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Bisse de Cherve  [アルプスの旅2022]

7月12日 午後 コンバッセリンから標高2,200Mの山腹をトラバースする遊歩道 Bisse de Cherve を歩いてみました。

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これぞスイスのハイキングコース、といった歩きが楽しめます。

駐車場のあるシビエズから東の山腹に向かうコンバッセリンへのリフトに乗車しました。

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牧草地に放牧された牛がいっぱい。ほんとにのどかな光景です。

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リフトの終点まで、標高差500M を10分ほどで上がれます。

リフトやロープウェイで上がった先にはどんな光景が待ち受けているか、見たことにない風景に期待は膨らみ、いつも楽しみです。

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Combatseline コンバッセリン、フランス語の読みは難解です。(笑) 誤読はどうぞご容赦を。この山岳リゾートはNENDAZ ナンダと称されます。

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直ぐ近くにレストランもあり。こんなながめのいいテラスで食べるのもいいですが、事前の情報不足です。

とは云うもの、もし二人で昼食をとれば多分50フランくらい。せいぜいソーセージにロスティ(ジャガイモの細切りをフライパン焼き)にコーヒー程度でそれくらいになるでしょう。7月前半の概算レートは140円、換算したら7千円 (*_*; 円換算したら食べられません。;;;; が毎回持参のパンでもおいしいです。

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リフトやゴンドラの運賃はとても高いですが、高いけどそれだけの対価、プライスレスの価値が感じられますが、外食(食べること)値段の高さには納得しがたいものがありますね。

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ハイキングルート標識。いろんなコースがありますが、1時間半くらいで戻って来れるコース。 BISSE DE CHERVE このあたり一帯を縦走するハイキングコースで途中までいってみることにしました。このリフト駅がコースの中間点のようです。

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奥の左に見える一番高いピークが午前中に頂に立ったモンフォール3,328m。つい数時間前なんで奇異な感じです。真ん中がベック・デ・ロス3,223m、右側がモン・ジュレ3,022mという山です。

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これから歩く遊歩道は、直下のトルタン氷河から北に下る谷の東側山腹をくねくねとトラバースする道。

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谷を挟んだ西側の山稜。左端の山がモン・ゴンMont Gond 2,667M

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検索すると、セラスチウム、ナツユキソウ

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山腹を曲がりくねっていますので、風景が変わります。奥の山はモンフォール。

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古道のようで、以前は断崖に道が設置されていて、木道を支える木材が残っています。出来るだけ水平道につくられていたようです。

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アルペンローゼ

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小刻みなアップダウンもあります。

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西のナンダ側Nendazにも縦走路があるようですが、こちらとは対照的に岩々しい感じの山稜です。

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断崖や谷が落ち込んだ道が続きますが、開けた感じの丘陵地にでます。

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沢筋にでると、上流からの水が川となって谷へ流れていきます。

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50分ほど歩きましたが、ここで折り返し。あと1時間近く歩けば湖にでますが、そこから4バレーリフト駅まで1時間半、駐車場へ戻るには3時間はかかってタイムアウトとなりますので

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来た道を戻ります。標高2,200~2,300M の遊歩道ですが、牧草地、樹林帯、崖もあって変化が楽しめます。

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サクシフラガ、ユキノシタ属のようです。

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陽射しはありますが、快適。天気も良く温度も上昇してますが、湿度が低いのが爽快感となっていると思います。

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古道の残骸箇所、下でも道が出来るのにどうして崖の部分に木道を透したのでしょうか? 不思議です。水路でも引いたのか??? Bisse というのは横に小さな水路(側溝)がある小径のことをさす意味もあるようです。

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短い距離ですが変化に富んだプロムナード。

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ゼラニウム

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遠望だけでなく、足元には花々も咲いています。

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シラタマソウ(真ん中上)やホタルブクロが多く見られます。

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ホタルブクロ(ヒメイトシャジン?)の群生

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リフト駅に戻りました、往復1時間半余の楽々ハイクでした。

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歩いたログです。左がリフト駅コンバッセリン、右が流れる沢の折り返し地点。小さなアップダウンは繰り返しありますが、こうしてみるとほぼ水平道です。

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駐車場のあるシビエズへ下ります。

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ローヌ谷にでてハイウェイでシオンへ、途中のスーパーマルシェで買出ししてアパートへ戻ります。

