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高妻山の日帰り、一山で何度も疲れる山。 [百名山歩き]

この高妻山は、アプローチが長く標準コースタイムで登り約5時間、 帰りも約3時間半のロングコース。

しかも営業小屋はなく、緊急時の避難小屋だけである。 日帰りとしては長い歩行時間です。

水場も一不動の前の氷清水が最後で、稜線に上がってからは水場もない。

ロングコース、 しかも蒸し暑い天気、 予報がくるって 雨のなかを登っていくことになる。

装備はミニマムにしようと思ったが、天気が悪いのでいつも通りでパッキング。

やや雨が小降りになったのを見計らって、6時半に出発しました。

BT01.jpg

*** 雨中でガスって、掲載に値するような写真もなく、味気ない記事となってしまいましたが、何卒~ご容赦ください。***



BT03.jpg

牧場の柵に入り 放牧地を抜けて、登山道に入る最終の柵を抜けると、大洞沢にはいる。



BT03A.jpg雨により、沢水が増え勢いよく流れている。

いきなり沢を右にトラバース、何度となく渡渉を繰り返す。

沢の流れにある石を探して、ホップ―ステップ―ジャンプで飛ばないと靴が浸かってしまう。

何度も、何度も渡渉を繰り返すことになる。



BT05.jpg2本のクサリ場、水に浸かって滑りやすい。 クサリに頼るしかない。

更に、滝のように流れ落ちる沢が登山道。 

次のクサリ場は垂直のクサリ2段のあとは、断崖の斜めに登るトラバース。

ところが、クサリは一本一本が 間隔をあけて| | | | | ・・・・・と付けられている。

一本一本 手繰り寄せてトラバースしていくのである。

横に繋がれていればいいのに、なぜこんなクサリの張り方をするのだろう。 

登山者が何人も同時にクサリに掴まると負荷がかかって抜けてしまうことを想定したのだろうか?

上りはなんとか抜けられます。 (下りは、雨で滑りやすいので注意!)

BT06.jpg帯岩をクリアし、小さな沢になった登山道になります。 

普段はこんなに水は流れていないと思います。

この途中、最後の水場がありますが、水は2L持参したので水は汲まず。

こんなに雨の降る中を登ったのは、昨年の槍沢の登り以来である。




視界が開けてくると、一不動避難小屋に着きます。

雨の中レインウエアで、ここまで約1時間45分とペースとしてはまあまあ。

でも、かなり消耗した。 隣で休んでる方も、 「もう一つ山を登ったような気分。」

雨はやまない、降り続いている。 コースタイムで頂上まで150分。

「もう、ここまでで今日は引き返そうよ」 という囁きが聞えた。 

休んでいるうちに、雨は霧状にかわった。 小屋で休んでいた方が、出かけていく。

あるアイデアが浮かんだ。 避難小屋にザックをデポし、サブザックで必要な荷物を半分にする。

実際に分けてみた。 でも、この先の歩きはまだ長い。 正攻法でいこう。

サブザックをそのままザックに入れた。 レインジャケット・ズボン収納。 ザックカバーはつけたまま。

弱気の虫の囁き を振り払って、小屋の外に出た。 

ガスって視界は利かないが、沢から稜線への歩きに変わった。 

BT17.jpg五地蔵山までは、登り基調のアップ[右斜め上]ダウン[右斜め下]が続く。 途中痩せた部分があり要注意。

レインジャケットを脱いだせいか、虫が寄り付いてくる。

この虫は、気力では降りきれないムシなのである。

私なんかより、山ガールのほうがおいしいはずなのに。(笑) 

ここは梅雨後半には、低山のように蒸し暑くなるのか?

頸城山塊は豪雪地帯であるが、初夏には一挙に「低山化」するのか?


五地蔵山に着くが、ガスってなにも見えず。

避難小屋まではともかく、ここまでで 一山登ったという感じ。

程なく登山道は直角に左折。 晴れていれば、北信5岳の展望ルート。

ここから、花の咲き乱れる稜線ですが、花を楽しむ余裕がありません。

少しく下って[右斜め下]、また登り[右斜め上]。 八観音で、ザックがデポしてありました。

一瞬、私もデポしようという”悪魔のささやき”がありましたが、 (笑) ここでも振り切り、

そのまま 八丁弛みへ下る[右斜め下]

