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もうひとつ登ろう 阿蘇・高岳 [百名山歩き]

11月2日[晴れ] 祖母山北谷登山口から阿蘇・仙酔峡へ。 

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*阿蘇・高岳(下山時に撮影)


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九州中央部の百名山の3山はいずれも標準コースタイム往復で4~5時間で登れる。

しかも、3山の登山口の距離は車で1時間~1.5時間程度。

当然、1日で2山は計算では登れるはずであるが、もう11月。 日の出が遅く、日の入りが早い。

行動時間も短くなる。 6時半~16時半が行動可能な時間帯である。 できれば、4時までに登山口に戻ること。

春の東北遠征では磐梯山と安達太良山の2山を1日で登ったが、安達太良山にはゴンドラという助けがあった。

阿蘇にもロープウェイがあるが、東駅からはずっと運航休止になっている。

難度としては、磐梯山+安達太良山より高いかもしれない。 

ダメなら、予定通り翌日に延ばせばいい、リスクは冒さない。

だから、 いつになく気合を入れて 早朝ヘッドランプまで点けて祖母山へ早出したのである。

(祖母山下山時刻のデッドラインを、 余裕を見て10時、遅くて10時半とした。)

予定通り、祖母山登山口には10時前に下山できた。 新たなプランを実行することに決めた。

祖母山北谷登山口からは[車(セダン)]渋滞もなく約1時間で 11時前に到着。 
(この日は平日【金曜日】なので順調に移動できました。 週末であれば渋滞があり時間が読めません。)

阿蘇は昨年観光で西駅へ、 今回は阿蘇最高峰高岳へ向う反対側の仙酔峡登山口がベースである。

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仙酔峡駅インフォメーションで高岳へ行くには右回りがいいか、左回りがいいか聞いてみた。

登山経験を聞かれた。 → 「いちおう、百名山は半分くらい登っているんだけど・・・」 

案内所のオバちゃんは即座に 「まず高岳に登りなさい。」と云う。 ・・・・・後でわかった。(笑) 

そして、「中岳から火口東駅の間は立入禁止」 となっている。 (風向きによって火山ガスが流出の為。)

「入るのは自己責任ですよ。」 と親切に付け加えてくれました。 (笑)

11時23分に仙酔峡駅駐車場の東口(標高900M)から仙酔尾根に向かった。

青空だ、 仙酔尾根が延々と火口壁頂上へと続いている。

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通称 「バカ尾根」 と呼ばれているらしい。 

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太陽も照り付け、草木もない溶岩石の登山道です。 夏だったら、日干しになる。 

中間点を過ぎ振り返ると、阿蘇のカルデラ、 その先にはかすかに九重連山。

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高度を上げるにつれ 左右が切り立っている溶岩の岩場・ガレ場が続きます。

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登りにくい溶岩の岩場と云われますが、 溶岩石は地面に張り付き登りやすい、 でも結構急坂。

左手には九州のクライマーの修業場、鷲ヶ峰の岩峰。

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右は楢尾岳。 景色を楽しみ、休憩を入れながら登る。

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正面はニセピークが2つほどあります。 尾根はきつくなってきます。 一部クサリ場も出てきます。

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高度を上げると 火口壁が屏風のように立ちふさがります。 最後の急登。[ふらふら]

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ニセピークを超えると、やっと高岳火口壁の稜線、 火口壁縦走路にでました。 

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東の稜線の先は天狗の舞台、根子岳が望めますが 時間が余っている訳ではないのでスキップ。

西の稜線のピーク、最高峰の高岳に向かいます。

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作業員の方が火口壁稜線の標識を交換していました。 こうした登山道の整備のおかげで安心してのぼれるんです。 感謝しましょう。

10分ほどで高岳1,592M頂上に到着。 NO. 58

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まずはピークハントが出来て、頂上で一息。[わーい(嬉しい顔)]


更に中岳へ。 稜線から、根子岳の岩峰が見えます。

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中岳頂上1,508M。 ここから草千里、西駅へも下れます。

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中岳からは火口壁稜線が火口展望所まで続きます。 壮観な眺めです。 


ここから先はオバちゃんが云っていた、立ち入り禁止の標識あり。 

火口周辺では、有毒な火山ガス(二酸化硫黄・SO2)が流れています。

ぜん息、気管支疾患、心臓疾患、体調不良の方は立ち入り禁止です。

火山ガスが発生するのは西駅の火口付近であり、中岳~展望所は火口より離れています。

下の写真のとおり、 この稜線からは火口は見れず、幾分迫力に欠けます。 火口壁と噴煙だけです。

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ここは自己判断と責任で、速やかにとおり抜けさせて頂きます。

火口壁縦走路は両サイドが切れ落ちている場所もあるので要注意。 

”火口”展望所からは 火口もお釜もまったく望めません。 → ”火口”は実際望めない・・・

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観光客のほとんどが火口が覗けれる西駅へ集中し、仙酔峡ロープウェイが運行休止になるのは頷けます。

