月は変わり5月1日、 西日本の百名山のなかでは最難関と云われる石鎚山。
試しの鎖、一の鎖、二の鎖、三の鎖と続く総延長238Mの鎖は長く切り立つ急勾配。 まさしく難関の連続だ。
すべての鎖を登りきると石鎚神社山頂・弥山に出た。 非力で登擧技術もない私でも登りきれました。
天空感は抜群! 目の前には西日本最高峰 天狗岳1,982M、 脚がすくむほどのナイフリッジの稜線を進む。
月は変わり5月1日、 西日本の百名山のなかでは最難関と云われる石鎚山。
試しの鎖、一の鎖、二の鎖、三の鎖と続く総延長238Mの鎖は長く切り立つ急勾配。 まさしく難関の連続だ。
すべての鎖を登りきると石鎚神社山頂・弥山に出た。 非力で登擧技術もない私でも登りきれました。
天空感は抜群! 目の前には西日本最高峰 天狗岳1,982M、 脚がすくむほどのナイフリッジの稜線を進む。
伊予小松にある温泉宿から石鎚登山ロープウェイ駅の駐車場(1日500円)まで約30分。 始発7:40には十分余裕をもって到着。
この日は晴天の予報だし、難関のクサリ場が待ち受けている。 できるだけ荷物は身軽に、 レインジャケット、飲料水500mL3本、昼飯、携行食、カメラはコンデジとミラーレス(標準ズームのみ)、GPS、予備電池、 リペア・レスキューキット、カラビナとスリングに絞る。 アンダーウエアにシャツ、フィンガーレスの手袋、ストック、キャップとサングラス、携帯電話等の貴重品、ウエストポーチ、タオル2本。 結局はあまり絞り込めてない。 (笑)
ところがあとでひとつ重要な忘れモノがあったのに気づくが時既に遅し。 必ずチェックリストで見落とさない様にしなくては。 また、登ってみて分かったんですが 食料・水は山頂含め3カ所で補給できます。 極端に云えばペットボトル1本でもいいのである。 トレランザックがある方はそれに収められる程度に身軽にしてもいいと思います。 特に鎖に登る方は。
今回のコースです、 石鎚登山ロープウェイさんの地図をお借りします。
山麓下谷駅、 この日のロープウェイの始発は7:40ですが 臨時便が7:25があり これに乗ることが出来ました。
山頂成就駅 標高1,280M へは8分で到着。 7:35分に出発、 #58942;天気は良さそうです。
緩斜面の広い遊歩道を15分ほど歩くと 石鎚神社成就社 に着く。 鳥居の先に石鎚山!
境内の中宮社で参拝。 安全無事の石鎚山登山を祈願。
7:58 登山口である神門を通らさせていただき 八丁坂に向かう。
10分あまりで 逍遥の鳥居。 「頂上へ行かれない方はここでお参りください」 との掲示あり。 一礼し先へ。
ここの鳥居から 弥山、 石鎚山山頂にある石鎚神社が見えます。 左には天狗岳と南尖峰の岩稜。
表参道成就コースを進み 八丁坂の鞍部に下って行きます。
八丁坂鞍部を過ぎると、上りの登山道。 一般道は整備されて木製や鉄の階段、グレーチングのハシゴが設置されています。
前社ノ森には、 出ました! 最初の難関。 ここでストックは収納します。
試しの鎖。 右は「試し鎖道」。 左は「体力に自信の無い方は近道へ」 更に、クサリ場の前には「岩山の反対側が下りの鎖り場で大変厳しい岩場です。 自信の無い方は迂回路へお進み下さい。」 との掲示。
垂直に近い岩場に登りの鎖が48M、 裏側の下りには26Mの鎖。
降雨で岩場が濡れていたら即回避するつもりではいましたが、天気もよく鎖も岩場も濡れていない。
試してみます。
鎖をアップ。 左が登り、 右が下りが基本のようです。