八丁弛みから程なくすると、 高妻山頂上への最後の直登[右斜め上][右斜め上]、標高差300M。

頂上からの下山者が、「この下りは何度も滑った。 気をつけてください。」とアドバイスあり。

BT14.jpg大きな段差があるところも数か所あり。

木の枝・根の助けもかりながらクリアしていきます。

雨でぬれた岩が滑りますので、時間をかけて登ります。 ここが一番キツイところ。

視界が明るくなると、稜線にでて頂上らしき峰がおぼろげに見えます。

着いたところは十阿弥陀。 頂上はもう少し先。

12時5分前、なんとか高妻山頂上に辿りつく。 延々約5時間半。

休憩時間を抜けば何とか標準コースタイムだが、消耗しきった。

BT15.jpgこの高妻山で、二山目という感じ。

休んでいると、虫の大群が。 泣きっ面にハチではなく、虫である。[もうやだ~(悲しい顔)]

チョット寒いけど、風のある南面へ避難。

おにぎりも、サンドイッチもおやつもあるが、 この日は食欲なし。[ふらふら]

こんな惨めな気分の百名山は初めて。 頂上制覇の喜びも湧いてこない。

とにかくまず、スポーツドリンク(ジェル)をのみ、体力回復だ。

展望もきかない頂上。[もうやだ~(悲しい顔)] 晴れていれば、全方位のパノラマで気分も一転するだろうが。

30分ほど休み 下山[右斜め下]です。

この急坂は、ゆっくり~と足元を確認しながら下ります。 

下りは滑りやすく危険だが、無事八丁たるみへ。 

ほっと息つく暇もなく、八観音への登り[右斜め上]

八観音からまた下り[右斜め下]、再び五地蔵山へ登りかえします[右斜め上]

BT11.jpg

この稜線は、花の宝庫。 

シラネアオイはもう涸れる寸前でしたが、そのほかの花は咲き乱れています。

写真を撮ったのですが、 今回は雨を想定し、コンデジのみ。

撮った写真はすべて、ピンボケ。 マクロモードでもピント合わず。 遠景もピントが合いづらい。

これはピント不具合品だ。 最小焦点距離よりかなり離してもピンと合わず。

このデジカメ、普及品だからといって基本性能がNG。 あっという間になくなる消耗品でぼろ儲け、しかも互換品は使えないようにしている。 このメーカーの体質が見え隠れ、もう二度と買わない。[ちっ(怒った顔)]

五地蔵山でもガスって、視界は利かず。 

弥勒新道という新しい尾根道が出来たようであるが、視界不明瞭なのでそのまま一不動に向かう。(弥勒新道のほうが、時間的には早いかもしれません。)


五地蔵山からの下りも、二つのピークを越えていきます。

その間アップダウンが何度もあります。 これは堪えます。 

往路は何とか気力でもったが、このくだりの[右斜め下][右斜め上][右斜め下][右斜め上][右斜め下]はキツイ。 [ふらふら]

もう避難小屋に着くだろうと思っても、まだアップ[右斜め上]ダウン[右斜め下]

いつまで続くんだろう。 (笑)

BT19.jpg

振り返ると、五地蔵山への稜線がみえます。

ガスが切れ戸隠牧場も視界に入りました。

BT09.jpg一不動の避難小屋に倒れるようにたどり着く。  

ここで、水分補給するが食欲もなし。

ここまでの稜線で虫に攻撃された箇所がカユイ。
自宅の玄関にかけてあったスヌーピーの虫除けを拝借してくればよかった。 ちょっと恥ずかしいが。 


もう散々だが、 避難小屋で居合わせた登山者の方々と談笑し 幾分気分がほぐれた。


もう3時過ぎだ。 避難小屋で休んでいらっしゃった方々に挨拶して下山開始。

BT08.jpgまた、水があふれた登山道を下ります。

帯岩の嫌な鎖を一本一本手繰って、トラバース。 

そして、垂直のクサリ2段。 下りは雨で滑り、足の置き場も難しい。

ボルダリングなんかをやっていると、こういうときに役立つのだろう。

帯岩から下ると、渡渉がはじまる。

最後の長い2本のクサリを下るとややほっとするが、朝より増水して渡渉しにくくなっている。

一度小岩をはずし、一瞬ズボット水に靴をいれてしまったが、運よく靴への浸水はなし。

気の抜けない渡渉が繰り返し続く。 

最後の渡渉が終わると牧場へ入る柵に出た。 なにもなく 無事下山することができた。

頂上からのアップダウンの下りだけで、もう一つ山を登った感じです。

BT21.jpg

あとは、 お牛様方、お馬の親子を横目に牧場入口に向かう。


BT22.jpg時計は16時半を過ぎている。 10時間に及ぶ山行。

牧場入口横の””に飛び込み、蕎麦ソフトクリームでのどを潤す。

名物の手打ち戸隠そばを注文。 出されたそばは束になってきれい。

飛びつくように食べてしまった。  シマッタ!

