今年のGW連休は青森・秋田あたりの山を登ろうと思っていましたが、天気予報では晴れの日は続かないようでとりやめ。もう少し近い信越の山に変更。
選んだのは新潟三条市にある粟ヶ岳、場所的には「越後」に入りそうです。ほとんど知られていない山ですが、三百名山のひとつです。標高は1,293Mと低山の部類ですが、豪雪地帯越後の山です。コースタイム情報もバラついて確たる情報もないし、登られるのは地元の方がほとんど。ヤマレコを見てもトレランをされている方で往復4時間くらい、一般の登山者は往復7時間程度のようであり、私も7時間くらいを目安とすることにしました。
登山口は三条市にある下田村、五百川の上流。あたりは棚田のある風景。バイオトイレが設置された横の駐車場に停めました、20台近くは駐車できそうです。どうやら私が最初のようですが、しばらくして地元ナンバー新潟の車がもう少し奥に入っていきました。20Mくらい先にある駐車場に停めて早々と出かけられたようですが、登山目的ではなさそうです。
時期的には残雪期で、低山でも標高差は1,150Mくらいはあり楽に登れる山ではなさそうだ。雪は多くなさそうでピッケルと8本爪アイゼンは車に、4本簡易アイゼンを選択。日中は天気も良さそうで風もない予報なので、極力余分なものは省く。途中水場もあるので水はペットボトル3本。今回デジイチは車に置いてコンデジのみとした。こんな時に限って絶景ということが多いがまず軽量化だ。
奥の駐車場は登山ゲートの横で、登山届ポストあり。近くにトレッキングガイドなる地図あり、コースタイムは山頂まで4時間と記載してあった。一般的には往復7時間くらいのロングコースである。途中の薬師奥の院まで約1時間半、そこから山頂まで2時間半くらい、下山は3時間弱くらいとみて登山口を5時16分にスタート。
掲載予定の写真が多くなってしまったんで、スライドショーにしました。拙いまとめ方ですがよろしければクリックしてご覧ください。できればフルスクリーンで見ていただければ、いい山なんだとわかっていただけるのではないかと思います。
山頂へは9時ぴったしに到着、登山口から約3時間45分かかりました。
中央登山道から登られた方がすでに山頂に、私が2番目のようです。地元の方ですが、登山口から約3時間ほどと健脚の方。でも、キツいと云っておられました。ほどなくすると中央登山口方面から次々に登ってこられます。下田側からも登ってきます。
私が座っていたベンチに居合わせた山トレランガール様はなんと下田側から2時間半くらいで登ってきたとのこと。彼女曰く、この山は地元の方がほとんどのようで健脚のリピターが多く、「この山を登れればどの山でも登れると聞いてます」とのこと。・・・「東京からです」と答えると、『遠路から新潟の山を登ってくださって嬉しいです』と爽やかな言葉を残して駆け下りて行きました。バリを「変態」呼ばわりする伊豆ヶ岳の山ガールさまとは出来が違う!(笑)
360度全方位遮るもののない山頂からの眺めは標高1,300Mもない山とは思えない天空感で文句なし。まず目に飛び込んでくるのは神楽峰や福島の山々。振り返れば守門岳と浅草岳、その間に魚沼駒ケ岳、中ノ岳、そして台地のような平ヶ岳。更には奥会津の山々。霞んでますが、頚城山塊もおぼろげながらに見えます。西は越後平野、弥彦山、その奥に佐渡が見えるはずとのことですが、はっきり視認できず。北は飯豊連峰・・・飯豊本山、大日岳、杁差。そして昨年同じ時期に登った二王子岳も印象深い。その横に月山か鳥海山?
やはりデジイチを無理して持ってくるべきだった。しかたなく小型1.7倍のテレコンバーターを付けてアップしてみるが解像度は落ちるし手ぶれですっきりしない撮り映えで、X2のデジタルズームのほうがよく映りそうです。
風もなく適温、山頂からの風景を楽しみついつい長居してしまいました。でもこの長居が結果的には正解でした。
10時15分に下山開始、加茂市の水源地からの中央登山道の尾根を右手に見ながらコブのような午の背尾根を下っていきます。
途中午の背ですれ違った上りの登山者の方より「5~6合目登山道で月の輪クマ二匹目視、一匹は全長1.5M」との情報あり。5~7合目の尾根道にはイワウチワの群落もありますが、クマ鈴を手に取って鳴らしながら、時折手で叩き大きな声を出して下ります。北海道の方にはこれが一番いいと教えていたを思い起こしました。ことさら急いでも仕方ないんで淡々と下ります。5合目の奥の院で小休憩、ここからは新緑の明るいライムグリーンのブナ林を下り登山口へは12時半に下山。帰路は約2時間15分、往復行程時間は丁度6時間でした。多分これが一般的なコースタイムに近いと思います。*追記:ヤマレコには4時間くらいの記事が多いですが、ほとんどは地元新潟のリピーター、トレランや健脚のヤマレコメンバーですので一般登山者には参考になりませんのでご注意を。
変化に富む登山道、新緑のブナ道、残雪の稜線歩き、遮るものがない天空間一杯の山頂と周囲の山々の大展望。楽ではないタフな山でしたが、季節的にも登り頃で美しいライムグリーンのブナ道と残雪の尾根歩きを楽しむことが出来ました。久しぶりに、いい山を登ったという実感あり。地元新潟の皆さんにに愛される所以がわかりました。帰路渋滞時間帯を避ける目的もあり栃尾温泉に浸かってきました。これまたいい泉質で、しかもシニア割引でなんと250円とは大サービス。 残雪の山登りはまだこれから梅雨明けまで楽しめそうですね。