7月8日 北海道 残る最後の百名山、 斜里岳。 やっと微笑んでくれました。
登山口である清岳荘の駐車場で5時から待機。 雨がザーザー振っている。 天気予報では雨は上がるはずであったが・・・ 8時まで待って雨が上がらなければ翌日に先送りするつもりであった。 6時、 7時 ・・・ と時間は経つが 雨は一向にやまない。
7月8日 北海道 残る最後の百名山、 斜里岳。 やっと微笑んでくれました。
登山口である清岳荘の駐車場で5時から待機。 雨がザーザー振っている。 天気予報では雨は上がるはずであったが・・・ 8時まで待って雨が上がらなければ翌日に先送りするつもりであった。 6時、 7時 ・・・ と時間は経つが 雨は一向にやまない。
デッドラインとした8時になっても雨が続く。 隣の車の二人組は、登山口に向かっていく。 宿は既にチェックアウトしてしまったので、そのまま駐車場で様子見。
おや?雨が小降りになったようだ。 でも時間は既に9時近く。 この日登るべきか、登らざるべきか最後の判断をするタイミングである。 道内からいらっしゃった方は出発の支度をされていた。 「私も行きます。」と声をかけました。
小屋の方の情報では、 下二股~上二股の雪渓が崩落して危険で旧道は通行禁止。 渡渉も数多くあり水かさも増しているようです。 決していいコンディションではありませんが、行けるところまでは行ってみよう。 翌日は間違いなく天気が回復する。 (無理はせずダメなら撤退、 翌日を予備日としてとっておいたので登り直しできる。 )
9:15 清岳荘前の登山届ポストで登山届に記入し出発。 樹林の登山道から未舗装の林道を約7~800M近く歩きます。
沢の水量と様子が気になった。 標識のある登山口から左手にはいるとすぐ最初の渡渉ポイントがあります。 そこでご一緒しようとした方を待ちます。
浅いんですが、 水流は強く 飛び石で渡るポイントを探しますがどこも難しそうです。 ポロシリと違って、渓流シューズはありません。 登山靴・靴下を水に浸けてしまうような状況なら、多分膝まで浸かってしまって 渡渉後の登山道を登るのは厳しくなるでしょう。 その時点でアウト!撤退となる。
雨で水量と勢いが増している、 どう渡ろうか。 まだ雨はやまない、 もうやめようかとの思いがよぎりました。 他に巻けないかと道を戻ろうとしたところで、 ご一緒しようとした道内の方がやってきました。 以前このコースで斜里岳を登られたことがあるそうです。 Kさんと呼ばさせていただきます。
Kさんはじっと見定めて 飛び石を決めて難なく渡渉。 私もその後をトライ、うまく渡れました、 第一関門突破。
この方との出会いは幸運でした。 今思い起こせば 斜里岳を登頂出来たのは、この方のお蔭だと感謝しています。 道内・北広島市に在住の方で、リタイアされて悠々自適に道内、日本全国の山歩きを楽しんでいらっしゃるようです。
一の沢を進み 次々と出くわす第2、第3、第4の渡渉ポイントをクリア、 すべてKさんのアドバイスのお蔭です。
4~5箇目の渡渉ポイントで、 相次いでリタイアするパーティー 二組に出会いました。 いずれもご夫婦で飛び石の距離が女性では渡りきれないと判断されたようです。 私も単独だったら、早々と断念していたかもしれません。
沢は深くありませんので重荷にならない足袋でもあればまったく問題ありませんが、斜里岳では必要ないと思い準備はしてません。 トレランシューズ程度なら水没してもなんとかなるかもしれませんが・・・
的確に渡渉ポイント、脚の置き所をアドバイスいただきます。 アドバイスに従い渡っていくと、だんだんそのコツとポイントがわかってきます。 ストックは役に立ちそうです。 専用の石突きラバーをつけておくといいかも。
水流の強さ、石の安定度、置きやすさ、次に飛ぶ石の選び方など 少しずつ見極めがつくようになり自分の判断でも渡れるようになります。
渓流歩きに習熟されている様で流石。
杖をもった姿も仙人の如くカッコいいです。
* 一部写真は、下りで撮ったものです。
雪渓が出てきます。 6月なら残雪で一の沢は雪渓が続き渡渉が楽?かもしれません。
雪渓の沢となりますが、大きなクレバスもあり要注意。
最後の渡渉をクリア、 全部で10箇所くらいありました。 何とかすべての渡渉ポイントを登山靴を水没させることなくクリアできました。
ようやく 下二股に到着。 10:40