きれいな束になったソバの写真を撮ろうと思ったが、もう遅い

「待て!」 と云われて、待てが出来ずフライングして餌に飛びつくワンコと同程度なのだ。(笑)


帰路はムレ温泉に立ち寄り、スッキリとして帰宅しました。
[いい気分(温泉)]

下山したときは、ただ無事に下山できたということだけ。 いつもの下山時の充実感は湧いてこなかった。

今この記事を書いている数日後には、

大変な山行であったが、なんとか登りきった実感が湧いてきた。

そして、虫どもに刺された手、指、耳がまだカユイ。

こんな山行もある。 


高妻山は、一山で何度も疲れる山であった

2012-07-15 16:37 高妻山

平面距離  11.9km
沿面距離  12.5km
総移動時間 10:12:35(休憩約1:30)

最高標高 2366m
最低標高 1204m

累計標高(+) 1449m
累計標高(-) 1452m
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コメント 22

mimimomo

おはようございます^^
ご苦労様でしたね~(^^ たまにはそう言う山行もありますよ・・・わたくしの場合は‘たま’ではなく
結構何度もですが・・・(^^ゞ
雪が解けた後の山は虫が多いですね。佐渡もそうでしたし、燧ケ岳もそうでした。
by mimimomo (2012-07-18 08:21) 

koh925

お疲れさまでした
水場がないのに雨水との戦い、体力勝負の登山でしたね
辛抱と、根性でしょうか
by koh925 (2012-07-18 10:16) 

kuwachan

こんにちは。
雨中お疲れ様でした。登山道がまるで川のようでしたね。
下山してからのお蕎麦が美味しかったことでしょう。
私もひと口食べてから、気が付くことしょっちゅうです(笑)
わんこ以上に食い気が勝り過ぎているようです(爆)
by kuwachan (2012-07-18 12:10) 

Terry

あ~わかりますわかります。夏場の虫はイヤですよね~。
相当こたえたようで、お疲れ様でした。さあ梅雨も明けたことだし、スッキリ爽やかな所に行きましょう!やっぱ北・南アルプスでしょうか。と書きつつ今週末は東北に行ってきますが。
by Terry (2012-07-18 17:35) 

nousagi

あいにくの天気にこんなロングコースを
御苦労さまでした。
さすがに、雲取山の日帰りで鍛えただけありますね。
なんのかのと言いながらちゃんと歩き切ってしまうのですから。
すごいです。
頂上で食欲がなくても、下山したら
ソフトクリームもお蕎麦も入ったんですよね。
やっぱりすごいです。(^^)
by nousagi (2012-07-18 18:27) 

よしころん

悪天のなかロングコースお疲れ様でした。

虫にも刺されましたか~~ コバエのような虫ならブヨです。
ちなみにブヨにはスヌーピーの虫よけは効きません ↓
いつものようにぶら下げていましたが、ガッツリ噛まれました ToT
by よしころん (2012-07-18 19:59) 

のら人

こんばんは。
なんとなく分かる情景です。 ^^; 自分も雪渓が多い所を除けば、似たようなモノでしたから。 ^^  この様な山行は後になればなる程、実感を噛みしめられる良い山行だと思いますよ。 自分も据え膳を待てないタイプ?でして ・・・ 先ほど電話で今週の山小屋予約をしてしまいました。(苦笑) 流石に今週は命懸け?です。
by のら人 (2012-07-18 20:38) 

tochimochi

雨の中、この鎖場の登下降の大変さはお察しいたします。
さらにピークが3つもあっては確かに何度も疲れるヤマですね。
でも後になって充実感がこみ上げてくるのはそういった山が多いです。
お疲れ様でした。
持参されたデジカメはかつての記事のものであれば、マニュアルフォーカスが使えるはずです。ちょっと面倒ですがピンボケは防げると思います。

by tochimochi (2012-07-18 21:43) 

OJJ

慎重なJetstream777 さんでもこんな目に合うことが有るのですね~・・・
高妻山は止めとこ、戸隠そばだけ参考にしよう・・と決めた! 軟弱ハイカーですハイ!

by OJJ (2012-07-18 23:03) 

ロバ

高柄山、手強そうです。
この山は、日の長い時期、天気の良い日に登ろうと思います。
貴重な情報有り難うございます。
by ロバ (2012-07-19 00:29) 

テリー

お疲れ様でした。よく引き返さずに、頑張りましたね。
高妻山は、登らないことにします。
苦労ばかりで、写真撮影できないなら、あまり行く意味がないのでーー。
by テリー (2012-07-19 10:29) 

Jetstream777

mimimomo さん、 山行歴を拝見しますと、スゴイですね。 足元にも及びません。まだまだ修行が足りないのでしょう。(笑) 

koh925 さん、 体力勝負の山は大変、楽な山がいいです。(笑) 根性よりも、我慢するしかありません。(泣)

kuwachan さん、 お蕎麦がとてもきれいにセイロにのせられてあり、写真でお見せしたかったのですが。。。 待ての出来ないワンコでした。 (笑)
by Jetstream777 (2012-07-20 16:44) 

