例年とは違って今秋の天気はスッキリしないですね。秋晴れと云えるのは数日のような印象で、コロナ禍もあって出かける機会が大幅に減っています。本日はクルマに関することなので、興味がない方はどうぞ適当にスルーしてください。
新しいクルマKICKS、乗ってすぐ体感するのはe-POWERドライブです。搭載されたe-POWERユニットはガソリンエンジンが発電機を駆動させ、発生した電気(バッテリー)によって大出力モーターを動かすというもので, 加速性やレスポンスのよさ、走行時の静音性は今までのハイブリッドとは異なるフィーリングです。過去に違和感のあったエンジンの充電タイミングも改善され、特に一般道での走行時にはe-POWERの快適さを体感できます。高速巡行の場合はバッテリーが追い付かず発電機=エンジンがほぼフル稼働状態になるので燃費は悪化しますが、エンジン音は比較的静かな部類だと思います。また他社のハイブリッドのようにトランスミッション(変速機)はなくモーターでダイレクトに車軸を加減速します。これがワンペダル走行(アクセルのみ)を可能にしています。以前指摘されていた加減速感も修正されてマイルドになり、少し慣れれば高齢者向きかもしれません。私もほとんどワンペダルで運転してますが、ブレーキを踏む機会は激減しアクセルとブレーキを何度も踏みかえる面倒さと疲労感は軽減されました。
ノーマルモードに切り替えれば、ふつうのアクセルとブレーキを使う2ペダル運転も可能ですが、ワンペダルの使いかってにはまってしまうと他のハイブリッドには戻れなくなるかもしれません。あくまでも感覚は個人的なものですが、ハイブリッドカーとはいってもメーカー・タイプにより異なります。ハイブリッドを購入される場合はカタログ値や燃費だけでなく、かならず試乗されることをお薦めします。それぞれ好みのフィーリングと価値観で選べばいいでしょう。走行距離1,800KM を越えましたが高速巡行が多いので平均燃費はリッターあたり19.8KM、今は燃費をモニターしていますのでことさらエコ運転にこだわらず普通に運転しています。燃費の良さを重視するなら三河の徳川家康でしょう。
高速道路でもe-POWERとプロパイロット(前車との車間追随、車線保持機能)との相性がいいと思います。プロパイロットでの加速・減速はトルクの強いモーターで制御するため、ギアチェンジもなくパワフルに加速しスムースに減速します。車線保持機能の信頼性も改善されているようでRのきついカーブでも驚くほど踏ん張ります。夜間でもトレース、ただし夜間の本格的な雨天時は認識レベルが低下し機能オフ警告される場合があります。プロパイロットのおかげで高速道路でのロングドライブも快適で(←この点が最大のメリット)、クルマとしての基本走行性能は期待通り。外見もコンパクトなSUVですが車内は思ったより広く高さもあり開放的です。オールラウンドに平均的優等生の他社のクルマと比較すると一長一短、見劣る点もある。SUVなのに4WDが設定されてないのは降雪地域では決定的なNG、商品戦略が欠落している? 以上が約1,800KM走行したレビューです。
また近年のネガティブなイメージや低迷する業績から、このメーカーのクルマを買ってよかったのかな?という懸念もありました。乗ってみるとそれらは相殺され+++、私にとってはいい選択肢となったように感じています。
基本性能以外では、9インチ(パナ製)ナビは大きく見やすいがルート検索はイマイチ、スマホ連携で検索した方がいいかも。まだ使いこなせない機能多し。ドラレコは前+後方カメラですが、駐車時衝撃を感知した場合録画するとなっているが本当に機能するのかな? アラウンドビューモニターは屋外や一般の駐車場では有効だが、我が家にあるビルトインの狭い駐車場ではセンサー感度を低くしないと十分に機能し得ない感じです。すべてナビの画面と連動しているのでメーカーオプションとして同時購入せざるを得ないハメになっています。
意外に便利だなと思ったのがインテリジェントルームミラー。後席やラゲッジスペースに荷物やカバンを天井まで積載しても、バックミラーから後方カメラモードに切換えれば後部視界が確認できます。
【従来のバックミラーモード】 【後方カメラでモニターに切替】
ここからが本日のテーマ。車内後部荷室の段差解消
ラゲッジ積載容量はクラス最大級だが、ダメなところは大きな段差がある荷室構造。後部がフルフラットにならず、SUVユーザーが多いであろうアウトドア派や車中泊派には不満が残るでしょう。今まで乗っていたShuttleは室内レイアウトが巧みで、後席シートはたためば段差のないフルフラットフロアになり175CMくらいの身長までカバーできほぼ完璧な車中泊ワゴンでした。
BEFORE: 御覧のように↑後席を前にたたむとこのように大きな段差があります。気になりましたが百名山も一巡し車中泊の機会もほぼないだろうと、e-POWERとプロパイロットに惹かれて買っちゃいました。でも長距離ドライブや登山ではちょっと仮眠したい場合もあるし、これから自然災害もありそう。一時的にはコロナ禍下や混雑する避難所での滞在よりも車中の方が良いという選択もあるかもしれません。インバーターを付ければ給電も可能とのことです。
BEFORE: 段差は約17CM くらいと大きく、段差解消になにか詰め物をすれば解消するというレベルでは到底ありません、NG! これでは前席シートを後方にリクライニングするか後席にエビのように体を丸めて休むしかなく、いづれもエコノミークラス症候群となります。後部ラゲッジルームのスペースが後席をたたんだレベルと同一になるようなラゲッジトレイをオプションでもいいから着けられるようにしてあればとメーカーに望みます。コンパクトSUVクラスでは荷室積載容量はあるが、長尺モノを積むアウトドア派や車中泊派にとってはこの大きな段差は決定的なマイナスポイント。あとは後席と前席とのギャップ。積載空間を出来るだけ減らさずに段差を解消できる方法はないか? 改造できないか?
