大菩薩連嶺の最南端にある滝子山、秀麗富岳十二景 四番山頂。中央道を通るたびにいつか登ってみたいと思っていました。
ここはいろんなルートで登れますが、年甲斐もなくVルート(破線バリエーション)の寂ショウ尾根で登ってみることにしました。
大月ICから甲州街道を走行し吉久保で細い道に入り、中央道陸橋を越すと登山口駐車場のある桜森林公園に着きます。公園の前の獣防止フェンスを開けて入り再度閉じて閉じておきます。(当日は通行可能でした。)
桜森林公園の桜はほぼ満開でした。登山ウエアに着替えて出発。
寂ショウ尾根への入り口。ここを右へ進んでから道は左に大きくカーブしていきますが、どっちみち寂ショウ尾根はバリエーションと思い、そのまま尾根方向に進み尾根の末端部から直登開始。
ところが踏ん張らなければならない力の要る登り。ちょっと道を外したのかなと感じつつ、尾根の中央で方向は外していないはず、そのまま進みました。見た目よりキツイい、最初からて手こずるハメになりました。この日の下界温度は20℃以上で、風もなくどんよりとした天気です。
送電線鉄塔の手前で左から巻いてくる細い道があるではありませんか、Vルートとは云えその道をトレースすべきでした。もともとVARIATIONは変わっていくことを意味するんで、これもVルートの登り方かもしれません。(笑) とはいうものの、気温も高く#59124;初っ端から消耗させられました。
少し登ると大鹿林道にでました。
林道を少し右(東)に進むと寂ショウ尾根への取付きポイント、小さな標識があります。滑りやすいので補助ロープあり。
ここからしばらくは緩斜面の、落葉した樹林帯の尾根を登っていきます。
ミツバツツジ
春らしい山景色です。緩い勾配ではありませんが、気持ちよく歩ける区間です。でも、曇っていてこのあたりから見れるはずの富士や南アルプスの視界はなし。
鳥獣保護区の標識があるあたりから、急勾配+岩場の登りがはじまります。
難度の高い岩場はありませんが、断続的に何カ所もクリアしていかなければなりません。
この岩場と格闘しなければならない登り、序盤で消耗した身には堪えます。
ロープや鎖はありませんので、ストックを収納し三点支持で登っていきます。
写真でみると一見 横にエスケープ出来そうに見えますが、両サイドは切り立って逃げられません。岩場の上をクリアしていくしかありません。
浜立尾根が見えますが 途中に小ピークがあり意外に時間がかかります。
見晴らしの開けた尾根からは富士山、丹沢、南アルプスが見えるはずですが、遠景はガスったまま。気持ちのいい景色があれば脚も前に出るんですが・・・
ようやく浜立山分岐にでてほっとしました。
ここで岩場は終わりですが、バリエーションの岩場はタフで気を使いました。
ここから浜立尾根を山頂へ向かいます。
大滝山山頂が見える・・・と思ったら、まだ。その先に小ピークがありました。
振り返ると樹間から寂ショウ尾根の上部。やはり急峻な尾根の登りでした。
ようやく滝子山。もう偽ピークはないはず。
滝子山山頂、標高1,620M。 秀麗富岳十二景 4番 ですが、霞んで秀麗な富士山はまったく見えません。
昼食をとりながら約40分粘ったんですが・・・・最後まで見えず。
雲がなければ、こんな風に見えるはずなんですが・・まぼろし(登山口ナビより借用、トリミングしました。)
すそ野まで見えるくっきりした眺めを期待して登ったんですが、落胆に変わりました。残念ながら、ピークハンティングだけの山登りって印象に残らないですね。
左から、大谷ヶ丸、ハマイバ丸、黒岳か牛奥、右が雁ヶ原摺山。大菩薩連嶺方面もこの様にスッキリしません。