Jetstream777

Terry さん、 東北の山、いいですね。 今週は天気がイマイチなので、お休みです。(笑)

nousagi さん、 ここは急なアップダウンがあり、雲取山はずっと楽です。 戸隠キャンプ場で前泊されれば楽しいかも。 ここは体力のあるうちに登っておくべき山です。 (笑)   疲れた後は、喉を潤し、スッキリしたものがおいしい。 岳の戸隠蕎麦、覚えておいてください。 !(^^)!
by Jetstream777 (2012-07-20 16:46) 

Jetstream777

のら人 さん、 あとからじわ~と実感がわいてくる? なぜか湧いてきません。(笑)
今週も天気が良くないようです、好転することをお祈りします。 大変な山行計画のようですね、お気をつけてお出かけください。 天気が良ければ、出かけたいのですが所要あり、今週はNGです。

tochimochi さん、 雨がなければ、鎖場も楽しめる?でしょうが 滑りますので緊張は隠せません。(笑) あとになって懐かしい山行として甦ればいいのですが・・!(^^)!
デジカメ、アドバイスありがとうございます。 面白い機種なのですが、ローコスト品なのでアンバランスなのかも? 接写・無限大のピントは不得手な機種です。MFも出来ますが信じられないほど甘い。 ”悪いのに当選”したかもしれません?(泣)
by Jetstream777 (2012-07-20 16:48) 

Jetstream777

OJJ さん、 ここは止めておいた方がいいかも。 (笑) お蕎麦だけ食べてください。

ロバ さん、 流石、仰る通りです。 +体調のいい時に、そして体力のあるうちにのぼってください。 晴れていれば、登り甲斐のある山となるでしょう。 深田久弥は”厄介な山”を選んでくれました。 (笑)

テリー さん、  それもいい選択カモ?(笑) でも、ここはが意外と玄人好みの山かも。稜線からは晴れていれば、後立山・アルプスが見れますよ。 !(^^)!
by Jetstream777 (2012-07-20 16:59) 

Umi-Bozu

私も去年、八ヶ岳で下山中にアブに刺されました。キャプリーン2の長袖の上からぶっすりと… そのあと2週間くらい痒かったのですが、キャプ2を貫通する嘴にも感心しました。この時期は暑いし蒸すので半袖短パンで軽快に行きたいですが、難しいですね。
by Umi-Bozu (2012-07-20 21:58) 

ひろたん

お天気が悪くても強引に行ってしまいます
仕事があるとそうしないといけない時があります
今の状態では
仕方がないと思っています
by ひろたん (2012-07-20 22:49) 

Jetstream777

Umi-bozu さん、 私も長袖を着ていましたが、その上からブスリ。 耳、小指まで刺されました。 男の方でも、ネットを被っていらっしゃる方を何人か見かけました。 高い山にシフトしても、途中は低山帯があるので、同じですね。 (笑)

ひろたん さん、  そのお気持ちよくわかります。 こう何週も週末の天気が悪いと、行ってしまいますね。 (笑) 遠出して天気が悪いと、損したと感じる貧乏性の私ですので、できるだけ晴れを狙っていくんですが、無理ですね。(コメントダブっていましたので前の消させていただきまいしたよ。 悪しからず。) 
by Jetstream777 (2012-07-20 23:22) 

チェリー

雨の中、虫に刺されてへこむ様子を想像してしまいまいた^m^ププッ
私も先日、手の親指に「こんなところに血豆」と思ったら、血をたらふく吸ったダニでした・・・キモ悪さもありましたが、それ以上に痛痒さは言葉になりません・・・(>_<)
虫の嗜好にもいろいろあるんですね☆
by チェリー (2012-07-23 13:30) 

Jetstream777

チェリーさん、 まだ雨だったから、軽症ですみました。 降ってなかったら、悲惨だったかもと慰めてます。 (笑) 虫刺されなんてと侮れませんね。 毒です。
虫の嗜好・・・・・ はて。 (笑) お気をつけてください。
by Jetstream777 (2012-07-23 21:32) 

misato

ひゃぁぁぁ~!そんなキツイ山、私にはとても無理です^^;
がんばりますねぇ、偉い!
by misato (2012-07-28 17:40) 

Jetstream777

misato さん、 あなたの山行記事拝見しますが、かなり健脚です。 高妻山は十分クリアできます。 昨日、富士宮口から登りましたが、同じコース。 私にとってはキツイ!よ。
by Jetstream777 (2012-07-29 16:35) 

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