火口展望所・東駅には監視員すらいない。 魅力あるルートにはリスクはつきまとうし・・・・

でも、 展望所から阿蘇の全貌を見渡せ、その雄大さと地球の息ぶきを実感できます。

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また、西駅は頻繁に立ち入り禁止となりますが、 東駅は火口からの距離があるので、影響は少ないようです。 (昨年西駅火口を訪れた時、運よく火口を見ることが出来ましたが、30分も経つと警報がでて草千里へ移動するハメとなりました。)

突然、警報がでるので 火口も見ずに帰る観光客も結構多いと聞きます。

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*避難用シェルターが何か所もあります。

展望所~東駅~仙酔峡への下りは 背後に高岳~の火口壁、右手は仙酔尾根と鷲ヶ峰を見ながらの下山です。

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こう眺めてみると、仙酔尾根は溶岩のガレ場で、上部はかなり急な岩場、 夏だったら多分酷暑。 

バカ尾根と呼びたくなるかも。 (笑)

正面は阿蘇のカルデラ平原を眺めながらの下山、 天気もよく 思ったより爽快です。 

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下部はススキが阿蘇のとげとげしさを和らいでいます。 残念なのは道が舗装路です。

ロープウェイを支える鉄塔もこのとおり錆付いています。

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仙酔峡駅駐車場へは3時半過ぎに到着。 約4時間の歩きでした。

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【私のコースタイム】 仙酔峡駅駐車場 10:55着
登山口11:23  仙酔尾根分岐13:32  高岳13:43 
火口展望台14:48  火口東駅15:00  仙酔峡駐車場(登山口)15:30

まずは、初日に2山登頂でき、 無事登山口に戻った安堵感そして充実感が湧いてきました。

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*左が根子岳、右が高岳・中岳

阿蘇をあとにし この晩の宿、久住高原荘へ。 

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*九重連山、 真ん中が久住山

天然温泉と地元食材の料理を楽しむことが出来ました。

翌日は、もっとも楽しみにしていた久住山です。

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コメント 23

Umi-Bozu

こうやってあちらこちらの山を見比べると植生が違うので面白いですね。
by Umi-Bozu (2012-11-11 14:04) 

のら人

火山ガスをかいくぐり、次のお山へ …。
楽しそうですね。 ^^
阿蘇独特の特有な山容が素晴らしいです。
温泉と地元の食材(馬刺しかな?)を楽しんで、次ですね。楽しみです。
by のら人 (2012-11-11 15:31) 

OJJ

肥後の国(1592)ではJetstream777 さんの読み勝ちですね~天候も時間も・・
阿蘇では根子岳が好きです~。昨年、旅行で草千里を通った時は霧千里・・・視界は10mほどでした。お陰で馬糞は見えなかった・・・笑)  山一つ越えた湯布院では晴れ!

by OJJ (2012-11-11 16:29) 

Terry

な~るほど、マイレージで行ったんですか。でっかい火山ですねえ。それに地形が変化にとんでて実に個性的。阿蘇だから当然と言えば当然なんでしょうが、あらためて見ると立派な山ですよねえ。日本に火山は数々あれど、やっぱり阿蘇が一番ですよねえ。←と、まだ行ったことないんですが。
by Terry (2012-11-11 16:35) 

hide

これまた一緒のルートですね。
ただ、唯一違ったのは季節・・・私、夏でした。
そう、酷暑のなか仙酔尾根では日干しとなりましたよ。
その仙酔尾根ではスイス人の若者と一緒になり、汗を拭いながら切磋琢磨して登りました。
それにしても祖母山のあとに仙酔尾根とは、それなりにハードではなかったですか?
時間的にも厳しい季節ですが、計画通り!いつもの時間管理が活きていますね。
このあとは久住温泉でリセットして翌日!楽しそ!

by hide (2012-11-11 18:41) 

tochimochi

火山ガスをかいくぐり、息を止めながら(たぶん)のすばやい通過お疲れ様でした。
そしてたどりついた火口展望所からの眺めはすごいですね。
まさしくクレーターを思わせます。
二十歳のころ観光で行ったことを思い出しました。
さらに久住ですか、旅は続きますね。

by tochimochi (2012-11-11 19:31) 

テリー

1日に2つの山の制覇、すばらしいですね。きちんと、時間を計算して、登るのは、さすがです。
天気がよく、眺望に恵まれて、よかったですね。
by テリー (2012-11-11 20:06) 

rtfk

阿蘇山は中学生以来訪れておりません。。。
また行ってみたいところです(^^)

by rtfk (2012-11-11 22:37) 

kuwachan

こんばんは。
阿蘇山は高校の修学旅行で行きました。
熊本~別府に行く途中です。
確か火口は覗けた記憶があります。
by kuwachan (2012-11-11 22:47) 

nousagi

また1日2山ですね。
緻密な計算と、実力があるからこそ
できることですね。
案内のオバちゃん、粋ですね~。(^^)
by nousagi (2012-11-12 09:32) 

koh925

樹木など、遮るものがない景色ですが、どこも足場が悪いようですね、
中岳の火口を見下ろせる近くまで行けたんですが、危険なガス発生では
しかたが有りませんね
by koh925 (2012-11-12 17:19) 

