8月23日 私の百名山歩きの最後の山、目指すは 南アルプス・聖岳。
2年前 ↓ 赤石岳から見た聖岳はカッコよく 印象のある残る山、いつか登ろうと思っていたが ここが最後にチャレンジする百名山になるとは思いもしなかった。 椹島から荒川三山~赤石岳、そして秘かに聖岳まで縦走を目指したが、千枚小屋で朝寝坊してしまい赤石岳でギブアップ、登り残してしまった山。 これも因縁である。
『聖岳が最後の百名山』 という方が結構多いと、小屋の方からお聞きしました。 やっぱりアクセス・奥深さに難があるんで登り残してしまったというのが理由なんでしょうね。 聖とか光と云った名前も締めくくるには悪くないですが・・
因みに 百名山で登り残す山はやっぱり 幌尻(ポロシリ)岳が一番多いようです。 トムラウシ、飯豊山、平ヶ岳、水晶岳(黒岳)、そして聖岳、光岳は間違いなくトップ10に入りそうです。 こうみてみると難度以上にアクセスと山の奥深さ(アプローチ)が問題となりそうです。 筑波山や伊吹山を未踏のまま残しておく方はほんの一部でしょう。(笑)
今回は早々と3時過ぎに起床、ヘッドライトを点けて4時に聖平小屋を出発。 薊畑に向かう。 夜空に星が見えるんで天気はよさそうです。
薊畑(あざみばた)は易老渡と聖岳との三叉路。 ここにザックをデポしサブザックで聖岳を往復するつもりです。 聖岳山頂までの標高差は約600M、コースタイムは2:20。 4:35に出発。
前日茶臼岳の稜線で出会った千葉の三人組が追いつき、そのまま前聖へ向かいます。 この連中、すごく早い!
小聖までの行程のほとんどは樹林帯の登り、 だんだん明るくなり尾根に出ると展望が開けます。 サブザックだけなんで軽快、快調に登れます。
小聖到着 5:10。 休憩していた三人組に追いつき、写真を撮りっこ。 小屋の朝弁・稲荷寿司を食べてから稜線を進む。 ここでザックをデポする方もいます。
アップダウン、ヤセ尾根もあり ここも楽ではない。 でも気力は充実。#59120;
いつも通り一歩一歩登っていく。
尾根から砂礫の急斜面に変わり シグザグに登っていく。 山頂は近い。
東の空はもう陽が高い。 雲間に富士山が見えた。 急登だが快調、予定より早く山頂に着けそうです。
6:13 前聖頂上に到着。 広々とした山頂、”前聖”といっても、ここが標高最高点の本峰。
とうとう ここまで来ました。 まさか・・・ ほんとうに…!
聖岳 標高3,013M。 日本で最南端の3千M峰。 2015年8月23日 6:15 登頂。
自分の脚で歩いた日本百名山、 これでようやく 100座目。 完登です!
夢が現実となりました。
東には 雲上に富士山。 いつも富士山を見つけると、なぜかほっとし 見れて良かったという気持ちにさせられる。
二度と登りたくない山だが、 眺めるとそんな気分にさせてくれる富士山はやはり日本一の山? ありがとう!
南は前日歩いた光岳からの稜線がパノラマ。 上河内岳、 茶臼岳、 仁田岳、 易老岳 そして 光岳。 晴れていればあの稜線歩きは気持ちよさそう!
北は 南アルプスの盟主 赤石岳、そのボリュームは圧巻。 南アルプスが赤石山脈と云われるのも頷けます。 背後は荒川三山。 左の奥は塩見岳、ここも印象深い山。
前聖山頂部の東からは奥聖(標高2,978M)が見えます。
奥聖への登山道にはチングルマのお花畑(千葉県・Oさんの提供写真↑)があるそうです。
私は前聖山頂にとどまって登頂の余韻に浸りました。 そしてなぜか安らいだ気分に包まれました。
+パワー炸裂の千葉の三人組。 山頂ではそのほか皆さんからも祝福の挨拶・言葉を頂きました。
どうもありがとうございました。
記念のTシャツ。 どこで買ったんですかとよく訊かれましたが 聖平小屋で買えます。
7:10 下山開始。 小聖への稜線は ラクダのコブの様にうねっています。
易老渡までの下りの標高差は2,200M。 これまた長い下りの急登。
上河内~茶臼~光の稜線は何度眺めてもいい。 もしまた来る機会があったら畑薙大吊橋から入ります。
振りかえれば、ご覧の様に砂礫の登山道。
小聖から薊畑への途中からの 聖岳。 急にガスってきて これが最後の見納めとなりました。
薊畑のお花畑。
8:15 薊畑へ到着。 上河内岳のビューポイントですが ガスってきた。 サブザックの荷を解き、ザックに収納。
最後の百名山、 山の天気は微笑んでくれました。 !(^^)!
8:50 もうここからは下るだけです。 易老渡(標高820M)までの標高差は約1,600M、 その手前の便ヶ島まで約1,400Mもある。 千葉の三人組の後をフォロー、 追いつけないが いいペースで下る。
でっかいキノコ、 綺麗が故に毒がありそう。 (笑)
苔平、 名前の通り。
標高差が示す通り、急登の斜面が続く。 展望のない樹林帯、便ヶ島からの登りのコースもキツそうだ。
10:34~10:47 西沢渡。 三人組は先着し行水? 私も参加します。
増水がない場合はこの木橋で渡れます。 渡れない場合は人力篭(ひとつ上の写真)で渡渉。
トンネル。 ここは昔 木材トロッコ列車が通っていたようです。 西沢渡からは林道歩きとなります。
11:23 便ヶ島へ無事下山。 薊畑から休憩含め約2時間半、コースタイムは約3時間半なんでいいペース。 ”熊に注意” - やっぱりクマも出るんだ。 厄介な山は共通してますね。
ここから千葉のOさんの車に易老渡まで便乗させていただき 助かった!(O様、 写真提供含めありがとうございました。)
11:40 易老渡へ到着。 マイカーを確認。!(^^)! 手早く荷物を整理し 易老渡を”脱出”。
ブログではまだ99座の途上ですが、今回の聖岳登頂で日本百名山完登となりました。
・・・・・
若き頃抱いた夢がありました。
その夢が終わり、シニアになってから山登りを再開し 日本百名山完登というおぼろげな夢を抱きました。 それが願望となり 一座一座踏破、やがて目標に変わりました。
まさか、 まさか 達成できるとは思ってもみませんでした。 夢でした。
夢のあとに また夢があったとは。
そしてこの続きがあったらいいですが・・・・・・ 世の中には夢や願望すら持てない人が多くいらっしゃるなかで こんなブログを書いていられることに感謝すると同時に、 こんなことを書いていていいのかとも感じる時も多々あります。 でも私のようなどちらかというと非力で岩登りもできないものでも、願えば叶うかもしれないし やれば出来るかもしれません。
皆様のご支援、励まし、叱咤も含め誠にありがとうございました。