フリークライマーでなければここは鎖に頼らなければ登れません。 足掛かりはあるんですが 登山者が多く登るんで 岩の角が丸く摩耗していて滑りやすいので注意! セオリー通り、岩場に体をしがみ付かず 足場の置き所を見ながら登っていきますが 足場の置き所がない場所があり、 非力な腕力でもよじ登っていくしかありません。
ここはトライアルの前哨戦です。
試し鎖を登りきると岩峰に出ました。 石鎚山山頂の稜線が見えます。
ここから下りの鎖。 上り以上に厳しい! 特に最後の部分はオーバーハング気味のところがあり苦戦。 左(見下ろして)の鎖で下りた方が確実と思います。
この日は天気がよく暑いくらいで鎖登りにはいい条件でした。 試しの鎖を終えて、 なんとかいけるかな? (実は、この試しの鎖が一番急勾配だったようです。)
寒い日は低温で鎖が冷たく 厚い手袋では鎖を握る感覚がつかみにくく、鎖も結露している可能性もあり滑りやすいので 熟練者以外は止めた方がいいと思います。
休憩小屋(一軒茶屋)を過ぎて視界が開けた稜線へでると 9:30 夜明け峠。 (ここまでの標準コースタイムは2:05)
10分ほどで小屋に着きます。 右が一般登山道、 真直ぐ進むと 一ノ鎖。 本番です。
一ノ鎖。 ここは長さが33Mと一番短いが 緊張感を持って登ります。(難度は 試しの鎖>一ノ鎖)
弥山が近づいて見えます。 中腹のプレハブっぽい建物は二ノ鎖小屋のようです。
二ノ鎖小屋は土小屋からのスカイラインルートとの分岐。 ここで休憩を入れてクサリ場に備えます。
ここも右手は一般道、 真直ぐは鎖道です。
鉄の鳥居から二ノ鎖場です。 一礼し登らさせていただく。
ここは長さ総延長65Mの鎖。 最初の10Mくらいは鎖に頼らなくても登れますが、それ以降は垂直に近くなり、 鎖をつかんで岩場を登ります。
前半部を登り、後半部へ。 ここから右へエスケープできるようです。
修験者の皆さん、岩場の鎖で奮闘中。先にはフリーズしてしまっている方もいます。 じっくりと順番を待って登ります。
後半部分は更に難しいし、左右両方の鎖をうまく交互に選んで登ったようが良さそうです。 また このあたりは落石の可能性もあり。 車にヘルメットを置いてきてしまった、 これが忘れ物でした。 ヘルメットは必要です。
二ノ鎖を登りきると 切れ立った岩場の石鎚山稜線が面前に迫ります。
一般登山道は右の木階段を上ります。 最後の三ノ鎖は左手へ。 ずっと一般道を上れば普通の山ですが、こんな厳しいクサリ場は初めてです。
とうとう最後の三ノ鎖場に着きました。 参考までにGPSのログと鎖場のある場所を上の地図に書き込みました。
三ノ鎖 68Mです。 これが立ちはだかる最大の難所だ。 見上げるとほぼ垂直に感じる。
高度感と垂直感で脚がすくみますが、必ず三点支持。 脚元は見るが、下界は見ない。 (笑)
ハッキリ言って、大変コワイです。#59122; #59124; #59123;
足場を確保しようと登りますが ここが一番足掛かりが少ない。 登山靴もソール交換してからもう2年、 角も丸くなり つま先の保持力も落ちている。 ここを登山靴で登るんなら、余り減っていない岩稜用の先端が堅いソールの登山靴をお奨めします。(理由は以下に記述)
ここは鎖を上手く使うしかありません。 つながった鎖自体を岩場の一部と考えてもいいでしょう。
鎖にはところどころガッチリした金属製△三角の足掛けがあり、そこに靴を入れる様にできる。 ところが、取り付けられた足掛けの位置が横向きでなく縦になって脚が入れられない部分が半分近く。 これは予想外であった。
