今まで天狗の露地(松本側)からと高原美術館(山本小屋側)からそれぞれ美ヶ原台地を歩いたことがあるが、最高標高地点である王ヶ鼻(2034M)までの標高差は100Mもなく登ったという実感は湧かなかった。
山本小屋迄のヴィーナスラインは冬タイヤでないと上れないし、松本側からは三城牧場より先は4月後半迄通行止め。 選択肢はないので麓から登るしかない。(笑)
三城牧場迄は除雪されている様なので、三城牧場から登ることにした。
この日の天気予報は晴であったが、中央道塩尻ICを下りてもなんとなく霞んでいる。
松本市街地を回避するよう東に回り込み 三城牧場に向った。
片道240KM、 ガソリンと高速道料金を払ってまで来たのに、天上台地からの大パノラマ展望は不発なんてことにならないよう願った。
やはり牧場で通行止め。引返して駐車スペースを物色。
駐車場は残雪で停められないので、近くの牧場の空地に停めさせてもらう。
丁度、目の前に王ケ頭が見える。 どんよりとした空だ。
雪はあまりない様だが 8本アイゼンとピッケルを携えて登山口に向かう。
ダテ河原登山口から出発。 数百メートルで雪道となります。
沢沿い左の尾根が登山道になっているが、 緩やかな登り。
雪は残っているがアイゼンなしでも歩ける。
尾根を右へ巻くと沢沿いになり、美ヶ原台地の稜線が見える。
堰があるところで行き止まりとなり、左手に入ると再び尾根筋の道となり急登となる。
風もなく穏やかで、汗ばんできます。
トラバースの部分が多くなり雪庇になっているところもある。
雪が融けて痩せて細くなり足の置きどころに腐心する。
この日、 このルートは私だけ?
徐々に低木帯となるにつれ囲りの山々が視界に入る。
迷うようなところはありませんが、 雪庇、細い雪道に要注意。
台地の稜線が近づく。 青空も見える。
王ヶ頭の鉄塔群が見えた。
美ヶ原標高最高地点2034M、王ケ頭に到着。+0
蓼科山から北アルプス南部迄の視界がー望。 期待に違わぬ大展望。
霞んでいた空が晴れてきた。 突き抜けるような天空感!
もう一つのシンボルピーク 王ヶ鼻に向かう。
台地西端にある鉄塔から南にあるのが王ヶ鼻。
鼻には5~6名の登山者、 すべて山本小屋から。
小屋までは除雪されていて、この日は凍結区間はほとんどなかったとのことです。
北アルプスの穂高~小蓮華の山稜が一望。
王ヶ鼻からは美ヶ原の台地形状、そしてダテ河原へ切れ込んでいる様がよくわかる。
ここから望遠ズームレンズに交換。
写真をまとめて動画化しました。 画質は落ちますが
フル画面で見てください。
*もし見れない場合は、右のサイドバーの”美ヶ原のパノラマビュー”でご覧ください。美ヶ原からは日本百名山のうち半分近くが見えると云われるが この日私が視認できたのは34座。
でもこれだけ見れば大満足!
写真を撮りに来られた王ヶ頭のホテルで働いている方によると、ここ最近では一番よい視界?とのこと
登山口でグレイな空を見たときは、今日はダメだろうと覚悟した。
でも 天はこの非力な登山者に憐みをかけてくれた。
王ヶ鼻でたっぷりと休憩と展望を楽しんで下山だ。
王ヶ頭へ戻る。 積雪を測る棒が立ててあるが真冬は3Mくらいは積るんでしょうね。
美しの塔経由のハイカーコースではなく烏帽子岩経由のアルプス展望コースへ。
台地端から見下ろすと、牧場が見えます。
烏帽子岩からの展望。 肝試しはしません。 (笑)
烏帽子岩を過ぎて、百曲り園地へ行かず破線ルートで百曲りコースへトラバースします。
ここはほとんど歩かれていません。 トレースはケモノの足跡、死骸もあり 雪も深い。
トラバースがずっと続きます。 ケモノの跡を辿って尾根を下ると危ない。
やっぱり 破線ルートでした。
GPSでチェックし方向を間違えないよう、なんとか合流点へ。
午後になると、雪が緩んで踏抜き多発。 アイゼンもピッケルも使いませんでした。
三城牧場に着いて、 王ヶ頭を見上げると 真っ蒼な空。
爽やかな気分で家路に向かいました。