文中でも述べましたが、スイスの物価はとても高いです。同時にいつもスイスを旅して感じるのは、”スイス”というブランドと価値です。スイスの自然・風土、インフラ、モノやサービスは魅力的で、高くともそれなりの対価を支払うことを許容してしまいます。もう少し安かったらとは思います。「もう少し」というのはやはり「円安」にともなうコストアップ分が余分な負荷。グローバルなインフレはある程度許容することは已む得ないかもしれませんが、「円安」には納得しがたいです。さもなくば、日本は通貨を含めて価値がなくなりつつあることを受け入れる時期かも。

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日本にもスイスに劣らぬ自然・風土、素晴らしい価値もいっぱいありますが、円安を機に「円安バーゲン」「安売り日本」「インバウンドはお得」にはとても情けなく感じます。経済・産業構造が変わってしまったのに、円安・株高という「目先のエサ」だけ求めた成長・実効の伴わない経済・金融政策をとり続けた。注がれたシャンパンはタワーの上部にあふれたが、中流域へは滴すらも流れず枯渇、下流域が干からびて広がってしまったように映ります。  スイスの一人当たりのGDPは3位、日本は28位。どうしようもないですね。

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コメント 21

ファルコ84

ハイキングコースと言っても私には、登山同様です。
牛、木々、花々・・・に出会え清々しいですね、
山々を満喫できました。
by ファルコ84 (2022-10-06 09:47) 

ma2ma2

これだけ円安になると海外での買い物も結構考えちゃいますね。
by ma2ma2 (2022-10-06 15:35) 

JUNKO

とても楽々コースとは思えませんが圧倒的な眺望にみとれますね。高山の花々の何と美しいこと。何時も楽しませていただいています。
by JUNKO (2022-10-06 17:29) 

hide-m

結構傾斜がきついようですね。
by hide-m (2022-10-06 20:11) 

nousagi

以前のような感覚でいると
海外では何もかもビックリするほど高いみたいですよね。
ほんと、円の価値、上がって欲しいですね。
by nousagi (2022-10-06 20:34) 

八犬伝

早く、黒田総裁が代わらないですかね。
あまりにも円安過ぎますね。
ランチもおちおち食べれませんね。
私も、円安傾向にあった時
アイルランドで、ハンバーガー店に入り
バーガーとコーラで2千円ほどした時には
さすがに、考えました。
by 八犬伝 (2022-10-06 20:35) 

kuwachan

可愛らしいお花がいっぱい咲いていて景色も素晴らしいのに下ばかり見て歩いてしまいそうです。湿気がないのはいいですね、かなり暑くても爽快感がありますよね^^
by kuwachan (2022-10-07 06:02) 

tochimochi

ハイキングコースから眺めるモンフォールは数時間前まであそこに居たとは信じられない距離感ですね。
機械力の凄さを感じます。プライスレスも納得です。
放牧の牛たち、広大なお花畑とスイスの風景は素晴らしいです。
トリクルダウンはまさに詐欺、格差の拡大だけを生みましたね。
金融ジャブジャブで株高円安を作り出したのに、庶民が物価高に苦しんでも金利を上げられない無策ぶりには絶望を感じます。
インバウンド需要、旅行割と言っても潤うのは一部の方たちだけでしょう。
by tochimochi (2022-10-07 11:23) 

OJJ

地面に草のみどりが見えると険しい研ぎ澄まされた岩稜と言う雰囲気から、牧草も見えお花畑(ちょっと言い過ぎか)を感じます。奥様の写っている場所ならハイキングと言う表現ピッタリで・・・それにしても沢山の花を見つけられましたね~流石ですハイ!
霧散した三本の矢は何処へ落ちたのでしょうね?天空に消えた?
by OJJ (2022-10-08 06:58) 

Jetstream

ファルコ84さん、岩々しい風景も素晴らしいですが、長閑な木々のある山歩きはいいですね。自然の美しさには癒されます。

ma2ma2 さん、今や日本にあるモノの大半は海外からなんで、海外で買い物すると同じでほとんどのモノが値上がりしているということです。

JUNKO さん、のようにうまく撮れませんが、楽しんでいただければ幸いです。山に咲く自生の花はいっそう美しく感じます。

hide-m さん、山腹の傾斜はありますが、そこをうまく水平にハイキングコースがつくられています。歩き易く楽々です。
by Jetstream (2022-10-08 10:22) 

Jetstream

nousagi さん、海外へいくと大きな価格ギャプを感じますが、日本でもインフレだけでなく円安による輸入品の値上がりが顕在化しつつありますね。年金は定額、円の価値は下がる、なすすべもないです。