三ノ鎖(上右の写真)はやや大きいようなんで、 鎖の環(輪っか部分)に靴の先端(つま先)を置いて登ります。 (大きいサイズの登山靴は入りません。) 但し、この時は絶対に両手を鎖から外さない、出来れば鎖環の部分で両手をホールドすること。 鎖環が岩壁の出っ張った位置だとつま先が置けないところがあり、 岩場につま先が置く場所を確保するしかありません。 ここの鎖は重力でほとんど遊びがなく、ほぼ半固定された鎖と考えた方がよい。(言い換えれば鎖のハシゴ、但し片足・片手)
休憩するときは、必ずどちらかの手は鎖の環に、片足(手と同じ側の足)も出来れば鎖環に置く。 残った手と足はしっかりとホールドできる岩場に置くのがいいでしょう。
以上は登山靴で登った私の経験と私見に過ぎません。 クライミングシューズや地下足袋靴の方が足裏の感覚が岩場・鎖環でつかめやすいでしょう。 余裕があるなら、クサリ場で岩場靴や地下足袋靴に履き替えるのもいいかも。 足袋なら鎖環に足入れはしやすいということは容易に察せられます。(三ノ鎖の前で、足袋が登りやすいと云っていた方がいました、あとでわかりました。) 但し岩壁の足掛かり保持にはつま先の固いソールがいいと思います。 これは、それぞれのスタイルと感覚によるんで断言はできません。
ともかく 一瞬たりとも気を抜かず。
そして急がず、一歩一歩。 次の手、足の置き所を見つけてから三点支持で動く 。
長~い、長~い垂直の鎖68M、 登り切りました! 見下ろすと、スゴイ高度感。 脚がすくむ!
見上げれば、一気に天空の世界、 クサリ場の終わりは石鎚山(弥山)山頂でした。 エスカレーターで扉が開いて視界が広がるような不思議な感覚。 最後ひと登りという感じがなく あっけない上りの幕切れでした。
そして、 天狗岳 標高1,982M 目の前には西日本の最高峰がそそり立つ。
最後のチャレンジを用意してくれました。
切り立ったナイフリッジの稜線、 北面は目もくらむほどの垂直な壁。
その前に石鎚神社で参拝。 登頂の感謝、そして無事の下山を祈願。
日本百名山 石鎚山 +1 5月1日 10:40
ザックをデポして天狗岳へ向かいます。
弥山山頂の岩稜部から稜線へ下りるクサリ場を過ぎれば 稜線のやや右(南)側を進めばよい。 天狗岳への登りは右側を巻くように取付く。
ナイフリッジの南面側辿って 天狗岳山頂へ。 標高1,982M、 弥山より10M標高が高い。
そしてなんとその先に もう一つピーク、 南尖峰。 ついでに行ってみます。
南尖峰、 ここも切れてます。 天狗岳とピークの形が似ています。 ここも同様に稜線の南側を進む。
南尖峰から 天狗岳。 左肩奥は弥山(石鎚山)。 時間が経つほど登山者が増えてきました、やっぱり連休の百名山。
再び天狗岳に戻る。 混雑した弥山からより ここからの見晴がよさそうです。
緊張と恐怖から解き放たれ、天空感を満喫。
四国はなんと山が多く、奥深いことか。 次に四国に来るのは何時の事やら、巡礼にでも来ようか?(笑) 本気?
石鎚山は信仰登山の山、日本七霊山のひとつ。 (富士山、立山、白山、大峰山、伯耆大山、もう一つは奈良県の釈迦ヶ岳)
頂上山荘で、記念のバッジとキーホルダーを買って 昼飯休憩。 ここは百名山でも一般の方も登れない山ではないが 入山の皆さんのマナーの良さを感じた。 やはり、信仰登山ということで敬虔な気持ちにさせられるからであろうか?
西ノ冠岳、二ノ森への縦走路を横に見ながら下山します。 12:20
12:55 夜明け峠 13:55 成就社 14:20 山頂成就(ロープウェイ駅) 14:35 駐車場 へ無事下山。
帰路は伊予小松、石鎚山SA・道の駅でお土産を買う。 そしてSAからアクセスできる #59127;’椿温泉こまつ’ の湯に浸かって 瀬戸内海を見ながら、 印象深い一日を顧みた。
石鎚山で西日本の百名山はすべて登り終えたことになるが、 まさしく西日本 最難関の百名山でした。