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今回は3泊4日で北アルプスの「最深部の山」を予定していましたが、「登山天気」予報では台風接近の為晴天は3日ともたず。急遽予定を1泊2日に変更して北アルプス三大急登のひとつ、ブナ立尾根から裏銀座縦走路にある山へ行くことにしました。今回このルートは初めてです。
マイカーで信濃大町から高瀬川沿いの車道を進み、深夜に七倉山荘到着。平日なのに駐車場に半分くらいは埋まってました。
朝まで車中泊、5時半まで6時間近くぐっすりと休みました。朝6時から運行開始のタクシーはスタンドバイしていました。大急ぎで身支度し、タクシーに乗り込みました。
ここから先は東電の管理道路で一般車は通行禁止です。*写真は帰路撮影
高瀬ダム堰の上までタクシーで15分ほど。タクシー代は片道2,100円ですが相乗りで1,050円。山荘からダム堰まで歩くと往路1:30復路1:15のコースタイムです。
ダム堰上を06:24に出発。
ダムから不動沢トンネルを歩きます。
トンネルを抜けると不動沢にかかった長い吊橋を渡ります。長いので揺れます。(笑)
ここから裏銀座縦走路稜線が見えます。稜線にはかすかに尖ったピークが見えるような・・
左手には高瀬湖(正式名は高瀬ダム調整湖)、常念山脈と裏銀座縦走路の峡谷に挟まれた湖。
右に濁沢を流れる無名滝を見て、白い砂礫の上を進みます。
沢にかかる木道を渡ります。今夏の豪雨で流されたとのことですが復旧してました。
裏銀座登山口、No.「12」ここがブナ立尾根の取りつきです。06:52
いきなり急登がはじまります。鉄パイプやグレーチングでつくられた階段が高低差50Mほど続きます。
尾根には番号表示があり12(登山口)から0(縦走路合流ポイント)まで区切られて表示され、どのポイントにあるのかわかりますが・・・先は長い。
尾根の右手を巻いて登っていきます。ブナ林の間からは濁沢上部が崩落し白砂の岩壁が見えます。この濁沢からが高瀬湖へ大量の白砂が流入するので、トラックで採取運び出しているとのことです。(放置するとダム湖が埋まってしまう)
番号がだんだん減っていきますが、急登が続きキツくなります。
起床して大急ぎでバタバタとパッキング、余分な?モノ(2泊分の着替えと非常食)まで詰め込んでしまってちょっと重い。交通機関を使うつもりで自宅を出る時点で完璧なパッキングをしておくべきだった。マイカーの場合、山用具をトランクスペースにランダムに入れておいて登山口で様子をみて必要なものを詰め込むという行き当たりばったり。このパターンはよくないと反省。
ここが三角点標高2,208M、NO.4、残りは1/3。 09:24~09:38
樹間からは、餓鬼岳から南下する表銀座の稜線、船窪方面も見えてくるので閉塞感はない尾根だがとにかく急勾配である。
タヌキ岩、どこがタヌキなのか?
標高を標高を上げていきますが、はしご、ロープ、クサリ場もあります。危険個所はないが注意して登ること。(下りはことさら急がないこと。)
苦しいところですが、少しずつ視界が開けて稜線の眺めに助けられます。
NO.1 の標識に出ました。あと1区間です。
七倉ダム(高瀬ダムの手前、七倉山荘の近く)や大町市街も見える。右の山は唐沢岳(餓鬼岳の前山)、そして常念山脈が続く。
もうすぐ稜線、北面の視界が一気に開けます。 南沢岳、不動岳(その後に船窪岳)から七倉岳へ続くやまなみ。南沢岳の左奥は立山、不動岳の奥は針ノ木岳と蓮華岳。
ブナ立尾根と裏銀座縦走路の分岐に到着。烏帽子小屋も見えました。
11:11到着。 高瀬ダムから登り続けること5時間弱(うち ブナ立尾根は約4時間20分)、三大急登のひとつと云われるだけあって楽な登りではなかった。
烏帽子小屋前からは赤牛岳、奥には薬師岳。清涼感あるアルペンビューが待っていた。いつまでも小屋前ベンチから眺めていたい風景です。
ブナ立尾根からのGPSのトラック。 ブナ立尾根登山口~烏帽子小屋までの標高差は約1,200Mだが、距離はわずか3.4KM。平均勾配はなんと19.5°、楽に登れる尾根ではない。合戦尾根や早月尾根よりも圧倒的に急勾配。でも、標高差2,250M、距離16.5KMの早月尾根とは比べ物にならない。
烏帽子小屋で休憩。後立山へリンクする船窪新道を切り離せば、ここは裏銀座コースの出発・終着ポイント。
大半の方はここ烏帽子小屋で泊まられるようです。スマホの「登山天気」を再チェックすると翌日一杯は晴天だが翌々日は悪化の予報。翌日中に”確実に”下山する想定で考えてみた。(高瀬ダムの迎えタクシーは17時がデッドライン)大半の方とは逆の発想で考えてみました。
他に選択肢はあるが、このまま裏銀座縦走路を野口五郎岳まで歩くことにした。
45分ほど休憩し、烏帽子小屋を出発。 小屋から見えるピークはニセ烏帽子岳。
ここから標高2,924Mの野口五郎岳まではコースタイムで約3時間半、標高差約400M、アップダウンが待っているが、素晴らしい展望の歩きが期待できそうです。
続く#59120;#59120;#59120;