前記事の続き、レッチェン谷(レッチェンタール)、山峡の展望と花のトレッキングコースです。アレッチ氷河から続くレッチェン谷は世界遺産に指定されています。
ここレッチェン谷はベルン地域ではなく、バリス(バレー)地域です。昨年、ローヌ谷のグリミシュア(シオン)に滞在した時、ここを訪れる予定でしたが都合で来れませんでした。今回の旅では必ず行こうと決めていたレッチェン谷、天気もよくチャンス到来。
最初は自転車コースと共用ですが、ここから分かれてトレッキングコース専用コース。やっぱり山歩きに慣れると舗装路のない山道は歩き易いです。上方にある家は煙突があるので民家のようです。
高い山はビーチェホルン標高3934M。日が上がって山なみが眩しいです。
沿道には花が色とりどり。もう少し絞るか、フィルターを付ければよかったんですが・・・
レッチェン谷を挟んだ南側の山々。左は前掲したビーチェホルン、幾分ワイドアングルで撮ってみました。ビーチェホルン下を覆うのはネスト氷河、ビーチェ氷河です。融水は谷あいをくだりレイチェンのロンッア川に合流します。中央右のピークはヴィラーホルン標高3307M。日本の山では奥穂高・北岳を越える山なみが次から次へと続いています。
日本アルプスでこのような風景を見るには、麓から千メートル以上の標高差、急登を自分の足で片道4~5時間以上は登り続けなければ展望の開ける稜線に立てませんが、スイスでは山岳交通機関であっという間にたどり着けます。また日本の山はコースタイムの長いこともあり山小屋泊か直ぐ折り返して下らなければなりません。自分の足で登るという楽しみと充実感は何物にも代えがたいですが、老兵にとってはやはり大きな負荷です。スイスの山岳インフラはありがたく、まさにハイカー天国です。
マツムシソウ??? もう少し開花した花をみると、微妙にちがうような気がします。無理して日本の花名に置き換えることなく、現地名で表記したほうがいいとも感じました、
北側にはザックホルン標高3204Mから流れるミリバッハ。ながれ下る氷河の融水と谷間を抜ける涼風が癒してくれます。
シレネブルガリス(マンテマ)
振り返るとラウヒェルンアルプの集落,、木造のシャレーが立ち並びます。背後にはレッチェン谷の西側を囲む山なみ。360°山に囲まれた展望、こういった眺めも素晴らしいです。
〇〇〇ゼラニウム(フウロ)?
ミリバッハが流れる滝を回り込んで標高を上げ突端にでると、ビーチェホルンが面前に。レッチェンタルではどこから見てもビーチェホルンの存在感は圧倒的です。
ベンチは絶好の展望休憩ポイントですが、陽射しが強くスキップします。
トレッキングコースはここからはアップダウンもなくフラット。左の尖った山はテンバッハホルン標高3013M。
肥沃な場所なのか、花畑がいっぱい。どれにフォーカスしようか迷います。(笑)
再び谷を回り込んで渡渉します。
ビールBielというポイント、標高2020Mで多分このコースでの最高所。
分岐にはこのような標識があるので分かりやすく迷うこともほぼありません。山道標識がどこでも統一されているのは、やはり観光立国と感じます。
黄色い花は牛様の消化には良くない?ようで、アルプスでは黄色い花が多く残っています。
丘陵にポッコリと奇岩、真ん中で割れています。
ヴェリッツアルプという小集落に出ます。このあたりの標高は約2100M。車が置いてありますので、途中まで裏道があるんでしょう。
右方の山はロンズエルナーとブライトホルン標高3785M。(北側の山稜にも同じ名前のブライトホルンあり、標高は3780M 、ツェルマットにもブライトホルンあり。)
西側の風景もいいので、幾度も振り返ってパチリ。どこを切り取っても画になります。
山稜の雪のアクセントがいいです。多分10年前くらいは山頂部がもっと雪に覆われていたでしょうね。あと10年くらい経つと、あの山頂の雪も消えてしまっているかもしれません。
ハクサンチドリ? ヨツバシオガマ? まわりの同じ花をもう少し撮っておけば同定しやすいかもと思いました。
標高をやや下げると樹林帯に入ります。
アルペンローゼ
北面の谷間の奥、稜線には氷河、ペテルスグラット氷河の平原。標高2,500M を越えると岩石の山ですが、山上の残雪や氷河がアルプスらしさを演出。雪渓を歩いてみたいですね。
ブライトホルンからAGAIN! ビーチェホルンの山群。眼下にはテリアルプTelialp の集落。標高1865M。トレッキングコースは半ば過ぎ、ちょうどいい休憩ポイントです。
昼飯にパンを持参してきました。ここでサラダやスープをオーダーしてもいいのかなとも思いましたが、テーブルがほとんど埋まっていたのでスキップ。もう少し先にします。
ペテルスグラット氷河を水源とする堰湖。
ここからブラッテンBlattenという集落(バス停あり)まで下るエスケープルートもあります。コースが長いという方にはこの分岐を下るといいでしょう。
もう少し歩いて樹林帯の木陰でランチをとることにしました。標高1800M程度とは云え、陽射しが強く気温も25℃くらいはあります。日本と異なり湿気が少ないので爽やか、エアコンの除湿モードです。
昼食休憩を終えてもう少し進むとシュワルツゼー。ハイカーの休憩ポイントです。眺めもよくベンチもあったので、ここで休憩すべきでした。この山域は概してとても静かで落ち着きます。
入山しているかたは地元の方や近隣国のハイカーがほとんどと察せられます。こんなところを日本人が歩いているのは稀でしょうね。ここではアジア系、インド・中東系の方はまったく見かけません。グリンデルワルトやツェルマットと云った人気の観光リゾートに比べると入山している方の指向もことなるのか、静かな歩きが楽しめます。
ここから樹林帯を左に巻きながら下っていきます。
ナデシコ科の花?
ファフレラルプへ右に回り込む谷へ出ると、再びペテルスグラート氷河。アップで撮ってみました。
センペルビブム
ファフレラルプに到着。この湖をもう少し下るとバーグレストランにでます。そこでバス停を尋ねたら、レストランの西を下ればバス停があるとのこと。
車道に出るとバス停がありましたが、バスターミナルのひとつ手前のバス停でした。バス停から仰ぎみると、左にブライトホルン、真ん中がブライトラウイホルン、右がビーチェホルン。
ラウヒェルンアルプから約4時間10分、ほぼ予定通りです。20分ほど待つとゴッペンスタイン駅行のバスが来ましたので乗車。
ゴッペンスタインでREに乗車し、シュピーツでインターラーケンオスト行に乗り継ぎ。本日のルートはすべてB.O.パスでカバーされます。
いつも通り、駅前のスーパーマーケットで買い物をしてアパートへ帰宅。前日のグシュタード・リンダーバーグのアルプスらしい稜線歩きは楽しめましたが、この日のレッチェンタルのトレッキングは昨年のバリスの山歩きを思い起こさせてくれました。