天気次第。
2) 山頂で「ホワイト犬は繋がらないよ~」 といったやり取りが聞こえてきました。 宮之浦岳山頂でドコモは繋がりました。 淀川登山口でタクシーを予約する方は山頂から連絡した方が良いと思います。
3) この日のカメラはコンデジ。 やはりレンズが暗く中遠景はNG、 見た景観は再現できてません。 (泣) 花之江河なんかの情景はまったく再現されず、期待外れでガッカリ。 同じコンデジでもレンズの明るいMX-1(F1.8-F2.5)にすべきだった。 わかっていたけど・・・・・st