八犬伝 さん、あのお方。「家計の値上げ許容度はある」発言、あのような感覚の人物がいつまでも居座っていることが円安の元凶です。金融政策が通貨に及ぼす影響を他人事のよう映ります。海外旅行だけが高くなるのならまだしも、国内へのエネルギーを含む輸入コストが上がっているという切迫感が希薄。当事者だけでなく、国民の中でも通貨=価値ということを理解していない方も多いのは情けないです。

kuwachan さん、まわりは素晴らしい風景、視線を下にやると花々、脚が進みませんよね。仰る通り、海岸近くの地域でなければ欧州では湿度が低いから暑苦しさはなく、爽やかですね。
by Jetstream (2022-10-08 10:42) 

Jetstream

tochimochi さん、スイスではどこへ行っても山岳交通機関が充実ぶりには驚異です。朝早出しなくとも昼までには頂に立てるのはメリットです。でもやはり自分の脚で歩けば、楽しみが倍化しますね。後半のコメント、ご指摘通りです。部分部分にパッチを当てる一時しのぎでは、悪循環から脱却できないですね。

OJJさん、前回記事のモンフォールよりも、このようなハイキングの方が楽しいですね。有名リゾートでなくともハズレが少ないのがスイス、流石観光立国です。
矢はもともとなかった、アベノミクスという虚構に惑わされた失われた10年です。10年前@GPDは13位でしたが、今年は30位以下になるでしょう。このことがすべてを物語っています。負の遺産と悪弊から早く脱却してほしいですね。
by Jetstream (2022-10-08 11:09) 

伊閣蝶

素敵なお花と、勇壮な山々の眺めを堪能させてくれるコース。
なかなか出会えない風景に、ため息をついてしまう想いです。
それにしても、古道の跡。
仰る通り、どうしてこのような道を作ったのか少々疑問ですね。
日本の場合は、そうするしかなかったような場所で見かけることが多いのですが。
by 伊閣蝶 (2022-10-08 17:11) 

Jetstream

伊閣蝶さん、スイスのハイキングトレッキングコースの充実ぶりには目を見張ります。
調べてみましたが、スイスのバレー州には昔からビッセBisseは多くあり、水路を伴った道のことを云うようです。道が水平に保つ必要があったのは多分水路の敷設で、崖に敢えて道(水路)を敷設したと私の推定です。でも、下流域でも水の取水は容易と思われますので不思議です。
by Jetstream (2022-10-08 20:12) 

koh925

高山植物に出会うと立ち止まって草花を鑑賞
身体も心も癒されますね
by koh925 (2022-10-09 10:57) 

Jetstream

koh925 さん、どこでも花は和みと癒しになりますね、とくに異国の花、日本では見れない花は新鮮です。!(^^)!
by Jetstream (2022-10-10 12:13) 

まこ

こんばんは~
ウン十年前ですが、欧州美術館巡りの途中
イタリヤからスイスにドライブしたことが有ります♬
その頃でも、パスタが不味くなったのと、物価が急に上がったのが
印象的でした。。。
by まこ (2022-10-10 23:09) 

Jetstream

まこ さん、おはようございま~す。美術館巡りなんていいですね。
スイスのイタリア料理は? 北イタリアの店ででるパスタは中南部のおいしい麵とは製法がことなり、硬くて粗い麵。おいしくないです。物価だけならスイスと比べるとイタリアが安くて過ごしやすいですね。
by Jetstream (2022-10-11 09:48) 

joyclimb

「リフトやゴンドラの運賃はとても高いですが、高いけどそれだけの対価、プライスレスの価値が感じられます」は、同感です。
ハイウェイから見るローヌ谷、なだらかな斜面が続く山並みが印象的です。
by joyclimb (2022-10-11 23:50) 

imarin

最近、良く見る登山系YouTuberさんもこの辺りのロングトレイルアップされていて、
まさにこちらで目にした風景でどちらもより楽しく拝見できています。
自分は行けるかな・・夢のまた夢かも^^
by imarin (2022-10-13 11:44) 

Jetstream

joylimb さん、登山にもいろんな選択肢があっていいと思います。自分の脚で山頂まで登るという、お金では買えない価値があります。脚力・時間がない人にはスイスの山岳交通機関の充実はありがたいですね。
ローヌ谷、写真の通りなだらかな丘陵地が続きます。この辺りはワインの産地で有名です。

imarin さん、ヨーロッパアルプスではピークハンティングよりもトレッキングがメインで、縦走路も網羅されています。歩きやすそうなコースも多くまた出かけたいという気持ちが湧いてきます。健康で願望があれば、行けるでしょう。そう願っています。
by Jetstream (2022-10-14 15:01)