ネットで調べて思考を重ねたが、既製品のマット等では無理。いろんな方法があるが一長一短。このクルマの空間の広さを極力スポイルせず見栄えも良くしたい。結局自分でなんとかするしかない。試行錯誤の上、以下のような改造をしてみました。
段差解消のためにラゲッジスペースに小径で強度のあるイレクターパイプでフレームを作りました。パイプカッターで切断し、コーナーや接続部はアタッチメントを使って組み上げます。*折り畳んだ後席シートとの角度差がないよう後部に向けて緩い斜度をつけました。このフレームの上に厚さ10㎜の合板を置くことにしました。ホームセンターでカットしてもらい、コーナーは自分でヤスリがけします。(注*登山口駐車場はバックで駐車すると後部が高くなっているところが多いので、この後部への緩斜面で幾分かオフセットされ水平に近づき寝やすくなります。)
フレームをラゲッジスペースに置いてみました。中央部を補強するため横方向にパイプを入れ、更に縦方向にも補強できるようジョイントを入れましたが、横方向だけで十分でなので縦方向にはパイプを入れず。その上にボードを載せてみました。
ピッタシ設置できました。段差は合板側を意図的に数ミリ低くしてあります。合板のままでは不細工でカッコ悪いですね。ネットで購入した厚さ3mmのパンチカーペットを貼ります。色は黒とダークグレイのミックスでやや明るくしました。カーペットをカットしドライヤーで角部分温めて折り曲げやすくし、裏側でタッカー(ホッチキスのようなもの)で留めます。これで数ミリの段差も隙間もなくラゲッジボードは完成。
荷室と後部座席をたたんだスペースだけでは身長をカバーできませんので、前席とのあいだのスペースを活用することが必要です。前席と後席の隙間を解消する方法として四角いエアクッション等を入れる方法もありますが、車外へ出る際の靴類が置けなくて不便です。またサイズ・高さがピッタシ合うものがなく却下。折りたたんだ後席ヘッドレストを取り外してその部分に隙間を埋めるボードを取り付けられるよう考えましたが、ヘッドレスト取り付け部分に負荷となって損傷する可能性あり、これも却下。結局以下のようにしました。
イレクターパイプで支持するフレームを組んで、その上にパンチカーペットで覆ったボードをネジで固定し、左のメインボードは助手席側との間に置きます。ここに頭部(枕)を置く部分ですので折りたたんだ後席シートにあわせてやや角度をつけることにしました。一人車中泊の場合は助手席側に設置、二人用はパイプを延長して運転席側にサブボードを取り付けてみました。助手席側は奥行きを最大限にとりメインボードのスペースを確保します。(この場合、助手席を最前方にスライドさせておきます。)運転席側はシートポジションは変えずにすぐ運転できるよう、サブボードの奥行きは短くしてあります。この下には靴類やステッキが収納できるメリットがあります。
上述のメインボードとサブボードのユニットは簡単に分解(左)、右の写真のようにラゲッジボード下に収納できます。更に余ったスペースには車のメンテナンス用品・△停止板やピッケル、ストック、枕を収納しました。こうしてフレームスペースは無駄なくアンダートレイ化ができました。
後席シートはそのまま、アッパートレイ(上の棚)をつけた通常のモード。アッパートレイを外せばかなりの積載スペースがあります。例えば、アッパートレイを外して荷室に置けば段差解消できるといった工夫や方法をメーカーには考案して欲しかったです。メーカーの開発陣はこんな大きな段差に気づいていたと思いますが・・・出来ないことにチャレンジする、どうしたら出来るのか、それがこのメーカーに求められるのではないでしょうか?
作業自体は素人でも難しくありませんが、その前の採寸や位置決め・調整には腐心しました。
(折りたたんだ後席シート部は横たわると体重でもう少し沈みますので、角度差はなくほぼフラットになります。)
これが車中泊モード。ワゴンのようになりました。助手席側は175CM+、運転席側は160CM+のスペースあり。この上にウレタンの銀マット、エアマットを敷けば夏場はクリア、春と秋は+毛布、寝袋に潜り込めば寒さは凌げそう。冬は? 窓からの冷気対策が必要でしょう。
以上にて、車中泊改造のBEFORE-AFTERでした。積極的に車中泊する気はないが、こうして出来上がりを見ると一度トライしてみたいような気もしますが・・