普通ならこのまま真直ぐに旧道の沢を上り詰めますが 通行禁止なので新道を進みます。 距離的には遠回り。
熊見尾根への急坂の登山道は雨でぐちゃぐちゃです。
尾根の近くでは雨が完全に上がりました。
尾根を進むと"熊見峠“にでます。 12:00 あまりいい名前ではありません。(笑)
尾根の稜線では雲が切れて青空も見えます。
ここから再び下って、登り返して、また下ると雪渓のトラバース。
低樹林帯を抜けると上二股。 馬の背が見えてきます。
雪渓がのこる沢が終わると馬の背への登りが続く。キツいところ。
ここでKさんがペースダウンされたようで、『先に行って下さい。』と促される。
いよいよ 胸突き八丁。
この低木帯を抜けると ガレ場の急登。 ロープも手掛かりもなく 滑りやすく登りにくい。
キツい登り、 どの山も簡単には登らせてくれません。
登りきると馬の背。 一気に展望が広がります。
知床連山が見えます。 眼下には雲海、 天空感が一杯。
斜里岳山頂も見えます。 右の山が山頂です。
15分ほどKさんを待ちましたが、 ようやく登ってこられました。 かなり消耗されているようです。 「休憩を入れて登りましょう。」 と促しましたが、『もうこれ以上登れない。時間もないのでお一人で山頂へ行って下さい。』 と強く諭される。
「体調が回復するまで待って登りましょう、最後もうひと頑張りです。」 『私は一度登ってます。 ここで休みたいので、お一人で登ってください。』 頑張って登ってこられたが 上二股からの登りは消耗させられる。 無理もできない。
山頂まで多分30分で着くだろうが、もう時間は午後1時35分である。 復路の下山も新道回りとなり日没ギリギりとなる。 せっかくここまで一緒に登ってきたのに・・・ 一人で登るのは後ろ髪を引かれる思い。。。。。 Kさんのお言葉に甘んじて 意を決して山頂へ向かうことにした。
山頂へ急ぐ。 なんとコースタイムの半分、15分で着きました。 山頂には2名いましたが、入れ違いに下山されようとしているところでした。
13:50 斜里岳 1,545M 手早く山頂で自撮り。 北海道の日本百名山9座の最後の山です。 Kさんと撮りたかった・・・
知床連山を切り出しズームアップ。 前日登った羅臼岳、 連山の右端です。
4日前に登った阿寒岳。 今は噴火警戒レベルが上がって雌阿寒岳山頂付近は入山禁止になってしまいました。 私が登ってから10日ほど後、その前に登れたのはラッキーです。 (もう残る百名山で活火山はありません。)
雲海と海原の向こうには、歴史に翻弄された国後島。 南端の沖縄もしかり。
もうやめましょう、不毛な諍いは負の連鎖を生むだけです。 軍事的関与が戦争抑止力だなんて、詭弁でしかない。むしろリスクを拡大し危険な方向に引きずり込まれる可能性を高めてしまうでしょう。
登ってきた稜線も見えます。
馬の背を見下ろすとKさんがまだ待っていらっしゃるようです。 下山を急ぎます。
下りも15分ほどで馬の背へ。 Kさんは 『前回の登頂時は曇って展望がなかったが 今回は展望を楽しめてよかった。 知床連山も見れた、 もう十分です。』 と云って頂き 幾分気が安らぎました。 実際、この馬の背からの展望は山頂からの展望に劣らず 素晴らしいです。
下山時間を考えると、直ぐ下らなければなりません。 下りは楽であっという間に上二股へ到着。
山頂で入れ違いの二人組みが休憩していました。 ずいぶん余裕がありますね。
熊見峠の稜線からは、素晴らしい展望。 原生森のかなたに摩周湖、阿寒岳が見えます。
北見平野とオホーツク海。
振り返ると斜里岳。 午前の天気とは様変わりのスッキリした青空。
新道を下二股へ下り、最後の休憩。 Kさんにコーヒーを入れていただきました、とてもおいしかったです。 上の写真の真ん中が斜里岳、 ここで見納めです。
ここから一の沢を下ります。 下りの渡渉も気が抜けません。
登山口に近い最後の渡渉ポイントを渡りきったときは、ほんとにホッとしました。
無事、 清岳荘の登山口に到着。 18:30 なんとか日没前に着くことが出来ました!
小屋の方に、もう下山の方はいないですか?と聞かれ、「もう二人組が下山すると思います。」
Kさんの連絡先をお聞きし、移動の準備をしているところへ二人組が下山。 もう薄暮、デッドラインでした。
長~い一日となりましたが、いい出会いがあり 記念に残る日となりました。 後日、Kさんに写真をお送りしました。 お世話になり、ありがとうございました。