日本一早い紅葉を見るなら大雪山。そのなかでも特に早いのが黒岳のようです。
- 山歩き
私たちが滞在した1週間(6泊7日)で晴れの予報は到着した翌日と翌々日だけでした。前回の記事通り翌日は十勝岳、翌々日は層雲峡から上る紅葉の名所黒岳を予定しました。美瑛から層雲峡まで約1時間半のドライブ。
この日は土曜日で大雪山系紅葉シーズンの最初の週末。出来れば避けたかったんですがお天気優先としました。やはりロープウェイ駅駐車場は満車、臨時駐車場であるビジターセンターに停めることになりました。
層雲峡駅から5合目まではロープウェイで上ることになります。乗車人数は定員の半分程度に抑えられていますが、やはり「箱」=キャビンのなかですのでとても気になります。マスクは航空機内同様N95に準ずるタイプを着けて、「黙乗」です。幸いにもキャビン内は会話している方もほとんど見受けられず抑制的。
ロープウェイから見る大雪山。天気は大丈夫! ロープウェイ区間の紅葉はまだのようです。
さらに7合目へはリフトを乗り継ぐことになります。
リフト区間でも紅葉はまだですが、エゾエゾリンドウが多く咲いていました。
トップの写真のように黒岳東面には紅葉がみられ、期待が膨らみます。
リフト終点駅↑から登山口へ、7合目登山事務所で入山届リストに記入。ここから黒岳山頂までコースタイム約1時間余とあって、多くのハイカーが登って行きます。
黒岳までは急登が続き道幅も狭い登山道が続きます。大半の方はマスクを着用。ここでは我々もマスクを着用して登山開始。路肩が広く休憩できる場所や前後に人流が切れたときはマスクをはずしてフレッシュな山の空気を吸って一息つきます。(最近は山中でもマスク着用率が上がっているようです。観光客>ハイカー>登山者という傾向はどこでも同じ。)
視界の開けた登山道からは、層雲峡を挟んで対峙する北見側のニセイカウシュッペや武利岳といった1,800m級の山々も見れます。
麓の層雲峡では紅葉はまったく見られませんでしたが、少しずつ紅葉風景が目に入り気分を和らげてくれます。
標高を上げるにつれて、紅葉風景が広がります。層雲峡に下る北東斜面の紅葉のグラデーションに圧倒されます。道幅や路肩が広いところからの撮影ならいいですが、だんだん詰まってきます。
まねき岩が見えますが登るペースが上がりません。上部になるほど道幅が狭くなり、山頂から折り返してくる登山者の往来で待ち時間が多く時間がかかります。本来は上り優先ですが・・「登山者」の道だとばかりに下りてくる、そのような方に限ってマスクなしが多い。ここに限らず、最近はそういった傾向がみられます。なぜなんでしょう? 嘗ての登山愛好家は優しかったはずですが・・
まねき岩越しには東大雪の山が視界に入ると山頂は近いはず。東大雪の山も紅葉が進んでいます。
ようやく黒岳山頂(1,984M)に到着。GPSの記録をみると歩きはじめてから約1時間35分、コースタイムの1.5倍以上でした。紅葉の本格化した最初の週末です。往来の多さにストレスは否定できませんが、休み休み紅葉を眺めることも出来ました。
お鉢方面をズームアップ。火口縁稜線越しに見える山は主峰・旭岳(2,291M)です。
ここから旭岳までの縦走路があります。前回は6年前の初夏7月上旬に黒岳に登りました。その時も縦走を検討しましたが車の回収が難しいので断念しました。旭岳温泉と層雲峡温泉の間で直通バスでもあれば可能ですが・・ありません。登山ツアーなら縦走プランも可能でしょうが、気ままな山旅なんで仕方ないですね。今回旭岳は翌週に姿見平から登ることにしました。
黒岳山頂は台地状になっていますので、360度の展望です。
画角の広い携帯で撮ってみました。西側にはお鉢平に続く縦走路、左から北海岳、旭岳、中岳、北鎮岳、凌雲岳。雪渓がところどころ見られますが、この頃はまだ初冠雪の2週ほど前です。
南面、右から白雲岳、小泉岳、赤岳への稜線。赤岳から銀泉台へ下る稜線越しには東大雪の山々。ウラシマツツジやチングルマの紅葉、草紅葉が点々と見られます。(「大雪山」とはこれらの山々の総称で、大雪山という固有の三角点や山頂はありません。)
烏帽子岳の斜面はハイマツと広葉樹の紅葉とのコントラストが見事です。
お鉢平の草紅葉と旭岳。
山頂北端から(左から)北鎮岳、凌雲岳・・上川岳?
層雲峡を見下ろすと、渓谷には柱状節理の断崖。
昼食をとりながら1時間ほど山頂で過ごし、下山します。
黄・紅葉が素晴らしいです。
黒岳東面の紅葉が丁度ピーク。この紅葉グラデーションを見ながらの下りは最高です。
この辺りは8~9合目あたり。見下ろすと、リフトの始発駅とロープウェイ駅がある5合目。1週間か10日くらいで紅葉が移っていき、麓の層雲峡でも見られるでしょう。
多分ナナカマド。実際にはもっと綺麗で鮮やかですが、うまく撮れませんでした。
まだ花も残っていました。ダイセツトリカブト
? → ウメバチソウのようです。(いろはさん、achami さん、ありがとうございました。)
? ピンボケの花
リフト区間には、エゾオオヤマリンドウのお花畑が続きます。白いリンドウも見られました。
黒岳の紅葉は今回最も楽しみにしていました。紅葉の始まる時期でしたが、7合目~山頂区間は素晴らしい紅葉のなかを歩くことが出来、山頂からの壮大な眺めも満喫出来ました。
今まで山のぼりでいろんな紅葉に出会いました。全山燃えるような栗駒山、立山~黒部平の紅葉も素晴らしいですが、何と云っても穂高・涸沢カールの紅葉が圧巻です。山岳紅葉という点では、大雪山黒岳の紅葉はその涸沢にも迫るような素晴らしさを感じました。
下山後、時間があったので東大雪へドライブ。紅葉の名所である大雪高原や銀泉台へのシャトルバスターミナルに寄ってみました。短時間でもいいから行って見ようと思いましたが、バス運行は10日後からと掲示されていました。標高の低い麓の紅葉はまだのようでしたので層雲峡経由で戻ることにしました。今年の紅葉は例年に比べると遅いようでした。近年は気象変動の影響でしょうか、サクラや紅葉の時期は「例年」通りにはならない場合が多々ありますね。
今回の山旅を企画した時、行程の後半は大雪高原や銀泉台も視野に入れて層雲峡温泉郷に宿をとりました。食事についてホテルに直接確認したらサイトに記載してあった「個別配膳」ではなく、取り分けられたお皿が置いてあるだけで実質的にはオープンな「ビュッフェ」形式であったこと、さらに層雲峡は美瑛から無理なく日帰り出来ます。層雲峡の宿をキャンセルして、美瑛のレンタルハウス滞在を延長して美瑛をベースにして行動することにしました。結果としては運よく?正解でした。「安全」かも?しれませんがやはり「安心」な旅であって欲しいです。予約サイトには「コロナ感染対策実施中」と記載されていますが、どのように実施されているのか? 状況に委ねるのではなく、まだしばらくは自分で極力リスクコントロールできる旅行、移動をしたいと思っています。