30分ほどして寂ショウ尾根からおひとり登ってこられました。東京から中央線で来て、大谷ヶ丸経由で下山されるとのこと。毎回上りは寂ショウ尾根とのこと、健脚ですね。今回の山行で唯一出会った方でした。
下山は北側の大谷ヶ丸分岐からぐるっと道証地蔵へ下ります。
寂ショウ尾根の下りは、かなりヤバイそう。お薦めしません。
大谷ヶ丸分岐からは歩き易い緩斜面の下りです。
沢沿いの道となります。こんな気持ちのいい下りがずっと続けばいいのですが・・
曲沢峠分岐をすぎ、この先落ち葉が多い歩きにくい下り。下りの踏ん張りもキツいですね。
滝状になって水が下る沢沿いを下ります。
スミ沢にかかる最後の木道を渡ると
道証地蔵(みちあかし)、大鹿林道に出ます。
道証地蔵の直ぐ近くに駐車スペースがあり。林道はダート区間が多いですが、凸凹はなく積雪時でなければセダンや軽でも走行できそうです。ここからの林道歩きは長く感じます。右足の親指の下が少し痛い、長い下りで落ち葉がある急坂でつま先に負荷がかかったようです。腰痛はほぼ治ったと思ったら、今度は足先が気になる。なかなかすべてがOKとは云えない年齢に差し掛かったようです。あちこち不具合が出てくるのは運命(さだめ)とはいえなんとか克服するしかない。
道証地蔵が滝子山登山口になっていますが、マイカーでここから登れば往復約1時間の林道歩きをショートカット出来るので大きいと思います。
もしもう一度登るのなら、浜立尾根(Vルート)が面白そうです、すっきりした日に。
登山口の桜森林公園に到着。
総距離12KM弱ですが長いです。登りVルート序盤で手間取って時間がかかってしまったのに、「歩くペース」は標準コースタイムで0.8~0.9と判定。これはちょっと意外(+_+)、これで結構いけるではないか#59120;・・・なんて思わず割り引いて受け取っておきます。
標高図を見るとやはり登りはキツい、平均勾配は約14度で北アの急登コース並。下りの勾配は上りの半分ですが、これも長く感じました。
中央自動車道陸橋近くからの滝子山。左の稜線が浜立尾根、中央の尾根が寂ショウ尾根。
今回も静かな山行を楽しめました。出会ったのは前述したように山頂での1名のみ。それ以外は上り、下りとも誰とも会わず。平日ですが静かな山行を楽しめました。
百名山制覇にチャレンジしていた頃は仕事もあり、週末にまたがる登山が大半でしたが、最近は平日登山で地味な山歩きが多くなりました。そして静かな山旅を楽しむ自分に気づかされました。
だれもいない静かな山に入ると人恋しくなり 人と会わないと寂しくなる、道中おしゃべりもしたいのでソロは嫌だという方も多いでしょう、 それも良し。 でも、私は山歩きを続けるほど静寂に浸り「孤独感」を楽しめるようになりました。傍目から見ると理解しがたい山歩きの魅力かもしれません。 また、本来はひとりで歩くことが心地よく感じるタイプかもしれません。別に人嫌いでもなく、場面・状況に応じた適度な社交性と適合力は身につけているとは思いますが。(笑) 幸いだったのは、たまに一緒に歩く連れ合いも静かな歩き、孤独感を共有できることを発見したことでした。
山歩きをしていると自分が道迷いしていないか、クマや変な人に出会わないか、岩場や急登といった難しい場面、予期してなかった局面や事故を一人で切り抜けられるかという「不安」「心細さ」から、複数やグループで歩きたい方も多いでしょう、それも当然です。私もそんな時がありました。でも「不安」と「孤独」は異なります。「不安」はゼロになりませんが、自由にひとり歩きが出来るのは山歩きの楽しみ方のひとつでしょう。
シャガ、自宅からの散歩コースの道端に咲いていました。先月末に撮ったのですが、今年は少し早いかもしれませんね。