よしころん

阿蘇は風向きやガスの具合によって頻繁に立ち入り禁止になりますね。
たまに亡くなる方もいらっしゃるのですよ。
火山活動が盛んな時期は売店より上に行けないこともありました。
火口は実は自殺の名所でもありましたが、今は近づけないのかな・・・
懐かしく拝見させていただきました♪
by よしころん (2012-11-12 17:23) 

mimimomo

こんにちは^^
お天気が良いのが何よりだと、わたくしは最悪でしたから、それだけが目に焼きつきます。
でもあの馬鹿尾根はもう登りたくないわ~
by mimimomo (2012-11-12 17:44) 

ゆうくん

阿蘇、火山活動ある山聞いてはいましたが、実際に行ってみるとすごいんでしょうね。
写真を見てるだけ見て見たくなります。

by ゆうくん (2012-11-13 10:39) 

ひろたん

>展望所から阿蘇の全貌を見渡せ、その雄大さと地球の息ぶきを実感できます。

  ここに立ってみたいですね
  九州はなかなかいけないです
  こうして写真をみせて貰って堪能することにします
  火口もあるのですよね
  硫黄のにおいがするのですか・・

by ひろたん (2012-11-13 20:23) 

Jetstream777

Umi-bozu さん、 近くの山でも、まったく様相が違うので興味深いです。だから、いろんな山を登ってみたいですね。

のら人 さん、 今年は噴煙を上げている山に結構行きました。 阿蘇の火山のスケールはちょっと比べ物にならないですね。 下界の温泉と食事はいいですね。 やはり俗人から抜け切れません。 (笑)

OJJ さん、 いつもながらのWITですね。(笑) 根子岳の岩峰はすごい! 祖母山より湯布岳のほうが、魅力的にかんじますが・・・ 湯布岳が百名山なら、登る人は多いでしょうね。 麓は温泉だし。
by Jetstream777 (2012-11-13 21:32) 

Jetstream777

テリー さん、 日照時間が短くなる場合は、早出するしかないですね。 今回は気合をいれて早出しました。 早朝は暗くてもからなず明けます。 

rtfk さん、 もう一度行かれたら、また違った印象を楽しめると思います。!(^^)!

kuwachan さん、 多分西駅からでしょう。 火口が見れない方が結構いらっしゃるようです。GOOD LUCK!
by Jetstream777 (2012-11-13 21:33) 

Jetstream777

Terry さん、阿蘇は世界でも有数のカルデラ、雄大な景観です。外輪山が見事です。 食べ物もおいしいし、機会をみてお出かけください。

hide さん、 夏の阿蘇登山は日干しです。 よくもあのバカ尾根を登りましたね。
季節的には楽ですよ。 夏は2山は登れません。 体力・脚力でカバーできませんので、せめて巧みに攻めるしかありません。

tochimochi さん、 運よく、火山ガスはまったく稜線には流れてきませんでした。西駅からは火口が覗けますが、東駅からはみえませんが、壮大な阿蘇の全貌を眺められます。 楽しい登山でした。
by Jetstream777 (2012-11-13 21:34) 

Jetstream777

nousagi さん、 実力はありませんし、臆病なので リスクをいかに減らすか必死で考えます。 (笑) 案内所のおばはん、自己責任なんて親切です。 でも、ある程度の情報は把握してるんでしょうね。 

koh925 さん、 あの火口はガス濃度が結構変わるし、風向きでしょっちゅう警報が出るようです。 強制的に退去させられますね。^^;;

よしころん さん、 今はセンサーがついているので、すぐ注意警報が出ます。 でもあの中岳火口は硫黄の匂いがスゴイですね。 昨年は運よく、火口をのぞくことができました。 熊本は食べ物がおいしいですね。 熊本ラーメンはおいしかったですよ!
by Jetstream777 (2012-11-13 21:35) 

Jetstream777

mimimomo さん、 天気がいいと様変わりですね。いい時も悪い時もありますよ!
バカ尾根は上りはまだしも、下りは大変と思います。

ゆうくん さん、 阿蘇のスケールはけた違いですね。 日本の山は火山が一杯ですね。 百名山のうち半数近くは火山と思います。

ひろたん さん、 西駅の火口近くは臭いますが、今回上ったルートはほとんど臭いませんでした。 火山のあるところ温泉あり。 平湯や草津の匂いです。 (笑) 
苦手なんですか?
by Jetstream777 (2012-11-13 21:35) 

元山陽ちとせ

阿蘇山は中学の修学旅行と、
子供の頃の家族旅行で行っときのことが
強く印象に残っています。
避難用シェルターの形、今でも目に焼き付いています。

by 元山陽ちとせ (2012-11-13 23:12) 

OJJ

↑ 再訪失礼します。
 由布岳に登った時にガイドさんが深田久弥さん曰く「ここを百名山に選ばなかったのは私の間違いです!」から百名山の101番目に・・、そんな山は他にも有りますが・・・笑)
by OJJ (2012-11-14 08:44) 

opas10

案内のオバちゃん、なかなか粋ですね~。最後から2枚目の写真を見て、豊穣という単語が浮かんできました。
by opas10 (2012-11-17 15:10) 

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